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神須屋通信 #21

猛暑・銃弾・第7波

0701(金)晴
●猛暑日。なんと大阪は38度だったそうだ。●今日で、香港の中国返還から25周年らしい。50年間は1国2制度ということだったが、その半分も行かずに、ほぼ完全に中国支配になってしまった。たとえ建前ではあっても、「自由な香港」を残すことが中国の利益でもあったはずなのに。私はもう30年近く香港に行っていない。これから行くことはあるだろうか。

0703(日)雨・曇
●台風の影響なのか、昼まで雨。午後に雨は上がった。おかげで、殺人的な暑さとはしばしお別れ。●夕方、少し涼しくなったので、ほぼ一ヶ月ぶりにスロージョギング。●夜は、「鎌倉殿の13人」。脳死状態に陥った頼朝の横で、早くも権力争いが始まる。大泉洋はセリフなしかと思ったら、最後に一言喋った。あれは雅子の幻聴かな。●KDDIの大規模障害がずっと続いていて、史上最悪の障害になりそうだ。我が家はUQモバイルなので、モロに影響を受けた。でも、データ通信は可能だし、音声通話は元々あまり使わないので、被害はほとんどなし。


0708(金)晴
●午前中、書斎で「申叔舟の航海」の第二稿を書いていて、ひと段落ついたので、何気なくtwitterを見たら、安倍元首相が倒れたというニュースに気づいた。心肺停止という文字もあって驚いて階下に降りて、テレビを見たら、奈良市で選挙応援中に銃で撃たれたということだった。まさか、今の日本でこんな事が起こるとは想像もしていなかったので驚いた。その後は、ずっとテレビを見ていた。●安倍さんの容態を心配しながら昼食を「かごの屋」でとり、その後、貝塚イオンで自販機のカフェオレを飲んで帰宅した。●夕方、安倍氏死亡のニュースが流れた。犯人は元自衛官の武器マニアという事だが、動機も背景もまだわからない。凶器は改造銃。今回の遊説は前日に予定が決まったという事なので、事前に準備された犯行だとは思えない。安倍さんは運が悪かったということか。それにしても、この日本で、一体どうしてこんな事がと思うばかり。次の日曜日の参院選挙で自民党が勝つことは既定のことだから、この事件が選挙結果に影響することはないだろうが。●人が亡くなった際には、嫌いな人であっても、その人の良かったところをまず思い出してあげることが大人の礼儀だと言う事なので書いておくと、安倍さんの功績は二つあると思う。一つは、人生には一度失敗しても復活の可能性があることを示したこと。二つ目は、憲制史上最長の長期政権を維持して、外交的に日本のプレゼンス(存在感)を高めたこと。でも、国内的には、そのアベノミクスと称する経済政策も社会政策も、ほとんど私は評価できない。彼の任期中に、明らかに日本は国力も倫理観も落とし、社会は分断した。しかし、それでも、こんな形で彼には死んで欲しくなかった。とても残念だし、犯人には怒りを覚える。

0709(土)晴
●安倍元総理の事件。テレビや新聞は触れないが、twitterの世界では、統一教会との関係が取り沙汰されている。どうも、こちらが真相のようで、安倍さんはとんだトバッチリで殺されたことになる。それにしても、今回の警備はかなりザルだった。日本、特に奈良があまりに平和すぎた影響なのかも知れない。安倍さんが現職だったら、こんな死に方はしなかったろう。なんだか、安倍さんが可哀想になってきた。日本の外では大いに評価されていたようなのだが。

0710(日)晴
●今日は参議院選挙の投票日。昼に旭小学校で投票してから、昼食は「くら寿司」東貝塚店で。●その後、貝塚イオンで自販機のカフェオレ。●今日は開票番組のため、「鎌倉殿の13人」の放送はなし。●安倍元総理の事件。twitterでは統一教会の話題でいっぱいだが、新聞もテレビも一言も触れない。異様だ。何を畏れているんだろう。統一教会の名前を出せば、選挙結果に影響すると思っているのだろうか。●選挙結果は予想通り、自民党の圧勝。私が投票した地方区の候補は落選。

