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冠名(馬主)別で見る、ウマ娘化しそうな競走馬たち ~アグネス、アドマイヤ、エア編~

まえがき

「新規ウマ娘の発表」←この文字列を見ると興奮を禁じ得ない皆さん!こんにちは!!
この記事では「是非ともウマ娘化して欲しい競走馬たち」を挙げ、冠名別に分類してみました。
ひとまずはアグネス、アドマイヤ、エアの三つの冠名から。
暇つぶしにでもご覧いただければ幸い。

注意
客観性にも気を使っていますが、筆者の主観が多分に含まれます。
・にわかファンに毛が生えた程度の奴が勉強がてら書いた記事です。ご容赦を。
・ミスや誤記、微妙な点などありましたらどうかお気軽にご連絡ください。
・書いててキリが無くなってきたのである程度厳選しております。ゆるして


アグネス(渡辺孝男)

既にウマ娘に登場する競走馬
・アグネスタキオン
・アグネスデジタル

アグネスフライト

画像はWikipedia『アグネスフライト』より引用
もがみますみ - http://turfdust.cocolog-nifty.com/blog/images/2009/05/05/00kysaf03.jpg, 利用許諾済, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=2173338による

牡 1997年生(00年クラシック世代)
父:サンデーサイレンス 母:アグネスフローラ(母父:ロイヤルスキー)
主な勝鞍:00’日本ダービー、00’京都新聞杯(GⅢ)

【ざっくり紹介】
なんといってもアグネスタキオンの全兄。
母のアグネスフローラは桜花賞、母母のアグネスレディーはオークスを制しており、フライトがダービーを勝ったことで日本初となる三代クラシック制覇を成し遂げた。父は大種牡馬サンデーサイレンス。THE良血馬。

2000年日本ダービーにおいて、後に菊花賞も制し二冠馬となるエアシャカールをハナ差7cmで破った。
この時の「河内の夢か、豊の意地か、どっちだー!」は名実況としてあまりにも有名。これをきっかけにアグネスフライトを知ったという人も少なくないだろう。

ダービーの後は神戸新聞杯を2着、菊花賞は1番人気ながらエアシャカールの5着と振るわず、古馬との初対戦となったジャパンカップにおいては世紀末覇王テイエムオペラオーの13着と惨敗してしまう(ちなみにエアシャカールは14着)。

年が明け、古馬になってからは屈腱炎発症という憂き目に遭い、ダービー馬として勝ち星を上げることは叶わなかった。
引退後に種牡馬入りしたものの、中央重賞を勝利した産駒は現れず、現在は社台ブルーグラスファームにて余生を過ごしている。

幻の三冠馬との名声高い弟アグネスタキオンと比べると地味な印象があることは拭えない。ダービー馬つかまえて地味と言ってしまうのはあんまりだが……。

【もしウマ娘化されたら】
先述したエアシャカールとのライバル関係だけでもシナリオが厚くなること間違いなしだが、この他にも、フライトの主戦である河内洋ジョッキーが17度目の挑戦でダービーを初勝利したことや、ウマ娘的には未知の領域であるタキオンとの全兄弟関係(既に姉妹として登場しているビワハヤヒデ&ナリタブライアンは半兄弟)など、ウマ娘世界に落とし込むと面白そうな要素は多い。

ところで、アグネスタキオンのトレーナーノートには「レース界での名声華々しい一家の、異端児」という記述がある。
これは先述したアグネスレディーからの系譜、狭義での「アグネス一族」を指すのではないかと考えられる。
(ややこしい話だが、メジロ冠の競走馬と違いアグネスの馬は生産牧場もまちまちなのでアグネス=同郷、一族というわけではない)

メジロ牧場の馬たちは「メジロ家」として強い関連性が描かれているが、もしアグネスフライトがウマ娘となったらメジロ家と似たような「アグネス一族」が描かれるかもしれない。

【来そう度】
★★★★★ なんでおらんのや!
エアシャカールのライバル!アグネスタキオンの全兄!デジタルの同期!
この三点でもう役満。
アグネスフライト不在のままエアシャカールの育成実装が来たため「フライトはウマ娘化されない」と見る向きもあるが、これはあくまでサイゲの開発リソースが有限であるが故に間に合わなかっただけであると筆者は信じています。
99年世代に違和感なくトプロを滑り込ませたサイゲの手腕に期待したい。


