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【積丹】トレイの外まで根を伸ばすビーツに見習うものがある

積丹のたかのふぁーむでWWOOFしています。朝、外にでて、外の空気のにおいががらっと変わっていることに気がつきました。雨が降ったからです。畑が茶色く湿っています。東を向きながら、背筋を伸ばして目を閉じて、深呼吸します。いいにおい。都市で感じる雨の後のにおいとはまるで異なります。山と畑に囲まれているからでしょう。

ビーツを移植しました。セルトレイからマルチを張った畑にです。僕はビーツを種の頃からお世話しています。一連の作業を体験しています。

移植は植物にストレスがかかります。まさか自分の根付いたフィールドが浮いて移動するなんて思いもしなかったことでしょう。今までビニールハウスの中、温かい床の上で乾き を知らずにぬくぬくと成長してきたビーツにとって、露地で生活するのは厳しい試練ともいえます。がんばれ

発芽して子葉と本葉を伸ばし、間引きされたビーツです。これから移植します。まだ本葉を伸ばしきれていないものはそのままにしておきます。このトレイからビーツをヘラで取り出すのが難しかったです。根っこが千切れないようにする必要があります。

根っこはトレイの中を探索し尽くし、土のない外にも伸びています。その好奇心・冒険心には見習うものがあります。

探索し尽くしたトレイの中に収まっていても、新しいものは何も期待できない。外に行けば何かがあるだろう。でも、望むようなものはないかもしれないし、かえって危険な目に遭うかもかもしれない。でも、ここから動かないで安住していても何も変わらない。

スペンサー・ジョンソン『チーズはどこへ消えた?』っぽいですね。

トレイの下で根が伸びています。隣の株の根と絡まっているのもありますので、前もってほどきます。根が切れてしまうと、弱ります。

ヘラをつかってトレイからすっと取り出してあげます。ゆっくり動かします。細かい根で土がある程度まとまっています。地上部の大きさと根の張り具合は相関がありそうでした。

移植器でマルチの穴に移植します。これを使えばしゃがまずに済みますが、株がまっすぐ立たずに斜めに植わることが多かったです。だから、整える必要があります。

整える人の仕事は、株をまっすぐ立てること、そして土をマルチの穴に被せることです。マルチが畑に密着しないで浮いていると、本葉はマルチから顔を出すことができません。土がゴロゴロしてて、マルチは浮き気味でした。そういうときは土を盛り上げます。土遁の術です。穴を塞ぐのは隙間をなくすためです。

移植したあとは水やりします。じょうろのはすくちを上に向けて、のんびりゆっくりまったり湿らせます。最後にしてやれる作業です。あとは自然に任せます。

移植は技術が必要でした、少なくとも草取りや間引きより。僕はビーツを取り出すのに奥さんの2倍以上時間がかかりました(僕が初心者で奥さんは玄人)。これではまさに日が暮れます。また、移植はこれからの生育に強く影響を及ぼす作業でした。僕は根を何株か切ってしましたが、それらの成長は鈍ると思います。ごめんなさい。まねたり考えたりして上達しなければなりません。

では、よい1日を。