とんこつスープ・ストック&トゥー・ビスケット・ピーシーズ

ビスケットブラザーズのファンになってから、1ヶ月が経とうとしています。
きっかけは5月の「濁」ライブでした。
もともとはガオ~ちゃんを楽しみにしていたのですが、ガオ~ちゃんは休演で、しゅんとしていたところ、その日のビスケットブラザーズのネタが最高で…
っていうかそもそもビスブラさんのネタを見たの、この日が初めてだったんです。
初めて見て、ひと目で好きになりました。
 
その日は“キスされて怖かった”のネタでした。
私はこのコントでビスブラのお2人が何らかで優勝すると固く信じているので、ネタの詳細を書くことはしませんが、このコント、原田さんのキャラクターの性格がナイーブすぎて最高なんです。
えっコントでそんな繊細な感情の機微を扱うの!?と思っちゃいました。

何というか、幸せへのおそれとか性欲のかけらにぶつかって右往左往するところとかが私のバイブルである大島弓子先生の『バナナブレッドのプディング』みたいで!

(この少女とはらたい先生に通ずるものを感じるのです・・・)



心の中のもやもやや、言い表せない欲望みたいなもの、自分の中にあったとしても見て見ぬふりしたいかっこ悪い部分やらなんやらをコントにして爆笑させてくれる。
なんで私はいままでビスケットブラザーズを知らなかったのだろう?
 
すごく良いタイミングでNGKの単独があったので、そちらも行ってきました。
そして「ビスブラはハッピーエンドの王様なんやわ…」と思いました。
ビスブラのコントの、大人になりきれないいびつなパーソナリティをもったとびきりキュートな原田さん&それに寄りそうとびきりジェントルなきんちゃん、の構図ったら。
かといって幸せいっぱい!という感じじゃなくて、哀しみも漂っているのが良い。
サービス精神が旺盛すぎてかえって空回りしてしまったり、そういう哀しみ。
その、笑いと哀愁のバランスがどちらもやりすぎでなく上品で、そういう繊細なコントをむちむちの男性2人がやっているからより一層おもしろいのです。
 
 
あとライブのタイトルもいちいち最高です。『ファ年玉』とか『わてはキス魔のマントヒヒ』とか。声に出して読みたい謎語すぎる。
それ以来、街を歩いていたり本を読んでいたりして心にひっかかるワードがあると「これはビスブラ」「これはビスブラに非ず」というふうに無意識に選り分けてしまう自分がいます。
最近では町田康さんの小説『湖畔の愛』に出てきた
「わしはある種の回転寿司」
という台詞が「これはビスブラ」フォルダへと入りました。
どうでしょうか?
 
今回、ビスブラさんの単独ライブDVDが出るようで、本当にうれしいです。
リリースイベントもあるようなのだけど、これの参加は悩んでいます。
というのも、私はビスブラのお2人を“聖なるもの”として愛しているからで…。

私は大阪市西成区に住んでいるのですが、今日も5km圏内でビスブラがコントをやったりパン食べたりしてるっと考えるとそれだけでご機嫌になるんですよね。
私の“好き”はそれでじゅうぶんなんです。
好きすぎて、距離を保って見ていたいという気持ち、ありませんか?

このままではパリに憧れる画家が、憧れすぎて一生パリに行くことがないままパリの絵を描き続けて死んでいく、みたいなそんな感じになるかもしれない。

でも半面、「世界一おもしろいです!」ということをいつかちゃんと伝えたい気もします。
 

今週は、6月の「濁」ライブがありますね。
私も見に行く予定です。今回はガオ~ちゃんも揃って、見られるといいな。


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