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蔭先生の生誕~今①

今日は蔭先生の生誕の話しをしましょう。

とはいえ、それは「神の手なんかじゃない」本作の話しではありません。

私が「蔭先生」というキャラクターを最初に描いたのは11年前です。

それは私が鍼灸按摩マッサージ指圧師の専門学校の入学が決まり、始業式までの一ヵ月の間に描き上げました。

週刊少年ジャンプのたしか「ストーリーキング」だったかと思いますが完成原稿ではなく原作志望としてネームで投稿出来る賞がありました。

ヒカルの碁やアイシールド21を排出したのがたしかこの賞ですね

「神の手なんかじゃない」を読まれた方からは少年ジャンプなんて全然作風が
合ってないと思われるかもしれません。

しかし当時の蔭先生はフィクション性の高い作品でした。

それは無知故に自由に描けたからこそ描けた理想のファンタジーだった訳です。

それ故に蔭先生の造形も設定もかなり違います。

「蔭先生」という名前は初めからでした。

由来はもちろん「お蔭さま」からです。

また謎めいた印象になることも気に入って使い続けています。

また、もう一つ一貫して描き続けている内容は「身体を診つつも物語の展開として患者の心を救う」ということです。

これみよがしに「心を治すんだ」なんて言わせない所がミソです。

それ以外の内容は常に変わり続けています

最初の蔭先生はホームレスでした。

ビジュアルはマイケルジャクソンのビリージーンを地味にしたものと思い浮かべて下さい。

物語は道端で倒れている所を患者に発見される所から始まります。

そう、この設定もまさに「神の手なんかじゃない」に受け継がれています。

そこで患者に介入していく蔭先生は鍼で患者の悩みを解決します。

当時は鍼灸治療にも可能性を感じていたので鍼をメインに治療する鍼灸氏設定を推していました。

更にこの作品の最もぶっ飛んだ設定は

帽子をかぶった蔭先生が無脳症という障碍をもって生きていることです。

脳がないのにどうして頭で考え生きているかというと

そこには一本の鍼が刺さっており、その鍼を媒介として奇跡的に生命活動を維持しているのです。

ここから人間の心とはどこに介在しているのかという唯物論を越えた宇宙的な思想が込められています。

今思い返してもこれはこれで面白い設定だと思います。

ちなみにタイトルは

「カイジ」や「バキ」に習って

分かりやすく「カゲ」でした。

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