見出し画像

カーテンコール! ――「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」感想

「シン・エヴァ」、見てきました!
ネタバレがありますので、まだ観てない方はご注意ください。

また、レビューとか批評とかではなく、
本当に取り留めなく思うところを書きつけたものなので、
矛盾などありましてもご容赦いただければと存じます。











全体的な感想

作品を通して「ありがとう」が聞こえてくる……
みたいな言い方はいささかくさいんですけど。

これは、今までエヴァを楽しんできた人への
カーテンコールみたいな作品だなあと、私は感じました。

というのも、
この「シン・エヴァ」はプロットよりもキャラを大事にしていますし
もっと言うと、キャラを好きなファンを大事にしていますよね。

たとえば、ミサトさんなんかはすごくわかりやすい例ではないでしょうか。
旧劇も大人のキスとかシンジ君の知らない私とか、そういうところが目立ちますが
大人としての責任を果たして最期を迎えるところは一緒です。

あとはマヤがリツコ大好きなところとか、
アスカが抱えていた葛藤とか、
ゲンドウが本当は子供だったところとか。

ひょっとすると二次創作なんじゃないかって思うくらい、
キャラクターの一番見たいところをしっかり描いてくれています。

なのでこれは、
そういうキャラの魅力をかみしめて来た人
=ファンへ向けた作品じゃないかと、私は思うわけです。


メタな話

それでもって、この感想を踏まえて、私は
庵野監督、すごくエヴァファンに対して真摯になったな、暖かくなったな、と感じました。
ほんとに自分勝手な気持ちですし、そんな資格はないんですけどね。

これは私の場合ですが、
アスカについては、あくまで「苦しくても力ずくでエゴを貫き通すところ」が見たかったのであって
「量産機に食い散らかされるところ」を見たかったわけじゃないじゃないんですよね。

旧劇でそういう形にしたのは、「奇をてらった演出をしてほしい」って期待に応えた結果でしょうし
実際、アスカが世界の不条理さに叩きのめされるのも納得できるんです。

でも一方で「幸せになってほしい」って気持ちもすごくあって。

もう本当に、観る側のエゴでしかないんですけど、
この「幸せになってほしい」って気持ちに「シン・エヴァ」は応えてくれたし
応えようとするところに、すごく人の暖かい側面が見えた気がして。

庵野監督がそれくらい暖かい人間になっていたから、
とんでもない形で叩き潰されたシンジの復活を何の奇もてらわずに書いたし
ファンが愛したキャラクターを送り出していくプロセスを陳腐にやったし
詳しく明かされることのなかったゲンドウの内心も
やりすぎなくらい暴ききって、ユイとの再会で送り出したんだと思います。


私の話

ここからはもっととりとめのない自分語りになりますが、
私もシナリオ制作にしがみつくように生きていて、
たびたび人の温かみに触れて来たので、
いろんなシーンが自分と重なって、泣いてしまいました……。

誰かが好きって言ってくれた気持ちに応える、というのが、
エンタメの一番プリミティブな姿だなと、私は思っていて。

だから、誰かの好きとか、心配とか、期待に応えようとするシンジくんの姿や、
私が思っていたエンタメを愚直にやってくれたこの
「シン・エヴァ」という作品があることが、ものすごく嬉しくて。

私も頑張って、仕事で関わらせていただいている方々や
期待してくれているリスナーさんに
面白いものを届けようって、そう思った次第でした。

ほんと、エヴァでこんなにぽかぽかするなんて
思ってもみませんでした……。
ありがとう、さようなら、エヴァンゲリオン……。

もしご興味がございましたら、サポートいただけますと大変ありがたく存じます。いただきましたものは、しっかり活動へ活かしてまいりますので、ぜひご検討くださいませ。