妊婦生活もここまできた

妊娠8ヶ月に突入した。
ここまで来るのが長かったような…短かったような…うん…正直長かった。
昔から漠然と「子どもが欲しい」とは思っていたので、今自分がこういう状態であることは幸せなことなのだろう。それは間違いない。
でも、妊娠する前には考えが及ばなかった大変さが多々あって、「幸せだなぁ」だけでは決してないということを現在進行形で噛み締めている。

まず、妊娠するまでが一苦労だった。
わたしは不妊治療(体外受精)によって妊娠に至った。
現在は保険適用もされているので大分ハードルは下がってはいるとは思うが、それでも、自然に妊娠していればかからないお金がかかったり、精神的、体力的な負担が大きくのしかかってくる。
幸い、2回の採卵、2回の移植で成功したので比較的負担は軽かったとは思う。ただ、もう、知っている人は知っているとは思うけれど、大の注射嫌いであるわたしにとって体外受精するときの注射の量は相当なもので。年1回の健康診断の採血だけで死にそうになっていたわたしにとって、1日2〜3回注射打たなきゃいけない日があるって相当なストレスで。
なんなら自分で自分の腹に注射刺さなきゃいけないのが痛過ぎてもうもう半泣きの日々で。(自己注射、厳密には痛いやつと痛くないやつがあるし、刺しどころにもよるのですが、まぁ針刺すのはどっちにしろ怖い)
採卵手術も局所麻酔だったので、我慢は出来るけれど痛いもんは痛い。
そんな注射地獄を乗り越えてまで授かった子ではあるから、ここまでお腹の中で育ってくれたことはとてつもなく愛おしいし、幸せなことだし、不妊治療をしても授かることが難しい人がいることも重々分かっているから、大変だなんて言っていてはいけないよな、とも思う。
ただ、自分のnoteなので言わせてくれ。不妊治療も辛いが妊婦も辛い!わたしは妊娠期間がこんなに辛いなんて知らなかったし、たぶん知っていたら知っていたでビビって不妊治療に挑めなかった!でも今まで誰も妊娠期間がこんなに大変なんて言ってくれなかった!騙された!……って、思った日もあったよ正直……笑(大変さは人それぞれです、たぶん)

まず、何が辛かったかってそれはもうツワリ。二度と経験したくないし、本当は子ども2人とか欲しかったけどツワリがあるならもう1人なんて考えたくもない。それくらい辛かった。
元々体が弱くて、体調を崩すとすぐ胃腸がやられる体質なので、嘔吐に対する許容というか、「ああ、この感じね」っていうプロ意識はあった。(プロ?)
だが、1日中寝ても起きてもいつでも気持ちが悪く、吐いても吐かなくても永遠に吐き気が消えず、食事はおろか水分摂取もままならず、それがいつまで続くか分からない。脱水で熱は出るわ、頭は朦朧とするわ、吐きすぎて胃液胆汁、果ては血まで吐いた日にはちょっともう死ぬかもしれんとさすがに思った。
嘔吐に対する許容とかプロとかそういう次元じゃなかった。ドラマと全然違うじゃん!!「うっ」ってなって洗面所やトイレに走って行くとかそういうのじゃない。1ミリも動けないし、間に合う気もしないし、一生気持ち悪いので人としての尊厳が最早なかった。
まぁ、そこまでいくと案の定ツワリというか妊娠悪阻と診断されて入院にはなったのだけど、点滴によって物理的に死にはしなかったが、死にたいほど辛い日々に変わりはなかった。
吐き気止めも点滴に入れてもらったけどまるで効かない。面会も禁止だったので病院のベッドで点滴しながらただただ1人吐き気に耐える入院は本当に辛い。冗談じゃなく毎日泣いた。心細過ぎた。
早くツワリ終われ〜!って祈るしか出来なくて、結局ツワリは2ヶ月半ほど続くことになるのだけど、このときはもうこのツワリは終わらないんじゃないかってほんと思ったよね。
ネット読み漁っても、看護師さんに聞いても、みんな口を揃えて「大丈夫、終わりは来るから!」って言うんだけども、いやそりゃあ来てもらわないと困るんだけど、こっちは「いつか」が「いつ」なのか知りてぇんだよ〜!と、ゲーゲーしながらその日が来るのを待ち続けました。
(あとから聞いたけど、自分の母親も義理の母親も、大分ツワリが酷かったタイプらしいので、気持ち分かってもらえて凄く嬉しかったです。てかみんな酷かったんかい!笑)

