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神戸大学 法学部 三年次編入 合格体験記

1. 導入

 皆さんこんにちは!
 私は、令和3年度の神戸大学法学部三年次編入学試験に合格した「マンメ」と申します!
 受験生の方々に向けた情報発信として、私自身の編入学試験体験記を公開します。皆さまのお役に立てれば幸いです。

2. プロフィール

 まずは、簡単に私の自己紹介をしたいと思います。
 私は、地方の某国公立大学から、神戸大学法学部に編入しました。
 合格時の点数は221点席次はB(10位~19位の間)でした。
 当時のTOEICの点数は、680点で受験生の中では、それほど高いわけではありませんでした。しかし、700点後半や800点台の友人と試験の成績は大差ありませんでした(おそらく一般教養の点数が良かったのだと思います)。
 他にも、大阪大学の法学部を受験しました。こちらは、不合格でした。

3. 神戸大学法学部編入の概要

 神戸大学においては、法学概論、一般教養、英語の試験が科されます。私の知る限り、令和3年度の試験では、210点台で合格した人もいます。
 以下では、それぞれの試験科目ついて、私が行った対策方法や使用した参考書などを述べていきます。

4. 法学概論

 法学概論においては、答案作成を中心に勉強を進めておりました。
 法学概論で使用した参考書は、①伊藤真の法学入門、②現代法学入門、③N先生の編入試験問題集100、④神戸大学等の過去問です。

伊藤真の法学入門[補訂版]|日本評論社 (nippyo.co.jp)
現代法学入門第4版 | 有斐閣 (yuhikaku.co.jp)
編入試験法学系問題集100(講師作成のオリジナル問題集)|N (note.com)

 私は法学部出身ではなかったので、①伊藤真の法学入門で基礎を形成してから、問題集や過去問に入りました。
 ③N先生の編入試験問題集100は、特に愛用しておりました。こちらは、法学概論で出題される問題をほとんど網羅しています。ですので、掲載されているほとんどの問題を解きました。
 初学者にとっては、星3ですら難しいと思います(私自身がそうでした…)。私は、Twitter上で問題の添削をして下さる方を探したり、同じ問題集を買った友人と正解筋を議論する等で対応してました。また、答案作成は、試験本番のように何も見ずに書くのではなく、②現代法学入門等の参考書で調べながら書きました。
 最近では、解答例を出してくださってるようです。また、編入法学のインプットとして、テキストも販売してくださっております。
 詳しくは、N先生のnoteまでどうぞ。

編入法学テキスト|N (note.com)

 また、演習ノート法学でも、代替できます。こちらは、解答例がついており、良心的です。
 しかし、私個人的には、あまりおすすめしません。情報が古い上に、解答例の日本語が難解で理解するのが難しいからです。さらに、入手が困難という…(演習ノート法学自体が既に絶版になっている上、出版社の法学書院が廃業になったとのこと)。
 私は、大学の図書館で借りましたが、途中で投げ出しました\(^o^)/

 ④過去問は、答案構成だけしました。
 法学概論においては、総じて100通近くの答案を作成しました。

5. 一般教養

 神戸大学の一般教養は、様々な分野から出題されます。私が受験した年は、倫理学の問題(母親の自己決定権と優生思想)が出題されました。参考までに、平成25年度からの出題分野を載せておきます。

・平成25年度…国際レジーム(国際関係)
・平成26年度…内閣のリーダーシップ(政治学・行政学)
・平成27年度…世界大戦の可能性(国際関係)
・平成28年度…自由と幸福の両立(刑事政策・応用倫理学)
・平成29年度…歴史の解釈(思想・哲学)
・平成30年度…子どもの貧困(社会学・応用倫理学)
・平成31年度…選挙制度(政治学・行政学)
・令和2年度…安全保障(国際関係)
・令和3年度…母親の自己決定権と優生思想(応用倫理学)
・令和4年度…グローバリズムと環境問題(応用倫理学)
・令和5年度…選挙制度(政治学・行政学)

 以上のように、出題される分野が社会科学や人文科学全般にわたっております。ですので、対策はかなり難しいです。

 一方で、神戸大学の一般教養においては、文章問題の形式を取っています。A4用紙およそ1枚から2枚程度の文章を読み、要約やキーワードの意味を問うた上で、自分の意見を述べるというのがほとんどです。たまに、人名や制度名等を答える問題が出題されますが、配点は低いと思われます(平成29年度の問題で構造言語学者のソシュールを記載する問題が出されました。しかし、そんな奴知らねえよ!って言ってたのに受かった方もおりました)。そのような問題は、時間があれば対策すべきです。すなわち、一般教養試験は、文章で述べられていることの趣旨や本質を掴んだ上で、的外れな回答をしなければ、得点できる試験です。
 そこで、私は、社会科学や人文科学の知見を涵養しつつ、文章問題を解くトレーニングを中心に行いました。具体的には、ロースクールの未修入試の問題で対策をしておりました。

 使用した参考書は、①教養としてのロースクール小論文(上)(下)、②法科大学院小論文発想と展開の技術、③ロー未修入試の過去問、④神戸大学の過去問です。これに加えて、⑤リベラルアーツガイドも参考にしておりました。

教養としてのロ-スク-ル小論文 上 / 浅羽 通明【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)
教養としてのロ-スク-ル小論文 下 / 浅羽 通明【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)
法科大学院小論文 / 吉岡友治 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)

 ①教養としてのロースクール小論文と⑤リベラルアーツガイドは、読み物として息抜き程度に見ておりました。社会問題や時事に関する知識を蓄えることができるので、知識面から一般教養の対策ができます。リベラルアーツガイドにおいては、社会科学と社会思想の部分のほとんどを読破しました(読破といっても、経営学や統計学等の法学部の編入学試験で出題されないような範囲は読んでません!)