0711(月)晴
●安倍元総理射殺事件に新たな展開。警察もメディアも公表していなかった「宗教団体」そのものである、旧統一教会が自ら記者会見を開いた。●この記者会見を受けて、(会見とは別に取材していたそうだが、)NHKが統一教会についての生番組「クローズアップ現代」を夜に放送した。さて、NHKが先鞭をつけた。他の新聞やテレビも後を追うのか。警察発表はないが、みんなで渡れば怖くないから。

0712(火)雨・曇
●午前中、大雨。午後には雨は上がった。●昼前に、「申叔舟の航海」をnoteにアップした。彼の「海東諸国紀」は研究者以外には読んでも面白くない本だったが、日本と和を保てという、その遺言の事がずっと気になっていた。どうしてそんな遺言を残したかのか、彼と日本との間に何があったのか。というわけで、今年になってから、彼の伝記的事実を調べ始めたら、これが実に面白い。小説にしたいと思った。でも、年寄りの私には、才能だけではなく、根気も体力もないので、長い物語を作ることができず、ほとんど筋書きだけの短い物語になってしまった。まあ、これが現在の私に書ける精一杯。●昼食は貝塚食堂。●その後、明日は検診で行けないので、コナミスポーツ。●vie de franceに寄ってから帰宅。●夜、SFファンの間で話題になっていた、ANDY WEIR "Project Hail Mary"を読了した。ずいぶん読むのに時間がかかってしまった。これだけ面白いのに、一気に読了とはいかなかったのは、あまりに緻密な科学的描写がびっしりと詰まっていたから。私のような理系の頭脳も知識も持っていない人間が原語で読むにはハードルが高かったようだ。この著者の作品を読むのは初めてだが、マット・デイモンが主演した「火星の人」という、すこぶる面白かった映画の原作者ということで読むことにした。あの映画も、火星でたった一人になった人間がいかにサバイブするかという映画だったが、この物語は、更にスケールが大きくなって、突然発生した宇宙菌の大繁殖によって太陽エネルギーが減少(宇宙菌が食べるから)し、このままだと地球が氷河期に入って、人類が絶滅の危機に陥る。調べてみると、太陽とその周辺の恒星は全て同じようなエネルギー減少に見舞われている。しかし、一つの恒星だけは影響を受けていない事がわかった。それは何故か、その謎を突き止め、地球人類の滅亡を防ぐため、「ヘイル・メリー・プロジェクト」が始動する。そのメンバーに選ばれた人間の一人は博士号を持つ科学者だが、奇矯な説によってアカデミアを追放されて、今は中学校の科学教師になっている人物だった。彼は、他の二人とともに、その恒星に向かったが、航行中に、他の二人は人工冬眠中の事故で死んでしまっていた。たった一人残された彼は、いかにして使命を果たして、人類を救うのか。こう書いているだけでもワクワクする設定だが、でも、これはほんの話の端緒にすぎない。いや、冬眠から覚めた彼は自分が誰であったかも忘れていて、少しずつ記憶を回復させて、やっとこれらの事実に気付いたのだ。詳しくは書けないが、さあ、これからの展開がまた凄かった。エイリアンとの遭遇。あの中国SFの大傑作「三体」シリーズほどではないにしても、これもまたハードSFの大傑作だった。でも、ちょっと読み疲れた。●安倍元首相の葬儀が増上寺で行われた。多数の市民が涙とともに霊柩車を見送った映像を見て、愛された政治家だったのだなと認識した。●その犯人については、昨日、旧統一協会が記者会見を開いてから、テレビや新聞が一斉に統一教会関連のニュースを報道し始めた。どうしてもっと早く出来なかったのかと思う。しかし、これらの報道が、犯人の境遇への同情に繋がるのは注意を要する。彼への共感が、今回の卑劣な犯行の肯定に繋がってはいけない。安倍元首相は決して殺されるべきではなかった。この不幸な境遇だった山上徹也という犯人のためにも、奈良県警は犯罪を未然に防ぐべきだった。また防げた。本当に残念だ。●コロナ感染者、全国で7万人を突破。第7波に間違いなく入った。なんとも厄介な伝染病だ。

