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#006 【まにトラ】スペイン・マドリード: アルムデナ大聖堂

前回ブラ記事でお伝えしたバイレン展望台から見える大きな建物、マドリードのアルムデナ大聖堂を今回は取り上げようと思います。
王宮の目の前にあり、入場料も無料(お布施箱あるので、入れたいかたは1€ほどで)なので、訪れやすいのですが、なぜかガイドブックには少ししか掲載されてないのです。

外観は黄色と灰色が混ざった建物、中はモダンで何やら他の大聖堂とは異なる様相。今回はこの変わった大聖堂をご紹介します。

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スペインならでは元モスク

この大聖堂の場所にはイスラム教徒のモスクと城塞がありました。スペインの大方の教会や大聖堂は元々がモスクというのが多いです。8世紀から700年以上もイベリア半島にはイスラム教徒が占領してました。1492年にレコンキスタ(国土回復運動)が終了しイスラム教徒たちを追い出し、スペインという国が出来上がった時に一から建設するよりも、モスクだった場所を教会にチェンジ!した方が安いので、そのまま利用するのが多いのです。
スペインに住んでると、「はいはい毎度の元モスクね!」と思ってしまうのですが、考えてみたら珍しいですよね。イスラム教占拠の歴史があったスペインならではです。
アルムデナ大聖堂も元モスクだった場所の上に建てられてます。大聖堂の南側にはアラブ時代の城壁跡が今でも見れます。

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首都にふさわしい大聖堂を建てよう!

首都マドリードの大聖堂ですが実は歴史が浅いのです。1561年には首都になったのに教会しかなかったマドリード。町で一番古い教会が崩れるということで、新しく建てることになったのは19世紀も終わりになってから。
折角建てるならトレドやセビリアよりも大きいスペイン一背の高い大聖堂を!と意気込んで1883年に建設が始まりました。
最初の計画ではゴシック建築だったのです。完成予定図(以下画像左)みても、とんがった塔があって、今のと全く違うので驚きますよね。
なぜここまで異なるのか?そこみていきましょう!

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左:建設当時の完成予定図(パブリックドメイン)
右:現在の大聖堂(カテドラル)

戦争でストップそしてまさかの変更

ある程度建築したのですが、スペイン内戦(1936年から1939年)のため建築がストップしちゃいます。この内戦でスペインは国も経済もズタボロになります。おりしも内戦終結した年に第二次世界大戦が始まり、世界は内戦のあったスペインへの援助もできない状況だったのです。
カテドラル建設も放置されて再開されたのが1950年。ようやく再開という際に、まさかの計画変更しようという話に。

目の前にある王宮と雰囲気が違って違和感あるから、王宮と同じ様式に合わせよう!という、今更な理由。

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(写真:マドリード王宮)

最初からわかってたやん!なんで今言う?と思ってしまいます。(そういうとこスペインあるあるですけど…)
と言うことで、王宮と違和感ないネオクラシック様式にチェンジ。ある程度作っていたゴシック部分(中央のドーム)の高さも下げて、とんがりゴシックでなく丸みのドームにして・・・と変更することに。よーく見ると大聖堂の石材の色が黄色と灰色と色が異なるのもこれが理由なのです。

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そんなこんなで混ぜ混ぜで完成!

1993年に当時の教皇ヨハネ・パウロ2世が聖別(聖なるものとして利用しますよ~と決めること)し、大聖堂は完成となりました。今でも入り口側にヨハネ・パウロ2世の銅像があったり、当時の様子が入り口の中央の門にも描かれてます。

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1883年に建設が始まり、歴史の荒波とスペイン人らしい計画変更という紆余曲折の110年。外観はネオクラシック様式、内部はネオゴシック様式、地下礼拝堂はネオロマネスク様式。さらに内部はモダンな装飾の天井やポップアートな絵画まで。もうごった煮状態。ここまでミックスされてると逆に関心してしまうほどです。
世にも珍しい大聖堂訪れてみて下さい。

ここが見どころ!

★天井のデザインと色
内部、ゴシック様式らしく天井が高いのですが、天井に注目です。通路やドーム、主祭壇の天井のデザインがモダンなのです。色使いも綺麗で写真撮影しても楽しいです。うろうろしながら天井じっくり眺めてみてください。

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★マドリードの守護聖人アルムデナ様
キリスト教カトリックのスペイン。すべての町や村には守護聖人がいます。マドリードの守護聖人は男性と女性と二人いて、男性は聖イシドロ、女性はアルムデナの聖母。この大聖堂はアルムデナ様を祀ってます。入り口はいって正面側に見える金色の祭壇にアルムデナ様がいます。ミサしていなかったら、間近で見れますので上がってみて下さいね。

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日本にも守護聖人
日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルと聖母マリア様(ザビエルが日本に到着した日がマリア様の日だったため)が守護聖人です。ザビエルさんはスペイン人。日本とスペインの関係はここから始まりました。

場所はこちら!

最後に・・・

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