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喫茶店の日

今日は喫茶店の日なのだそう。

私にとって喫茶店は父との思い出がたくさんある場所。
父はとても喫茶店が好きな人で、物心ついた頃からよく連れて行ってもらっていた。

父はコーヒー、そして私はアイスを頼んでくれていた。
私のアイスをひと匙すくって父のコーヒーに入れ。
父のコーヒーをひと匙すくって私のアイスにかけてくれていた。

そのうち、私は小学生になった。
すると、父はアイスではなく紅茶を楽しんでくれるようになった。
もう、ひと匙トレードはなくなった。
でも、これでもか!とレモンをしぼり砂糖をてんこ盛りに入れ、父オリジナルの甘酸っぱいレモンティーを作ってくれた。

そのうち私も高校生になり、滅多に父と喫茶店に行くことは無くなった。
それでも、あいた時間にちょっと立ち寄るか、といった喫茶店で
父は「コーヒー2つ」と頼んだ。
父なりに、私の成長を感じていたのかもしれない。

下戸でお酒をまったく飲めない父とは、成人してからの飲みに行ったことは一度もない。
その代わり、あちらこちらの喫茶店には山ほど行った。
会話もなく、父はずっと置いてある漫画や雑誌を読んでいたけれど
私にはとても楽しい時間だった。

そして、大人になった今、やっぱり喫茶店は大好きな場所だ。

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