0713(水)晴
●午前中、F病院で糖尿病の定期検診。HbA1cが久しぶりに6点台の6.6になった。まだまだ満足できないが、いちおう一安心。薬が効いているようだ。●病院を出て大阪駅へ。うめきたの建設現場を見物した後、ホワイティの「家族亭」で天ざる蕎麦を食べる。●天王寺に戻って、地下のいつもの喫茶店で、ペペロンチーノと珈琲。今日は糖質まつり。●コロナ感染者、大阪でも1万人を越えた。2月以来の事らしい。●統一教会とコロナの大波。今月は、とうに忘れた、あるいは忘れかけていたことが復活する月のようだ。

0714(木)曇
●午後、Netflixで日本映画「夏への扉」をみた。今風にアレンジしてあるが、ほぼ骨格は原作通り。悪くない。できれば、エンディングに山下達郎を流して欲しかった。●相変わらず、ワイドショーは旧統一教会の問題を取り上げている。それがもたらす、犯人の境遇への同情が安倍元総理暗殺を正当化することにならないかと危惧する意見と、統一教会と政治家の癒着を糾弾する、従来の「反アベ」左翼の意見が対立して、twitterで不毛な議論を繰り返している。いつもの見慣れた風景。●秋に安倍さんの国葬が挙行されることが発表された。賛成しないが、この場が国際外交の舞台になれば、故人は喜ぶかもしれない。まさか、プーチンや習近平が列席することはないだろうが。

0715(金)晴
●コロナ感染者が、全国で10万人を越えた。まだ行動制限はしないそうだ。重症者がそんなに増えていないから。●昨日、twitter(書き忘れていたが、イーロン・マスクが買収提案を撤回して、約束違反だと裁判になりそうになっている)を読んでいたら、内田樹さんが、小田島隆さんならどう書くだろうと考えていると、いつもよりもきつめの文章になってしまったと書いていたのが目にとまった。確かに。小田島さんが元気だったら、この大きな出来事についてどう書いただろう。とても読みたいと私も思う。というわけで、小田島さんの著書「日本語を取り戻す。」をところどころ拾い読みしてみた。ほとんど読んだことのあるコラムの集成だが、大半が安倍政権批判の内容だ。小田島さんは書いている。安倍さんについて書くことは、自分にとっては頭脳労働ではなく、感情労働であると。つまり、安倍さんについて書くと、ついつい感情的になってしまって、結果的には出来の悪い文章になってしまうのだと。なるほどと思った。現在も、今回の事件に関してのさまざまなtweetが溢れているが、それらのほとんどが、やや偏っているし論理的じゃないなと思わせるのは、要するに、そういうことなんですね。その意味でも、安倍という政治家は特異な存在だった。●大澤真幸+柄谷行人+見田宗介「戦後思想の到達点」読了。大澤さんの見事なインタビューによって、彼が決定的な影響を受けたという、柄谷、見田両人の貴重な証言を聞くことができた。柄谷さんの本は、解らないながらも長年愛読してきたが、見田さんの本は一冊しか読んでいない。大澤さんの大学時代の恩師でもあった見田さんは、惜しくも先日亡くなったから、特に貴重な記録になった。見田さんは、社会学者である以上の重要な思想家でもあったようだ。ぜひ、その主要な著書を読まないといけない。

0717(日)晴
●戻り梅雨とかで、各地で大雨の被害。戻りコロナという言葉もあって、全国で11万人の感染者。●近畿地方は盛夏。今日は、祇園祭の山鉾巡行が3年ぶりにあった。●オレゴン世界陸上で、サニブラウン君が、100メートルで日本人初の決勝進出。●まだ糖質祭り期間中なので、今日の昼食は何年ぶりかで「餃子の王将」。餃子と、麻婆豆腐、八宝菜の小皿を食べた。安くて美味しいせいか、満員の盛況だった。●大相撲で珍しい出来事があった。行司がまわし待ったをかけたが、止めきれず力士が土俵を出てしまったので、途中からやり直し。昔、水入り後に再開するのを見た記憶はあるが、こういうのは初めてかもしれない。●夜は「鎌倉殿の13人」。凄惨なバトルロイヤルはまだ始まらない。今日はその前哨戦。今後の展開が待ち遠しい。最初に粛清されるのは誰か。

