痴漢されたから謝りたい
こんにちは。かつてJKだったManna。です。
女子高生だったあの頃、私はほとんど痴漢に合ったことはありませんでした。
痴漢かな?と思ったらバッグだったなんてこともありましたし、電車のマナーとしては嫌われがちなドアの横やドア付近に立っていることが大半だったので、あまり遭遇してきませんでした。
(幸運なことに?)数少ない遭遇回数の中で完全に痴漢だった、たった1度の経験を今回はシェアしたいと思います。
※いつもより全然重めのお話です。トラウマがある方はここでブラウザバックをおすすめします
あれは、学校が休みだった平日、私服で通勤ラッシュに揺られていたときでした。
制服のときは、膝上スカートでリボンものばし第一ボタンは開けていて、ぐっと押されようものならそちらを睨み「いたっ」などと声を発する程度には気が強そうな感じでした。
その日は私服で、しかもいつもとはテイストの異なる服装でした。柔らかい白のシフォンブラウスに、ベージュで柔らかそうな素材の膝より少し長めAラインスカート、そして、茶色のローファーに、キャメルの柔らかいタイプの襟のない革ジャンを着ていました。
そして、黒髪ロングのぱっつん、メイクもリップを塗っていたくらいです。
電車は満員とはいえ、携帯を操作するくらいの余裕はあって、ドア付近のつり革につかまりながら私はネットサーフィンに興じていました。
停車駅の少ない電車で、ドアがしばらく開かないそんなときでした。
ふと足に違和感を感じたのです。触られてるという感じでは全くありません。右側のスカートが妙に肌にあたるのです。
電車の揺れにしてはずっと当たっている。何だろうと思い、目線を携帯からスカートの右側に移しても何の変哲もない。そこで左側に目線を移すと、妙にスカートがたゆんでいる。
プリーツのないスカートなのにおかしい。
そう思い、左裾に目をやると毛むくじゃらの手が私のスカートをつまんでいました。
????
え、つり革掴みなよ
このとき私はすぐに痴漢だとは思いませんでした。直接身体を触られたわけじゃないし、もしかしたらたまたま掴んでしまっただけかもしれない。何より痴漢されているかもしれないことを受け入れたくなかった。
だから、すぐに声をあげませんでした。
このままその手を離してくれればいいと思っていましたが、そうは問屋が卸しません。
私が気づいていないと思ったのか、それとも何も言わないと思ったのか、スカートの裾を掴んだその手は少しずつ斜め上に上がっていきました。
痴漢の人にとって残念ながら、そして私にとっては不幸中の幸いなことに、そのスカートにはタイトスカート型の裏地が紐づいていました。
つまり、スカートはAラインだったので見た目上は少ししか引っ張っていなくても、中の裏地は狭いのですぐに足にあたるのです。
少しずつ上がっていく手と一緒に、右足にあたっている裏地も上がっていく。
その感触によって、私の希望的観測が破れ去ったことを実感しました。
ああ、これは痴漢だ
痴漢されたとき自分ならどうするか、それまで何度か考えていましたし、それを実行できると思っていましたが、実際に体験するとそんなものは机上の空論でしかないのだとわかりました。
あなただったらどうしますか??
持っている何かで刺すか
それとも手を引っ掻くなり掴むなりしてやめさせるか
痴漢です!と声をあげ周囲に助けを求めるか
きっといくつかの案が浮かんだかもしれません。
私も「冷静な方の自分」からいくつも浮かびました。
痴漢にあったらどうするかなんてGoogle先生に聞くまでもなく今まで見聞きしたことがあるから。
でも、私はどれもできませんでした。
ただただ怖かったから
私の頭の中では、冷静にどうすべきか考えるのと同時に、何もしないための言い訳も恐怖からいくつも浮かんでいました。
朝の通勤ラッシュに痴漢の冤罪ないしは痴漢で電車を止めたりしたら申し訳ない
だとか
私だって遅刻はしたくない
だとか
まだ触られたわけじゃないからこれは痴漢として成立しないのでは?
だとか
もういろいろ
そんなことを考えている間にも手はどんどん上に上がっていく
直接触られるのも時間の問題だと思いました。そして、もし触られたら私は更に傷を負うだろうとも思いました。
これ以上の被害に遭うか、他人に迷惑をかけるか
触られたくないのに、痴漢するような人をこちらから素手で触りたくもない。感触を知りたくもない。
例えば声をあげて、その途端手をはなされ証拠もなくうやむやになり、それで誰も助けてくれなかったら?通勤ラッシュに痴漢された証拠もないのに痴漢だ!と声をあげる迷惑な人になりたくもない。
怖かったけれど、周りの誰かが助けてくれるとは思えなかった。
葛藤の末、これ以上の被害にあわないためには、自分で何とかするしかないと私は思いました。
まず、誰が痴漢しているのかはっきりさせようと思い、毛むくじゃらのその手の主を横目で辿りました。その手の先にいたのは、普通に働いていそうなサラリーマンのおじさん。なんなら優しそうな感じ。
間違いかと思いましたが、そのおじさん以外あり得る位置にいる人全員女性です。
少し右にずれればその手を離しそうにも思えましたが、別の女性にターゲットをうつす可能性がよぎってしまいました。
だから、本人に目を合わせ、近くの女性には聞こえる程度の声で伝えることにしました。
「スカートの裾持ち上げるのやめてもらってていいですか?次やったら痴漢で訴えます。」
私の想定よりずっとか細く震える声でした。
その人はパッと手を離して、目を泳がせました。そして、「うっ」と謎の小さいうめき声をあげる以外は何も言葉を発しません。
ああ、これは痴漢だったんだな
とこのときはっきり思いました。
(聞いた話によれば、痴漢は手に針を刺されても「うっ」くらいの声しか発しない生き物らしいです。)
怒りと恐怖とが一気に込み上げてきて、やっぱり社員証とか名刺くらいは請求しようかと思ったものの、次に口を開いたら泣き出して収集がつかなくなりそうだとわかっていたので黙って睨んだのを覚えています。
こうして不快感を抱えたまま電車に揺られ、私は目的地へと急いだのでした。
痴漢にあった。その後、
未だに、痴漢の彼を捕まえる勇気がなかったことを自己嫌悪する日があります。
でも次に同じ事があったとき、声をあげる自信は未だにありません。
だから痴漢を見かけたときはなるべく変わりに声をあげたいです。本人は声を上げたくても怖くてあげられないのかもしれないから。そして、これを読んでくださった方もそうして頂けたら嬉しいです。
さて、長々とここまで読んで頂いてありがとうございます。
最後に
私のお気に入りだったスカートは洗っても拭いきれない気持ち悪さのために捨てました。
数回しか着てあげられなくて、ごめんね
痴漢されて、捨てたスカートに謝りたい
痴漢する人はほんとにカウンセリングとか受けた方がいいと思います。
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