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外山まきの出来上がり方


2021/3/13(土)21:00~22:30 クラブハウスでは、思いがけない出会いがある。そこで「もっと知りたい!」と思った人にインタビューしていくガオカオインタビューroomからの記録メモ。第2回目は、朝霞市議会議員、外山まきさんをお迎えした。


トヤマキ(外山まき)との出会い

 外山まきさん(以下トヤマキ)がクラブハウスに入会して、初めて入ったせっちゃんのroomで進められたオーラママ。深夜から営業のスナックオーラが、たまたま朝まで営業していた閉店前の時に、ぽんと飛び込んだ。初見のリスナーを丁寧にケアするオーラママのroomで2時間ぶっ通しでプロフィールのダメ出しをされて、政治家の現実を熱く語ることになった。終わるころにはママから「応援するわよ!」と太鼓判をもらったという。トヤマキには、そういわせる不思議な魅力がある。

 そのオーラママの関東出張イベントでトヤマキと出会った私も、たまたま2人で偶然一緒に会場を間違えた、というご縁だった。


トヤマキとの出会い前、#1インタビューの吉武悠貴さんのroomのご縁でつながっていた、芦屋市の女性市会議員たかおかさんが頭に浮かんだ。「2人を引き合わせたら面白そう」

何かキラリ閃き、その方の活動にとって有益なイメージができた時、ガオカオ・インタビューroom企画が発動する。

今回もそのようにして実現したインタビューroom。

出会いからオファーまでのタイミングは、風の勢いだった。

このスピード感に乗れる身軽さもまた、トヤマキの魅力だ。

最初は子ども支援

 議員に立候補したのは2年前の2019年。議員になる前には、学童保育指導員で、10年かけてバイトから非常勤へとコツコツと積み重ねてきた。ようやく正社員への昇格が決まった前日、ある出来事がおきて、退職。腹を決めて、選挙ボランティア活動と国政探求の旅に出たという。

 学童保育指導員の頃にも、フィリピンの里親ボランティアで、学校にいけない子どもたちのボランティア支援で、フィリピン滞在などをやっていたトヤマキ。聞けば聞くほど、スッキリ爽やかな外見からは、想像もつかない熱いハートと強い意志、根性が現れてきた。

そもそも、政治的活動に入ったきっかけは、安保法案が通った時。

国民の意思が直接反映される仕組みがないことに疑問を感じた。「選挙で決定権を預けたとはいえ、法案を決める政治家の判断を、国民は放置していてはいけないんではないか。何故、国民が決められないのか。」

政治家の決定したこと、決定しようとしていることに対して、国民の声を、直接反映させる仕組みが日本の国にないことに、疑問と不安を感じた。

そんな時に出会った、選挙サポートの団体。全国どこでも、応援したい議員の選挙活動のサポート、電話かけるボランティア団体「でんわ勝手連」。

参加した選挙ボランティア団体は、オンラインを駆使した団体だった。

オンライン選挙活動との出会い

電話勝手連のある選挙支援の時、2週間で600人のボランティアが集まった。トヤマキは、運営事務局側の人間として、ボランティア600人を取りまとめる役を担った。facebookでチームを作り、グループチャットを作り、全部のチャットに入り、必要な情報を届けた。結果、5万本の電話をかけることだできた。

 メンバーのSE技術を持つスタッフがアプリを開発して、電話をマニュアル通りにかけられるシステムができた。そこでは、ログインしたら、応援したい候補の選挙区の電話帳データが、自分のスマホにアプリから一件一件送られて来る。デジタルやオンラインの世界で、スピード感をもってことが進んでいくのを渦中で体験した。

腹を決めて猛勉強

どっぷりと運営側の仕事をしながらも、日中はフルタイムで、学童保育の指導員もしていたトヤマキ。学童保育の世界では、10年かかって地道にパートから嘱託になり、次の月に正社員、というところまで着実に積み上げていた。

 そんな時に、選挙ボランティアの仕事の成果を讃えられて、全国版の新聞に大々的に取り上げられ、学童保育の勤め先に副活動がばれてしまった。進退窮まり、辞めざるを得なかった。

もうこうなったら腹を決めてボランティアをやろう、と思った。そこからバイトをしながらお金を貯めては、スイスやイタリアなど、国民投票制度のある国に渡航し、実地の学びを重ねた。