リベラルアーツガイド|-人文社会科学の第一歩をガイドする- (liberal-arts-guide.com)

 ②法科大学院小論文は、文章問題の解き方から問題に対する考え方等を学ぶことができます。また、解答例もついており、かなり良心的です。
 ③ロー入試の過去問は、特に、関西学院大学の問題を使用しました。解答例や出題趣旨なども載っており、勉強に最適です。

入試過去問題・入試問題解説動画 | 関西学院大学 司法研究科 (kwansei.ac.jp)

 もっとも、ロー入試の過去問は、編入試験の文章よりも長く難しいものが多いため、オーバーワークとの声もあります。ですので、文章読解に自信が無い方は、より簡単な小論文の本から始めるのも良いと思います。
 その一方で、出題される分野がある程度重なり合っているのも事実です。例えば、令和3年度の試験で出題された母親の自己決定権と優生思想という問題は、ロースクールの未修入試で頻出の分野です(神戸や京都、大阪等複数のロースクールで出題があります)。他にも、平成25、27、28、30、令和2、4年度の神戸大の一般教養も、上述した問題集を解いていれば、確実に解答できる問題です。したがって、読み物として使用するだけでも、試験対策に有効です。
 また、名古屋大学大阪大学、北海道大学二年次等でも神戸大学と同様の文章問題が出題されています。これらの大学の過去問を活用して、添削を行ってもらうのも有効です(神戸と北海道は、大学のHP上に過去問が掲載されています。大阪は、教務に行けば閲覧できたはず。)。

6. 英語

 神戸大学においては、TOEFL若しくはTOEICの点数で英語の点数が決まります。
個人的にTOEFLは、難しすぎる上にやることが多かった(リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの全部やることになります)ので、TOEICを選びました。
 英語は、得意だったこともあり、TOEIC対策では、問題集しかやってません(裏を返せば、あまり参考にはなりません。なれません。すみません)。
 使用した参考書は、TOEIC新形式精選模試1のリスニングだけです。友人から、リスニングはやればやるだけ点数が上がると聞いたので精選模試1の全ての問題を解きました。

TOEIC®テスト 新形式精選模試 リスニング - ジャパンタイムズ出版 BOOKCLUB (japantimes.co.jp)

7. 勉強のスケジュール

 編入試験の対策を始めたのは、1年生の2月頃でした。

2月頃
 TOEICや英語の勉強に費やしていたら、いつの間にか先輩が卒業してました。かなしい(T ^ T)

3月、4月頃
 編入試験の情報収集や伊藤真の法学入門を読み、法学の基礎を形成してました。

5月、6月、7月頃
 編入試験問題集100と法科大学院小論文発想と展開の技術に手を付け始めました。

夏休み
 おうちに籠ってご飯もぐもぐしてました。3kgぐらいぐらい太りました()
 試験対策としては、編入学試験問題集100とロースクールの過去問を解いたり、教養としてのロースクール小論文やリベラルアーツガイド等を読みふけってました。

夏休み明けから本番まで
 過去問を見て答案の構成をしたり、これまで作成してきた答案の復習と暗記を行ってました。暗記つらい。

8. 試験当日

 試験会場は、神戸大学の六甲台第一キャンパスの第二学舎です。最寄り駅は、阪急六甲駅です。阪急六甲からは、ずっと上り道ですので、歩いて行くのは、かなりきついです。ですので、試験当日は、バスで上りました。六甲台第一キャンパスには、36系統鶴甲団地ゆきに乗れば行けます。
 第二学舎には、阪急六甲バス停で乗って、六甲台バス停(神大正門前バス停から2つ先のバス停)で降りるのが一番近いです。神大正門前で降りると、階段を2度も上ることになるので、結構つらいです。
 ちなみに、JR六甲道からもバスが出ております(阪急六甲と同じバス)。

 試験問題は、概ね対策済みの出題でした。法学概論は、民法の3大原則と契約の自由、意思表示の意義でした。このうち、意思表示は対策しておりませんでした(試験問題を見たとき、めっちゃ焦ってました)。したがって、これまでに培った知識だけを使って、適当に書きました。それでも合格しているので、現場思考の問題だと考えて解けばなんとかなります。

 法学概論の試験は、解答用紙と試験時間がかなりタイトでした。最初の方に文字を大きく書きすぎたせいで、契約の自由あたりからほとんど改行しませんでした。いま思えば、かなり見づらい答案になっていたかも…。

9. 総括

 以上が、私自身が編入試験で行った対策です。私の友人も、ほとんど同様の対策を行って合格しています。ですので、ある程度、信頼できる情報であると自負してます。
 最後まで見て下さり、ありがとうございました。

追記

 編入学試験に向けた添削サービスを開始しようと考えています。
 お仕事で官憲に提出する書類の校正等を行っています。ですので、それなりの知識やスキルはあります。しかし、答案の添削を行うこと自体は、初めてです。したがって、1通あたり500円程度(リライトは1回まで無料)で添削をしようと考えています(1ヵ月あたり5通まで)。
 基本的には、受験生の方々が問題を解く➩私が添削する➩(場合によっては、リライトしてもらう)という流れで添削を行います。1通あたり、およそ1週間程度で添削します。添削可能な分野は、法学及び一般教養です。
 お仕事との兼ね合いもありますので、先着1名~2名を担当する予定です。また、職務中のために返信が遅い場合があります。ご了承ください。
 ご興味のある方は、ぜひTwitterのDMまでお越しください。
 TwitterID : @Kobehennyu_Kun

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