3月が過ぎ、4月も過ぎ、5月に入り

3月某日、予定日より少しだけ早く子が産まれてきてくれた。母子ともに無事。良かった。本当に本当に良かった。
妊娠するまでもしてからもそれなりに辛かったので、出産は案外スルッといけるんちゃう?と、ちょっとだけ甘い考えもあったのだけど、まぁ当たり前に痛かったし辛かった。(そりゃあそう)
でも、出産の痛みって本当に忘れるんですね……痛かったことは覚えてるのに、どんな痛さだったかあんまり覚えていない。すげぇ……どういう仕組みなんだ……
まぁ、重度のつわりと50時間ほどの陣痛をもう一度体験するのは遠慮したいので、2人目は無理かな?いや、年齢や環境、金銭的にも難しいのはあるのだけど、それはそれとして単純に体力精神力的に無理。
改めて女の人って凄いな、と感じた約10ヶ月でした。最初で最後の妊娠出産が無事終わった奇跡に大感謝です。ありがとう。

というわけで、陣痛の痛さ忘れた!と書きはしたけれど、まだかろうじて記憶が新しいうちになんとなくどんなもんだったかしたためておきたいと思う。
個人的な備忘録です。

上にも書いたように、わたしの分娩所要時間は50時間ほどだった。
通常初産の分娩所要時間は10〜12時間といわれる中なんと50時間。かかりすぎてて草。
分娩室入ってからは3時間かからず産まれてくれたのでまぁまぁ平均的だと思うのだけど、それまでが異様に長かった。いちおう診断的には微弱陣痛と呼ばれるもので、最終促進剤を使って陣痛を強めて出産した形。以前のnoteに書いたとおりわたしは注射がめちゃくちゃ嫌いなので(大抵の人は好きじゃないとは思うけど)出来れば促進剤も使いたくなかったのだけど、もうそんなこと言っていられないので同意書に嫌々サインして、レベルアップした陣痛にもがき苦しんだ。
いやあ凄い。点滴で促進剤入れてから子宮口全開になるまでの数時間、腰が爆発するんじゃないかと思った。それまでは呼吸法でなんとかいきみ逃しが出来ていた(と思う)のだけど、もう訳がわからなくなる痛さ。事前に「陣痛は痛いけど間に休憩があるから」って言われていたのに、休憩時間体感3秒。痛みが治まってきたと思ったら一息つく間もなく次の痛みが襲ってくる。聞いてない。呼吸の仕方忘れる。
たぶんそこまで叫び倒してはいないはずなんだけれど、さすがに最終局面では唸り声というか、声を漏らさずにはいられない痛みで、でも呼吸しないと赤ちゃんに酸素がいかないので唸りながら必死に呼吸して。
なんかね、よく言われる鼻からスイカとか(それは例えとして絶対におかしい笑)事前に聞いていた生理痛の100倍とか(わたしそもそも生理痛そんなに酷くないのでよう分からん)そういう痛みではなかったな。
あえて表現するならば、腰を重めのトンカチで打ち付けられてその余韻がジンジン長い、みたいな。なんか、そういう……とにかくわたしは腰を中心とした痛みだった気がした。
いきんで良くなってからも、いきなり「じゃあ、いきんでみようか」と言われたところで「いきむ、とは??」となりつつ、事前に見ていたサンシャイン池崎の動画を思い出し、見よう見まねで踏ん張ってみる。
力の入れ方も合っているのかいまいち分からなかったが、そこらへんは助産師さんが都度指示してくれるのでそれに従いなんかもう必死。でも、いきみを逃しているときより踏ん張ってるときの方がはるかに楽!快速電車の中で腹痛に耐えているときより、トイレで踏ん張っているときの方が楽なのと一緒!(?)
で、なんかわけが分からないまま、踏ん張れば何か出そうではあるので助産師さんの言う通りにいきむと、自覚はないのに「赤ちゃん降りて来てるよ」と言われ、自覚はないのに「次の陣痛で出します!」とか言われ、先生が注射器を持ち出し(たぶん会陰切開の麻酔かな?)お腹をぎゅうぎゅうに押され、あれよあれよという間に気づいたら産まれていた。
あれ凄いの。出るとき本当にドゥルンって出てくる。あの感覚だけは今でも忘れられない。あんな狭いところから約10センチ弱の頭出てくるんだもんな。凄いな。

ずっと、赤ちゃんが産まれた瞬間って自分はどう思うのだろう?と思っていた。感動して泣くのだろうか?とか、「終わった~」って安堵するのだろうか?とか。
でも、なんか想像していたどれとも違っていたような気がする。凄く不思議な感じがした。
今の今までお腹の中に居たのが間違いなく人間だったんだなぁ、と、ただただ産まれたてのほにゃほにゃの生き物を見てそう思った。本当に人が居たんだなぁ、と。若干疑ってたからね。死にたいと思ったつわりも、病院に行くと見られるエコーでの赤ちゃんも、だんだん膨らんでいくお腹を実感しても、それでもここに自分とは違う人間が入ってるってなかなか思えない。

ああ、人間だ。産めた。すげー……

と、なんか茫然と目の前の赤ちゃんを見ながらそう思った。
まぁその間も胎盤出したり、どれだけ切られたのか裂けたのか分からない会陰だかお尻だかをひたすら縫われたり(若干痛い。そして縫う時間長い)立会してもらった夫が嬉しそうにしているのを眺めたり。

でも何より、産んだ瞬間陣痛による痛みも、お腹の重さも、つわり以降ずーっとおかしかった口の中の違和感も、全てスッとなくなって、めちゃくちゃスッキリしました。あまりにも快適。
産まれたのは丁度お昼ごろだったのだけど、産んですぐお昼ご飯もりもり食べて助産師さんにも驚かれた。総合病院なので所謂病院食しか出てこなかったけど、それでも素晴らしく美味しかった。

と、まぁ終わってみれば素敵なお産だったんじゃないかなと思う。
無痛分娩の予約が既にいっぱいで、普通分娩一択だと分かったときは怖くて怖くて震えたけど、結果これで良かった。
辛いことのあとには幸せが待っているとはよく言ったもので、産まれた赤ちゃんはとんでもなく可愛いです。臨月あたりから今の今までほとんど夜眠れていないけど、それでも可愛い。可愛くなかったら耐えられないくらい眠いけど。
まだまだちっちゃい命なので毎日わけもわからず奮闘中ですが、なんとか頑張るぞ。というところで、備忘録終わり!

お疲れさま、わたし。産まれてきてくれてありがとう!

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