②順天堂での無痛分娩 分娩レポ前編

36週2日で早期破水になってしまいました。(正常な出産の時期は37〜42週)破水した場合、赤ちゃんと子宮を守る膜が破れてしまい、無菌状態ではなくなるため、ある程度の週数になっていればなるべく早くお産にしていきます。

私の場合36週2日の朝8時に破水し、タクシーで順天へ。早産の兆候はなかったので、まかさこんな時期に破水するとは思わず荷物も準備していなかった、、、。夫と寝ていたのですが、股間がヒンヤリして「やばい。おもらしした。」と思い起床。しかし動くたびに流水。あ・・・これは・・・。急いで働く病院から持って帰っていたBTB試験用紙(覚えていますか?懐かしのこれ、破水の確認で使うんです)を水につけた結果青変。

夫に破水した!起きて!と声をかけ病院に電話し急いで荷物を詰め込み病院へ。外来で破水の確認を再度しつつ診察、3cm開いている。入院。順天堂では破水していると産まれるまで病室には行かずにLDRという陣痛室分娩室一体のお部屋に入ります。

破水していると感染のリスクだけではなく赤ちゃんをクッションとして守っていた羊水も流れ出るので、胎児監視モニタリングという機械をお腹につけ赤ちゃんが元気でいるかの確認を頻繁に行います。このモニタリングは破水していても病院によっては6時間に1回約30分とかですが、順天堂の場合は破水している人は産まれるまでつけっぱなしにします。この機会はコードがあってゴムのベルトで2個のセンサーを固定するのであまり動くとだめなんです。なんなら寝返りしてもアラームが鳴るような機械。ずれるとその度に助産師が飛んできて申し訳ない気持ちになります。
そして破水した人は産まれるまでシャワーには入れません。感染のリスクが上がるからだそうです。(これ、私の病院でも日本全国そうだと思いますが、ずっと納得できてないです。シャワーしないで何日もいるほうが汚い何かが増えそうですよね)
よって、分娩台という寝心地がわるい台の上で朝の10時くらいからモニタリングをし続け、基本寝転んだまま、トイレとご飯の時だけ座る感じで過ごします。順天堂のLDRは改装したばかりだそうでキレイなのですがテレビがありません。夫がいてもやることがないので昼過ぎに帰ってもらい、携帯だけがお友達、めちゃくちゃ暇です。それが辛かったです。あと、分娩台は一応クッション性はありますがシーツなどがあるわけではなく塩ビ的な素材なので地味に群れてそれもきつかったです。ご飯はまずまず美味しかったです。夜中もモニタリングがあって寝返りもしにくいし、数時間毎に起きました。歩けないのがしんどかったのでトイレには長めにいってストレッチとかしてました。

そして翌日まで陣痛が来なかったので、破水から約1日後の朝の9時から促進剤を開始しました。この段階でも入院時と変わらず3cm。無痛分娩は費用15万円です。助産師さんに聞くと産婦が初めてほしいタイミングで初めてくれるそうです、5cm位になってからが多いですねと。
促進剤を使用し30分おきに薬を少しずつ増やしていきます。
10時頃には生理痛の重いくらい、痛み止め欲しいわ、位の痛みになってきました。でも私は助産師。取り乱したくはありません。「けっこう痛いですね〜。まだいけますけど〜。」モニタリングで10分に一回位の間隔で痛みがきます。
11時。これはやばい。これ陣痛ちゃうか?やばい。知ってたけど、かなりやばい。この時8分間隔位。発作の時話せるけど、きついよ!!