結局ツワリ期間で体重は8キロほど減った。美容院に行ったばかりだった髪はパサパサになり、全身がカサカサに干からびた。今は食べれるようになってるので体重は順調に元に戻っているけど。むしろ……だけど。
思い出すだけで地獄。今でも吐いてた時期になんとか食べていたものの一部がトラウマで食べられない。いや、ほんと、辛かった……笑

で、辛かったことの2つ目は、妊娠悪阻で入院した1ヶ月半後に今度は切迫流産で入院したこと。
まだツワリも終わらず、ただ、妊娠悪阻入院の前後よりは幾分かマシにはなっていた頃、ある日なんの前触れもなく大量出血した。
生理のときのドロっとした感じではなく、まさに鮮血って感じの赤で染まった便器見て「あ、これダメなやつだ」とすぐに分かった。それくらいのサラッサラの鮮血。それがドパドパ出てくる。
腹痛は気になる程はない、気がするが、とにかく出血がやばい。

このときまだ15週。あー、終わった……

ツワリで妊娠したことを後悔したりもした……けど、いざ赤ちゃんがダメになったかもしれないと思うと怖くて、どうしようどうしようってめちゃくちゃに怖くて、急いで病院に電話して、旦那に仕事から帰ってきてもらって、即診察してもらいに行った。
道中のわたしは泣くことしか出来なくて、あんな大量の出血があって赤ちゃんが無事だとはどうしても思えなくて、ああ、わたしがツワリに弱音吐いてばっかりだったからこんなことになったんだと自分を責めた。
親や友達になんて言おう……とか、旦那への申し訳なさとか、もうぐっちゃぐちゃ。
でもある程度覚悟決めとかないと自分を保っていられなくて、なんとかうん……病院まで辿り着いたら看護師さんが車椅子用意してくれて、本気で只事じゃないかもしれないと感じる。
ダメな気がする……でも、大丈夫かもしれない。わたしがダメとか思ったら赤ちゃんに申し訳ない。でも希望を持っちゃったら「もしも」のときに心がついていけない。

結果、赤ちゃんは変わらず元気で、子宮口も閉じているし出血の原因も良く分からず、とのことだった。えっ、あんなに出血したのに元気だし原因分からないとかそんなことある??
ただ、なんにせよ出血すること自体は良くないから何か起こる前に入院して様子を見ましょうってことでそのまま入院となった。
いやもう、赤ちゃんの心拍確認したときエコーしながら大号泣したよね……入院?します!赤ちゃんのためならします!ってなるよね。いや、入院って聞いて「また!?」とか「えっ、入院?」とはなったけど、こればっかりは仕方ない。
赤ちゃんが生きて元気なことがこの日ほど嬉しいことはなかった。
たぶん先生が気持ちを察してくれて4Dエコーもしてくれたんだけど、まだ15週とかなのにちゃんと人になってて感動。可愛い顔をしていて、まだ自分が親になる実感なんてなかったし今もイマイチないんだけど、親バカになる自信だけは妙に持ってしまった笑
入院中の点滴も、なんかものすごい量の採血もあって大変じゃないわけではなかったけど、妊娠悪阻での1回目の入院よりは精神的には楽で。
まぁ、1回目の入院はわたし自身が生きるか死ぬかみたいな状態だったけど、2回目の入院は赤ちゃんのために、みたいなスタンスだったからっていうのは大きいかもしれない。
出血も次第に止まって、赤ちゃんも元気で、しかもこの入院中にツワリも終わって、退院する頃にはすっかり元気になりまして。
退院後、旦那とラーメン食べにいけたときはなんかすごく「生(せい)」を感じてしまったな笑
久しぶりに白ごはんを美味しく食べられたときは冗談じゃなく泣きました。ごはんが、美味しい……😭

