顧客インタビューで顧客心理を知ることの重要性

今回は顧客インタビューのやり方について書き記していきたいと思います。

顧客インタビューはうまく活用すればサービス開発やマーケティングにおいてめちゃくちゃ役立つ調査方法です。

しかし、意味のある示唆を引き出すには入念な準備が必要になるのでかなり難易度の高い調査方法だと思います。

顧客インタビューは定性的に顧客心理を把握するための手法だと思っています。

例えば、アンケート調査ではわからない「なぜそのような行動をとるのか?」、「どのような課題があるのか?」など原因や理由を調査したい時や自分が想定していない予想外の示唆を引き出したい時に使えます。

顧客インタビューの使い方

ユーザーの行動に対してその理由について知りたいときや数値化して答えられないような定性的な質問をしたいときに顧客インタビューが適しているように思います。

アンケート調査も顧客インタビューも顧客心理を知ることが目的ですが、顧客インタビューの方がより深い顧客心理を知ることができるので、アンケート調査を実施後に顧客インタビューを行うといった合わせ技も行うことができます。

むしろ、自分はこの手法をとることが多かったです。アンケートで全体感を把握して、より深い示唆を得るためにアンケートを回答してくれた人の中から何名かピックアップして顧客インタビューを行うといったことをやっていました。

顧客インタビューのやり方

1.仮説立て

まずは初めにやるべきは「顧客インタビューで確かめたい仮説を立てること」

ここでの仮説立てはユーザーの行動などの面に現れることではなく、「なぜその行動を取ったのか」、「例えば、〇〇だった場合ユーザーはどう思うか」など表には現れない顧客の深層心理を知ることを意識した仮説を立てることが重要です。

これは正直めちゃくちゃ難しいですが、ユーザーが特定の行動を取った理由やどう思ったかなどの心理的な部分を解明することで革新的なサービスを作る手がかりになるんじゃないかと思っています。

例えば、家を購入したいと思っている人に対してどういうタイミングで家を購入したいと思うようになったのかを解明したいと思った場合、「家を購入したいと思うようになったきっかけ」や「普段どういう情報に関心があるのか」「その理由」などを想像しながら仮説を立てていくようなイメージです。

2.インタビュー設計

仮説を立てることができたら次はインタビューの設計。
ここではインタビュー対象者の設定⇨ヒアリング項目の整理の順に行っていきます。

①インタビュー対象者の設定

まずはどういった人にインタビューをしたいのか決めます。できるだけターゲットユーザーに合った属性を設定する。

例えば、直近3ヶ月以内に都内で家を購入したいと思っていて、DINKSのカップルなど。そこまで詳細なペルソナまで設定する必要はないかなと思っています。

②ヒアリング項目の整理

次にやることはインタビューでのヒアリング項目を整理すること。

立てた仮説をもとにヒアリングしたい項目をスプレッドシートに書き出します。ここでも大事なことは本当に聞きたいことに項目を絞り込むことです。

せっかくのヒアリングなので、できるだけ多くのことを聞きたいと思いがちですが実際のヒアリングでは全てのことを聞けることは稀。話の流れやその場の雰囲気にもよって実際に聞けることは変わってくるので、これだけは絶対に聞きたいということを5つくらいに絞っておくのが良いと思います。

話の流れの中で想定外のことが聞けたり、新たな発見があったりするのでそういったセレンディピティが生まれてたりするのも顧客インタビューの醍醐味。

3.インタビュイーのリクルーティング

最も難しいのはここかもしれない。

すでにインタビューできる顧客との関係性が築けていれば最高だが、それが無いと0からインタビュイー集めをする必要が出てくる。
その場合は外部の調査会社に協力してもらったり、TwitterやInstaでナンパしたり、ビザスクLiteなどのプラットフォームを使って集めるなどの方法が考えられます。

場合によってはインタビューに協力してくれたらAmazonギフト券プレゼントなどの特典を付けることで集めやすくなったりします。

良くやっていたのは、アンケート調査を実施して、そのアンケート票に「インタビューご協力のお願い」という項目を追加してインタビュイーを集めるということをやっていました。

アンケート調査と一緒に顧客インタビューのリクルーティングを行うというやり方です。

この方法のメリットはアンケート調査と顧客インタビューを個別でやるよりも手間がかからないことに加えて、アンケート調査で既に回答してもらっているので顧客インタビューの趣旨をある程度理解した状態でユーザーがインタビューに臨んでくれるという点です。

インタビューの最適な人数は特にないが、明らかにしたいことがわかるまでインタビューはやった方が良いです。最低でも5名は実施しないと示唆は得られないと思います。

アンケート調査にインタビューご協力のお願いを追加するイメージ↓

インタビュイーをリクルーティングする上で最低限必要な情報は下記で十分かなと思います。

  • メールアドレス

  • 氏名

  • 電話番号(必須でない)

  • インタビュー希望日時

インタビューご協力のお願いに「はい」と入れてくれた方の中からよりターゲット属性にあったユーザーをピックアップしてメールで日程調整を行います。

4.インタビュー前準備

ここまでくれば、インタビューを実施するだけ。

インタビューは前準備が超重要なので、整理したヒアリング項目をスプレッドシートなどにまとめておく。

例えば、スプレッドシートへのヒアリング項目のまとめはこんな感じでやっておくと使いやすい↓

上部に「インタビューの目的」と「インタビュー対象者の名前」を記載しておく。
そして、アンケート回答などから「インタビュー対象者の事前情報」は記載しておく。その下に「整理したヒアリング項目」をまとめてすぐ横に回答を記載できるようにしておく。

自分より

そして、インタビュー本番の大まかな話の流れを決めてロールプレイングを行っておくと安心です。

「アイスブレイク」〜「インタビュー趣旨の説明」〜「整理した項目ヒアリング」〜「締め」の大体の時間配分も決めておくと良いかも。

5.インタビュー実施

インタビュー前準備が完了するとあとは実施するのみ。
インタビュー前準備をどこまできちんと行うかが9割を占めるといっても過言ではないかもしれない。

インタビューは基本的に2名体制で行うことが重要。一人はヒアリング役、もう一人が書記役として。ヒアリングしながら書記は結構無理があるし、ヒアリングに集中できないので。

そして、ヒアリングはヒアリング項目をそのまま上から聞いていくのではなく、話の流れに合わせて組み替えたり、想定していない質問を織り交ぜたりするとよい。基本はこちらが話すことよりもできるだけインタビュイーからの自発的な発言を引き出せるようなインタビューになると成功に近づく。

あれっ、これはデートの時の会話の心得と近いかも!!

インタビューを実施する上での【注意点】としては

  • 最初は趣旨と関係ない世間話などから始める

  • インタビューは基本的にオープンクエスチョンで聞く(クローズドクエスチョンになるとどうしても相手はこちらの意見に誘導される)

  • インタビューはオンラインで基本は大丈夫だが、より深い示唆を得たい場合やUI検証の場合はオフラインで行った方が良い

ある程度インタビューを重ねて、示唆が見えてくると今まで行ったインタビューのヒアリング内容を見返して分析に移ります。

以上、顧客インタビューの設計から実施までの流れでした。

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