見出し画像

はじめてのAI絵本「しあわせのなみだ」制作日記

はじめまして。AIでイラストをつくっているまにまにと申します。

毎日『ChatGPT』と画像生成AIの『にじジャーニー』を触っていたら、
「ひょっとしたら素人の自分でも絵本がつくれるのではないか?」と思い、つくってみました。

この記事は素人がAIを使って絵本をつくるまでの制作過程を書いた記事となります。難しいことは書いていないので、PCで絵本をつくってみたい方、画像生成AIについてご興味のある方はよかったらご覧ください。

早速ですが、今回の絵本制作にあたって使用したものは以下となります。

・ChatGPT(GPT-4)
・にじジャーニー(niji journey)
・Mac標準搭載のプレビュー機能

ChatGPTは月20$、にじジャーニーは月30$のスタンダードプランに加入しているためサブスクのお金はかかっていますが、それ以外に何か有料の画像編集アプリや何らかのソフトウェアをインストールしたりはしませんでした。もちろんフォントや画像をいい感じにしたい場合はもっと凝ったソフトが必要だと思いますが、今回は初めてなので使いませんでした。

さて、まずはどんなテーマで絵本をつくるのかを決めなくてはなりません。
ここは人間の仕事です。
私はサメと猫が好きなので、まず、サメと猫をテーマに何かつくれないかを考えました。ということでChatGPT先生に聞いてみます。

ん〜〜なんだか普通すぎるというか…面白みに欠ける…
もうちょっと物語に深みが欲しかったので、メインキャラを猫に絞り、テイストを変えてもう一度聞いてみます。

さっきよりは絵本っぽくなったような気がしたので、まずはこれでつくってみることにします。
しかし、今度は画像生成AIの『にじジャーニー』側で、ある問題に気づきます。
主人公のニャンタは賢い猫の設定で、野良猫っぽい見た目は変なので服を着せようと思ったのですが、AIは毎回決まった服を着て画像を出力してくれるわけではありません。そのため、見た目や衣装が出力するたびにコロコロ変わってしまうのです。

主人公ニャンタのイメージ①
主人公ニャンタのイメージ②
主人公ニャンタのイメージ③

かわいいのはかわいいんですけどね。
また、人と違って擬人化した猫となるとAIの学習量が少ないのか、狙った絵を出すのが非常に難しいということに気づきます。
「自分がもっとプロンプトに詳しければ…」とも思いましたが、最初の数枚をつくっているうちに挫折します。

その次につくり始めた「人間のいない世界でロボットたちが永遠のエネルギーを手に入れる冒険の話」も同じ壁にぶち当たります。ロボットの造形がコロコロ変わるので、絵に統一感が出ず、また挫折します。そして何よりも、つくっている途中に物語自体に面白みを感じなくなったのが大きかったです。

ロボットが冒険しているところのイメージ
遺跡の中で探検するロボットのイメージ


これもかわいいのはかわいいんですけどね。
でもこの辺りでやっと「にじジャーニーは二次元イラスト特化モデルなのだから人間のイラストを一番学習しているはず。主人公は人間にしよう!」ということを決めます。そしてテーマは「幸せとは何か」に決め、再びGPT先生に聞いてみます。

どこかで聞いたような話で、もう少しひねりが欲しかったので続けて聞いてみます。

3番目の「幸せな涙」が一番心を惹かれたので、テーマをこれに決めます。
次に、脚本を考えてもらいます。

あとは、GPT先生にもらったプロットを基に自分で全体の物語とページ数を再構成し、画像づくりに取り掛かります。完成した絵本を見ていただければわかるのですが、プロットと完成形は結構変えました。変えざるを得なかったというのが正しい表現かもしれません。というのも、登場人物が猫やロボットではなく人間になった分いくらか狙った絵は出やすくなったのですが、やはり高齢者や人が複数人いる絵は学習量が少ないためかAIが言う事を聞いてくれず、構図がぐちゃぐちゃになりやすかったです。ソロの立ち絵などはかなり上手になってきたAIですが、やはり学習量に依存するということでしょう。でもそのランダム性もAIイラストの魅力と私は個人的に思っていますが…。以下は没になったイラストたちです。

大人は絵柄が偏るので没に(登場キャラをおばあさん→パパ→お兄ちゃんに変更)
絵のタッチがラフすぎるので没に
最後のシーン。いい表情なのですが、嬉しそうに見えないので没に

他にも没絵が山ほどあるのですがこの辺にしておきます。
反省点は、誰かが誰かに話しかける、という絵でもなかなかうまくいかないので、同じような構図の絵が多くなってしまったことです。ここはAIの次のバージョンアップを待つか良いプロンプトを探すしかないかなという気がしました。

青色のショートヘアの女の子と赤色のロングヘアの女性が一緒に泣いて笑っている、
と指示してもピタリと合った絵は出てこない


また、ツイッターにアップする前提で制作を始めたので4枚のイラストを4回投稿で16枚という風にキリよくしたかったのに、表紙を計算に入れておらず、計17枚になってしまいました。うっかり…。


そして、画像を一通りつくり終えたら、
Macのプレビューで文字を入れて、完成!

表紙

↓PDF版

↓Kindle版(Kindle Unlimitedなら無料です)

以上がAIをつかった絵本の制作過程となります。
今回一人でつくってみてわかったことは2つありました。

①AIを使えば絵本はつくれる。ただし、想定通りにいかないこともたくさんあるし、全部を任せるのはちょっと難しい。人間のやることはまだまだ多い!
②この先AIがさらに創作活動を広げる手段になることは間違いない。今回の制作過程を全部一人の力でやろうとしたらものすごく大変。これからどんな作品が世に出てくるのか楽しみ!

長文になりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。


2023/5/11 追記
新たに大人向けAI絵本『Journey’s End』をつくりました。
よかったら読んでみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?