別に英語ができたわけではない。逆に全く言葉はわからないが、とにかく知りたかった。

そこで知りえたこと、国民投票が政治家の決定と同様、あるいはそれ以上の力を持っている事例の数々を目の当たりにすることができた。

例えば、原発廃止や食料安全など、スイスなどは10万票署名を集めたら、国民投票できる。日本でいったら(100万人規模)。

議員だけが動かすのではなく、国民の署名で法律や憲法を変えることができることに感銘を受けた。

スイスだけではない。イタリアでも国民投票できる仕組みがある。中でも、リカルド・フラカーロさん提唱のダイレクト・デモクラシーに出会ったことは大きい。

ダイレクト・デモクラシー

 ダイレクト・デモクラシー(直接民主制)とは、参加型の民主主義、自分たちのことを自分で決めよう、ということ。最初は「五つ星運動」という政党のメンバーが地元のスナックで10人位が集まって話し合っていた、というようなところから出発している。

 学童保育を辞めて4年余り。ダイレクト・デモクラシー担当大臣のリカルさん(イタリア)との親交を深めながら「これを日本にも導入したい!」と思うようになった。

 イタリアとの個人親交を深めつつ、その間、ボランティア団体での選挙サポート実績は100選挙に及んだ。様々な形の選挙の在り方を、サポートスタッフの立場で体験することができた。そんな中、議会法案でしか法律を変えられない日本において、「国民投票で決定できるダイレクト・デモクラシーを日本でも実現するためには、誰かが議員になって議会から変えていかなければ」という話が出た。所属団体の代表から、やればという話が出た。全国の地方自治体を調べ、朝霞市にターゲットが決まった。

移住して立候補

 「ダイレクトデモクラシーを日本の政治に」

それは「重要なことに関しては、自分たちにも決定権が欲しい」というシンプルで明確な思いだ。

「選挙の3か月前からの居住者」という選挙立候補者の規定に従い、お盆の真っ最中、物件を決め、豊島区から朝霞市へと、ぎりぎりセーフで移住を終えた。

選挙活動では、ボランティア団体の支援に加え、団体のテーマ音楽で回った各地で、小中高生の人気を獲得し、当選。

議員24名中6名は新人で、男女比は半々という革新の風が吹いた中の1人になった。

移住者議員トヤマキ誕生

地域への移住者は、常にどこでも、新しい風を吹かせる役を担っている。

そこからさらに影響力を持つ議員となったトヤマキ。時は2019年秋。

議員生活の中で感じたことを聞いてみた。

デジタル、オンラインを駆使した選挙ボランティア活動に精通してきた彼女の目には、旧態依然とした議会や市政のアナログ制度は、歯がゆく見えるようだ。

 これまで仲間内では、LINEチャットやFacebookのやりとりで済んでいたことが、議員年齢70代80代の大御所先生方中心の議会では、FAXや電話、直接の交渉や根回し、押印制度、という古典的な手法のまま、ガラパゴス化していることを、致し方ない面だと認めながらも、もっと軽量化を図れるのではないか。
学童給食のオーガニック化等の提案も、他の既存の予算にとられてしまい、なかなか実現しづらい。
会派内の議員には同世代の女性議員がおらず、年功序列なので、デジタル化等の提案は理解されにくい。

 途切れることなく、トヤマキの口から言葉があふれ続ける。この思いの強さと行動力に、人は魅せられる。

 地元のリアルな繋がりとネット上の繋がりを、どのようにシンクロさせ、紐づけていくことができるか。トヤマキの熱い挑戦は続く。

インタビュー感想

 朝霞市の新しい風トヤマキを、朝霞市民・議会は、生かしきることができるのだろうか。各地で起きている新しい風を、どう取り込み、生かしwin-winの創造ができるか、それがその地域の未来を大きく変えていくだろう。


インタビューの後 たかおか ともこさん登場

 インタビュー後は、芦屋市のママさん議員たかおか ともこさんが登壇。市町を超えて、議員がつながる時間が実現。真面目で楽しい時間となった。

たかおかさんとトヤマキの共通点は、選挙カーで音楽を流したこと、子ども達に支持されたこと。

お2人の柔らかなオープンマインドは、子ども達だけでなく、私も惹きつけられたわけだ。

風の時代とはいえ、保守的なタイプだったら一発でNGが出そうなスピード感でオファーし、実現できた今回のインタビューroom。

インタビューと顔合わせの両方の夢が叶った、豊かな時間となった。

朝霞市市会議員 外山まき

芦屋市議会議員 たかおか ともこ


スナックオーラ

聴かせて!インタビュー吉武悠貴さん








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