で、辛かったこと3つ目は、情緒不安定。
切迫流産での入退院後、食べれるし寝れるので大分楽にはなったのだけど、今度は急に精神的におかしくなった。たぶん、たぶんホルモン的な影響なんだろうけど、体が変化していくことへの恐怖でパニックになり、呼吸が浅くなって涙が止まらないっていう超絶メンタル不安定に襲われた。
わたしは普段そんなに精神的な不安に襲われることがないのだけど、それ故に初めての経験で自分の精神状態に自分でびっくりしてしまった。
言いようもない不安ってこんなに怖いんだなって初めて気づいた。
いやでもそうよ……幸せな姿かもしれないけど、自分のお腹どんどん大きくなって、心臓も異様にバクバクするし、お腹重くてうまいこと動けないのよ……怖ない??
妊娠前は自分の体のことはある程度分かってるつもりだったけど、もう今全然分からないのよ。怖えよ。怖すぎだよ。これからもっとお腹大きくなるの??怖い……
お腹に自分とは違う生き物がいるからまぁ当たり前なんだけど、不安による情緒不安定はときたまに起こる。次の日には治まるからたぶん大丈夫なんだけど、出来るだけ溜め込まないように周りに「怖い、怖い」を吐き出すようにはしている。
周りに支えられてなんとか保っているし、さすがに「娘がやばい!」と思ったのか、コロナ禍が怖くて1度の外食もしていなかった母親が実家からすっ飛んで来ましたからね。ありがたいです……ありがとう。わたしはなんとか元気です。

4つ目は便秘。これも甘く見ていた。
普段から快便かと言われればそういうわけではないけれど、でもまぁまぁ生活に支障なくやってきたつもりだ。
が、妊娠後期ついにそいつは猛威を振い出した。出ない。本当に出ない。あまり頑張り過ぎると腹圧がかかるので頑張り過ぎることも出来ず、トイレに行きたい気持ちはあるのにさっぱり出ない。
ついにお尻の出口につっかえてにっちもさっちもいかない状態で止まってしまい、座ることも寝ることも出来ないどころかおしっこも出なくなってしまった。さすがにまずい。これは次の健診まで待っているという悠長なことを言っている場合でもなく、ただその緊急事態が土日と重なってしまったのでどうにか土日を乗り切り(死ぬかと思った)月曜日に病院で摘便をして貰ったのである。良かった…
まぁ無事で良かったのだけど、摘便は結構精神的ダメージが大きかったね…
いやもう「早くスッキリしたい!」気持ちが大幅に勝っているし、婦人科通いすぎて先生や看護師さんにプライベートゾーンを見せることに抵抗があるわけでもないんだけど、さすがにケツに指突っ込まれて掻き出される羞恥心と不快感は結構なものだった。そして看護師さん、こんなことやらせてごめんなさいの申し訳なさが凄かった。
この妊娠期間で改めて、看護師さんって凄いなと思い知ったというか、感謝しかない。大変な職業だよ…いっぱいお給料もらって欲しい…

たぶんこれから更にマイナートラブルは増えてくるだろうし、ちゃんと正期産までお腹に居てくれるかまだ不安な面はあるけど、わたしが体も精神もボロボロになっている間飄々と元気でいてくれた赤ちゃんなのできっと大丈夫でしょう。
てか、たぶんわたしがへなちょこ過ぎなんだな笑
初めての出産なんて分からないことだらけで、みんながどういう感じだったかなんてたぶん本人も詳細には語らないし本当のところは分からないけど、とりあえずわたしは別段キラキラしたマタニティーライフとはほど遠かったし、なんならあれは表向きのつくられた情報なんじゃないかと思ったりもする。
少なくても半分くらいの妊婦さんは、ツワリで死にそうになりながら、赤ちゃん生きてるかなって不安になったり、食べたいものを我慢するストレスに頭掻きむしったり、マイナートラブルに振り回されたりしながら一生懸命出産の日まで頑張ってるんじゃないかなと、自分が経験して初めて実感した。
仕事が大変、辛いって言ってる旦那に「じゃあ代わってくれよ。自分の体が元気で身軽なら仕事くらいいくらでもやるよ」って思った。笑
出産自体も勿論もの凄く大変だと思うしかなり怖いけど、大変なのは産むことだけじゃない。そこに辿り着くのも大変なのだ。
どうかわたしも、母子ともに生きて元気でその日を迎えられたらいいな……と、思う今日この頃。
きっと最初で最後になるから、無事に終えたい。まだ凍結胚残ってるんだけど、もう1回10ヶ月妊婦生活する体力ねぇよ正直……笑

とにかく、まずは母子ともに生きて元気に帰って来られますように!
無事に産んで、わたしは寿司をかっ喰らいたい。カフェインたっぷりの緑茶と一緒にな!!
あああ、でも怖いな。わたし陣痛耐えられるんか。まぁいけるか!2ヶ月半ツワリに耐えたから理論上はいけるはず!(?)頑張る!!

…と思ったりなんかする、2023年の年の瀬です。
今年頑張った分、来年それが実るような一年になりますように。みなさまも良いお年をお過ごし下さい。


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