アグネスワールド

父:Danzig 母:Mysteries(母父:Seattle Slew)
主な勝鞍:99’アベイドロンシャン賞(仏GⅠ)、00’ジュライC(英GⅠ)
※外国産馬

【ひとくち紹介】
米国を代表する快速種牡馬Danzig(ダンジグ、あるいはダンチィヒ)の日本における代表産駒。
かのヒシアケボノの半弟にあたる。
英仏の両国でGⅠ勝利を一勝ずつ挙げており、この馬を一言で言い表すならばワールドワイドなスプリンター。競馬界においても屈指の「名が体を表した」競走馬である。

99年の夏に本格化。当時4歳であったアグネスワールドは小倉の北九州短距離Sで1分06秒5という破格の日本レコードを叩き出す(このレコードは22年後の2021年にようやく更新された)。
その後、国内のオープンでもう1勝、そこから渡仏し、1000m直線コースで行われるGⅠ、アベイドロンシャン賞をクビ差で制した。これにより武豊ジョッキーは前年のシーキングザパールによるモーリスドギース賞に続き、二年連続でのフランスGⅠ勝利を成し遂げた。

翌年2000年には渡英し、同じく直線コースの1200mで争われるジュライカップを制覇。英国GⅠを制した初の日本馬となった。
なお、異なる二か国で海外GⅠを制した日本馬はアグネスワールド、エイシンヒカリ、ラヴズオンリーユーしかいない。

【もしウマ娘化したら】
先程紹介したアグネスフライトを「狭義のアグネス一族」と言うのならば、こちらは「広義のアグネス一族」である。
キャラクターとしては世界を股にかける直線番長……ヤバイ方のアグネスPart3になりそう

現2歳時には朝日杯にてグラスワンダーの4着、キングヘイローが撫で切った2000年高松宮記念では3着と、国内でも98年世代の一角として存在感を発揮しており、是非ともその勇姿をウマ娘でも見てみたい。

【来そう度】
★★★★☆ 有力
ウマ娘において特に描写の多い98年世代というだけでも来そう度は高い。
特にスプリンターウマ娘はまだまだ足りてない感があるため、ゲーム的な都合を考えても次期ウマ娘化有力候補と言って差し支えないのではないだろうか。
さらに、メインストーリー最終章後編においてロンシャン競馬場と凱旋門賞が描写されたため、今後海外レース要素が拡充される可能性も大きくなった。それを加味するとアグネスワールドが鳴り物入りでウマ娘化することもあり得る。


アドマイヤ(近藤利一)

既にウマ娘に登場する競走馬
・アドマイヤベガ

アドマイヤドン

画像はWikipedia『アドマイヤドン』より引用
Flickr user nakashi - https://www.flickr.com/photos/nakashi/12460444/, CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=17890202による

父:ティンバーカントリー 母:ベガ(母父:トニービン)
主な勝鞍:01‘朝日杯FS、02,03,04‘JBCクラシック

ざっくり紹介】
25戦10勝、地方交流5勝を含めGⅠを7勝したダート界の雄。日本初となる同一GⅠレース三連覇をJBCクラシックで成し遂げた。
母は二冠牝馬ベガ、父はアメリカより輸入された種牡馬ティンバーカントリー。
ベガの初仔~3番仔はすべてアドマイヤ冠の近藤氏が所有しており、初仔アドマイヤベガは日本ダービーを勝ち、2番仔アドマイヤボスもGⅠ勝利こそないものの、GⅡセントライト記念を制している。

そんな名牝ベガの3番仔として生まれたアドマイヤドン。
新馬戦から無敗の3連勝でGⅠ朝日杯を制し、最優秀2歳牡馬のタイトルを獲得。クラシック戦線の有力株として3歳を迎えるも、初戦の若葉Sはまさかの3着。その後皐月賞をノーリーズンの7着、ダービーをタニノギムレットの6着、菊花賞をヒシミラクルの4着と苦戦。クラシック三戦を無冠で終える。

しかし、アドマイヤドンの本領発揮はここからであった。
菊花賞からわずか中1週で参戦したダートの交流GⅠ、JBCクラシックにて、これまでの鬱憤を晴らすかのような7馬身差圧勝を収める。
その後はチャンピオンホースとして数々のダートGⅠを制覇。特に安藤勝己Jとのコンビで地方交流含めダートのGⅠを5勝、その名を刻んだのである。

