渇水 [映画感想文]

映画館で観ることができなかった映画「渇水」がAmazon prime videoに追加されていたので早速観た。

とてもおすすめなので、ネタバレ聞きたくない!という方がいれば是非この記事は読まずにAmazon primeを開いて観てほしいと強く思う。

幼い姉妹の住む家が停水執行を受けるという筋はなんとなく知っており、重そうだな...とは思ってはいたものの、思っていた以上に重かった。重いというよりはからっからに渇いていた。

水道局員の岩切が子供との接し方が分からず、距離をとってしまう。もし自分の配偶者が同じように、親からひどい扱いを受けた経験のある人ならば、一緒に親になろうと歩み寄ることができるだろうかと思ってしまった。子供という無抵抗だと勝手に決めつけてしまいがちな存在に、酷い仕打ちをすることは何も生まないと、岩切を見て強く感じた。

姉妹の母親は、一見ひどい母親に思えるが、子供に向けた愛は本物だったのだろうと思う。ただ必死に生きて、それでも足りない。頼れる存在もいない。その足りなさが姉妹、特に姉の心の寂しさに繋がってしまったのではないかと思う。

勝手にかわいそうとレッテルを貼ることは簡単だ。これをしてあげるよと声をかけることも簡単だ。岩切のように身を投げ出して心を曝け出すことができるかどうか。(犯罪行為として捕まるけど)
何処か他人事に思ってしまう自分に足りないものが岩切には沢山あるし、岩切にとってほしいものをわたしは簡単に手に入れられているのだろうと思う。

水道局員の後輩との対比もとても苦しかった。守るものがある人は弱い、という言葉が頭を駆け巡ってしまって消した。

とても素晴らしかった。
映画館で観ておきたかった気持ちが強い。映画はサブスクを待たずに劇場で観ていきたい。

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