ちなみに初産婦の場合、お産の開始は陣痛が10分以内でくるようになって14〜16時間かかります。よってもし始まっていたとしてもあと12時間以上?!もうすでに無理!「すっすみません。もうけっこうな痛みです。ちょっと。無痛を・・・。」「痛そうですね!内診してみましょう!・・・3・・・4cmですね。」絶望
嘘やろ?!この痛さで?え?進んでないの?「えー。まじですか?えー。」そう、これでは無痛分娩開始はできない。助産師としてわかる。なぜなら促進剤に反応して痛いだけで、進んでこないことには本当に分娩に至る陣痛か判断できないからだ。促進剤を使って痛くなっても、薬をやめたら痛みもなくなることはよくあります。

11時半あかん。あかん。陣痛の時に「ふーーーーーーーっ!!!」て声でちゃう。もう柵でも何でも掴んでないと耐えられない。真っ直ぐ落ち着いて呼吸ができず虫みたいにもぞもぞしている状態に。陣痛4分間隔!でもさっきから30分しか経っていない!!「助産師さーーーん!もう無理です!!お願いします!!!」

12時に麻酔科医が3人も来てくれた。明らかにベテランの60歳前位、30歳前位、研修医か?の若手。結果からいって順天の産科麻酔はレベル高いです。本当に。
おじさんから説明を受ける。2番手がやって難しそうならワシがやると。で、30歳が1回失敗のみで成功。注射入る。すごい。怖い。もうなーーーーーんにも感じない。モニタリング見ないといつ陣痛きたかわからない位。けど足は動く。

そして機械をわたされて、また痛くなったらここのボタン押したらチュッとお薬入るよ〜でもチュっで駄目なら考えるから教えて〜30分毎位に様子見にくるよ〜とのこと。

麻酔してもらう間も全身に汗かいて身悶えしてたのですが麻酔後内診して「4センチ??」えーーーーー。痛すぎるやろがーーーーーー。まじかーーーーー。今まで見てきた全ての産婦さんに謝罪したい。正直3センチでめっちゃ痛いとか。痛み弱いわね〜まだまだよ〜って思ってました。本当に、本当にごめんなさい。と心のなかで謝りつつ、痛みがなくなり冷静になったことで分娩に至るか心配でした。

13時に助産師さんに内診してもらうと8cmへ。陣痛も2〜3分周期に。進んできていたからあんな痛かったのね、とホットしつつ立ち会い予定だった夫を呼び出し。少し陣痛が分かるくらいに痛みを感じたためボタンを押す。夫には朝の段階で平均16時間だから産まれるとしても早くて夕方といっていたので大急ぎで向かうことに。

14時に夫到着、子宮口全開の10cmへ。やはり余裕。友人にラインで全開!と送れる程度に余裕。この間も麻酔科医が30分間隔で来てくれて痛みの程度を確認してくれます。

いよいよ頭が見えてきたところでしっかり分娩の姿勢になりいきみ(キバルこと。ウンコを出す時と同じです。)をかけます。本来の分娩ではここまでくると勝手にいきんでしまう共圧陣痛がかかりますが、無痛では自分で陣痛に合わせていきみをかけないといけません。私はいきみ方や方向の知識があるのでできましたが、初めてだと難しいかな〜とは思いました。助産師さんの「そろそろいきんでいきますか。」にも、痛みが無いので本当に冷静に「あ。陣痛きたんで真剣にいきんでみまーす。フンッ!」・・・「どうですか?いきめてました?」「はい!いい方向でしたよ〜。」みたいな。

そしてまたを一箇所切ってもらい、もちろんその痛みも感じることなく15時過ぎに出産。子供は36週にしては小さく約2100gだったのでそのままNICUに行きました。

実際に無痛ではない普通の出産しか見ていない私ですが、産後の傷の確認と縫合はかなり辛そうにされていることが多いです。一応歯医者みたいにキシロカインという薬をマーンの傷周辺に打っていくのですが、もうそれも痛いし、外側ではない膣の中側は麻酔を打っても痛いようです。しかし無痛はすごい。傷を触られているのはわかるのですが全く痛くない。それだけで全然無痛をした価値がありました。その後は出血のしやすい産後2時間をLDRで夫と過ごしました。

後編では病棟に移動してからと入院生活、分娩の費用について書きます。




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