0718(月)曇
●今日は「海の日」の祝日だそうだ。●安倍元総理射殺犯の山上容疑者の、犯行決意書か遺書のような文書が公表されて、新聞やテレビのワイドショーはこれで持ちきり。どうも、山上容疑者の思惑通りに事が進んでいる。道具にされて殺された安倍さんが益々気の毒になる。●堀江敏幸「オールドレンズの神のもとで」読了。堀江さんの小説を読むのは久しぶりだ。長短様々な短編小説集だが、いつもながら、柔らかで緻密な文章が心地よい。堀江さんのような文章を書いてみたいと昔から思っているのだが、なかなか真似できない。この小説集の内容があまりにも多彩で、堀江さんの才能が眩しいくらいだったが、最後のあとがきで、一種の種明かしがされている。これらの作品はいずれも注文によって書かれたもので、落語で言えば大喜利のようにして出来上がったというのだ。何の制約もない自由な発想だけでは、面白い作品は生まれないということか。興味深い。●世界陸上に参加している日本選手にもコロナ陽性者が続出していて、男子マラソンでもエースが欠場。今夜行われた女子でも、出場できたのは、三人の中で松田選手一人だけだった。頑張って、9位に入ったのはめでたい。

0720(水)晴
●二度目の梅雨明け、二度目の夏がやってきた。暑い!●コロナ感染者も大阪で2万人突破。過去最多。全国では15万人超過。それでも行動制限はなし。●夜、川崎フロンターレとパリ・サンジェルマンの親善試合。メッシ、ネイマール、エムバペが同じチームにいるという奇跡を目撃。選手の年俸計600億円だそうだ。どう採算をとるんだろう。それはともかく、フロンターレはよく頑張った。

0721(木)曇
●午後、amazon primeで韓国映画「はちどり」を見た。昨年、世界中で高く評価された映画だが、少女を主人公にした映画ということで、見るのが遅くなった。キム・ボラという若い女性監督の処女作だそうだが、とてもそうは思えない完成度だった。主人公の女の子を演じた女優が素晴らしい。この映画から受けた、静かで深い感覚は台湾映画に似ているなと思ったら、この監督は、台湾のエドワード・ヤン監督のファンだったのだそうだ。なるほど、なるほど。

0723(土)晴
●ハングル教室に行く家内を駅まで送迎。●午前中、ピアノの練習の後、語学の勉強。●午後、Netflixで映画「DUNE/砂の惑星」を見た。美しく壮大なSF映画。ヴィルヌーブ監督の勿体ぶった作風には好き嫌いがあるようだが、私は嫌いではない。デヴイッド・リンチ監督の、昔つくられた同じ原作の映画と違って、この作品は二部作の前半部のようだが、それなのに2時間半というのは少々長すぎる。でも、退屈はしなかった。映像が凄いから。●夜の「ブラタモリ」は輪島塗の話。いかにもブラタモリらしい切り口でとても面白かった。●コロナ感染者は史上最多の20万人を超えた。そろそろ、ワイドショーは行動制限をしろと騒ぎ始めるかも。

0724(日)晴
●大相撲名古屋場所は今日が千秋楽。横綱照ノ富士が貴景勝に負けたので、優勝決定戦なしで、逸ノ城が平幕で初優勝した。照ノ富士と一緒に来日した逸ノ城にとっては、余りにも時間がかかった初優勝だったが、感慨深い。●アメリカのオレゴンで開催中の世界陸上をずっと見ている。大好きなアリソン・フェリックスはこの大会を最後に引退するが、久しぶりに走っている姿を見ることができた。今日は、男女の4X100メートルリレーなどが行われたが、日本が決勝に出られなかったのは淋しい。でも、その代わりに、4X400メートル・リレー男子が明日の最終日の決勝に出ることが決まった。●「鎌倉殿の13人」。いよいよバトルロイヤルの開始。最初の敗者は梶原平三景時。一番強そうな者から集団で排除されるというお馴染みのパターンだが、三谷脚本はそれを見事に描いた。●夜、NHKの衛星放送で見た、湖南省長沙を舞台にした、中国の高考のドキュメンタリーが面白かった。まさに現代の科挙。受験生もその親も、人生を賭けた戦いに挑む。大変だと同情するが、受験が全てではないよと言いたい気もする。

0727(水)曇・雨
●午前中、大阪市立美術館で「フェルメール展」を見てきた。正確には、ドレスデン国立古典絵画館所蔵品を展示する「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」で、フェルメール作品は一点だけ。しかし、そのフェルメールは、長年隠されていたキューピッドが、数年かけた修復作業によって姿を現したという話題の作品「窓辺で手紙を読む女」だった。私も、見たかったのはこの作品だけだったが、同時に展示されていた同時代の多数の作品も、さすがに名品揃いで、レンブラントの作品も含まれていた。その意味でも、かなり充実した展覧会だったわけだが、やっぱり目玉はフェルメール。同時に展示されていた従来作の模写と今回初めて明らかになったキューピッド版の作品を行ったり来たりしながら比較してみた。今回、キューピッドが現れたことで、女の読む手紙がラブレターであることが明らかになったわけだが、絵としては、キューピッドがいない方が女性に視線が集中するとも言えるわけで、どちらが良いと言い切れないのが面白いところ。でも、誰が何の目的でキューピッドを消したのか、謎が生まれた。●夜は、プロ野球オールスターの第二戦とサッカーの東アジアE-1選手権。前者は佐々木朗希が先発して1回投げて、162キロを出したが、それだけ速くても、直球だけなら打ってしまうプロの打者はさすが。後者は、中国戦では点を取れずに引き分けた日本が韓国に3-0で勝って優勝した。Jリーグの選手だけだった中で、今後W杯に招集される可能性があるのは、この試合でも活躍した、相馬一人だけだろう。韓国も二線級だったので勝てたが、まだまだA代表には遠いレベルの選手ばかりだった。そのA代表だって、W杯で1勝出来るかどうか。

0728(木)晴
●松岡正剛「日本的文芸術」読了。松岡さんの「千夜千冊エディション」の一冊。広大無辺のセイゴウ・ワールドから、これは、古典から現代小説までの日本文学に関する文芸評論を集めた巻。全4冊にまとまる予定の最初の1冊だということだ。何よりも、小松左京の「日本アパッチ族」が取り上げてられているのが嬉しかったが、他の全ての文章も実に充実した批評、文学案内になっていたのは、さすがに知の超人、松岡正剛。至福の読書だった。●今日も、東京で4万人を越えるなど、コロナ感染者は増え続け、大阪府の吉村知事は、高齢者の外出自粛を要請した。発熱外来はパンク状態。twitterをフォローしている神戸大の木村幹さんもコロナ感染とか。解熱剤を飲んで、自転車に乗って遠くのクリニックまで行ったそうだ。

0729(金)晴
●二桁勝利、二桁ホームランの104年ぶりの記録に挑んでいる大谷くんは、今回も負けた。味方が全く援護してくれない。これで、二度目の挑戦失敗。まだシーズンは後半が始まったばかりだから、いつかは達成すると思うが。

0730(土)晴
●古川日出男「平家物語 犬王の巻」読了。池澤夏樹さんは、古川さんを平家物語の現代語訳者に指名することで、この小さな傑作を生み出すきっかけをつくった。まさに名伯楽というべきか。池澤さんが解説で指摘したように、この作品は文体の速度が素晴らしい。物語の背景にある、足利義満が室町時代における源氏の棟梁であるにもかかわらず、自らが平清盛を越える存在になろうとして将軍から太政大臣になった。そして自ら「平家物語」の決定稿をつくろうとし、邪魔者である、この小説の主人公の一人である琵琶法師を排除したのだという着想に感心した。


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