息の長い活躍をしており、ライバルも多かったが、特に同期ゴールドアリュールとの関係はドラマチック。
どちらも当時の日本を牽引するような強いダートホースだったが、ゴールドアリュールが早期に引退してしまったことから、対戦は(奇しくも日本ダービーを含め)3戦のみ。アリュールがアドマイヤドンに対し1勝1敗1先着であった。
アリュール無きダート戦線で獅子奮迅の活躍をみせるアドマイヤドンを見て、二頭の競い合う姿をもっと見たかった……。というファンは多かっただろう。

【もしウマ娘化したら】
ダービー馬アドマイヤベガの半弟としてデビュー。ジュニア級チャンピオンになるも芝では頭打ち、そこから突然のダート転向と爆発的圧勝カタルシス、そして砂の王座へ……。熱ッ!
ちなみに「アドマイヤベガ→アヤベさんの法則」に則ればアヤドさんと呼ばれるのだろうか。こちらも名字っぽいいい響きですね。

ウマ娘が長期コンテンツとなればいずれ「アドマイヤさん家のベガ仔三兄弟」とか見れそうかもしれない(書いてて思ったけど父が一人だけ違うってのはちと複雑か)

【来そう度】★★★★☆ 有力
リッキー、タルマエ、アキュートらの実装がまだ記憶に新しい中、今すぐの実装とはならない気もするが、さらなるダート戦線拡充を考えた時には真っ先に候補に挙がる競走馬なのは間違いない。
ベガ、ゴールドアリュールといった縁ある競走馬のウマ娘化が叶ったとすれば実装秒読みと言えるかも。


アドマイヤムーン

画像はWikipedia『アドマイヤムーン』より引用
Goki - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2253940による

父:エンドスウィープ 母:マイケイティーズ(母父:サンデーサイレンス)
主な勝鞍:07‘ドバイDF、07‘ジャパンカップ

【ざっくり紹介】
かのスイープトウショウやラインクラフトなど、数々の名馬を輩出した種牡馬エンドスウィープの第3世代にして、そのラストクロップの一頭。
3代母Ketiesの牝系にはヒシアマゾンエフフォーリアが属しており、恵まれた血統と言える。

札幌2歳S、共同通信杯、弥生賞を制し、鳴り物入りでクラシック戦線へと進んだアドマイヤムーンであったが、メイショウサムソンの二冠制覇を前に、皐月賞は4着、ダービーは7着に敗れた。

札幌記念を快勝した後、秋には距離適性の問題から菊花賞ではなく天皇賞秋に出走。1番人気にはスイープトウショウが推され、続く2番人気にはアドマイヤムーンと、エンドスウィープ産駒の二頭が人気を集めた。
アドマイヤムーンは上がり最速で3着に滑り込んだが、勝ったのは4番人気のダイワメジャーであった。

年が明け、古馬となって初戦の京都記念を勝利、その後好メンバーの揃ったGⅠドバイデューティーフリー(現ドバイターフ)を快勝。日本馬として初制覇だった。
同じく日本より参戦したダイワメジャーは3着であり、中東の地にて思わぬリベンジを果たしたのであった。

【もしウマ娘化したら】
ヒーロー列伝採用歴アリ、ジャパンCで逆襲のラストラン、メイショウサムソンやダイワメジャーなど名高きライバルにも恵まれたことから考えてもウマ娘との親和性は高そう。
個人的にはエンドスウィープという可能性の塊であった種牡馬のことをもっと語り継がれて欲しいと(勝手に)思っているので是非ともウマ娘で見てみたい。

【来そう度】★☆☆☆☆ 厳しそう
現役中に近藤氏からダーレージャパン(ゴドルフィンの日本法人)へ権利が移っており、権利的に一筋縄ではいかないかもしれない。
とはいえクールモアからモンジュー参戦の許可を取ったサイゲなので、実装は無理!と断ずるのも早計か。


アドマイヤグルーヴ

画像はWikipedia『アドマイヤグルーヴ』より
Goki - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2580006による

牝 2000年生(03世代)
父:サンデーサイレンス 母:エアグルーヴ(母父:トニービン)
主な勝ち鞍:03‘04‘エリザベス女王杯

【ざっくり紹介】
20世紀の日本を代表する大名牝エアグルーヴの初仔。
そして2代目の三冠牝馬スティルインラブ最大のライバル。
父は既にGⅠウィナーを数多く輩出していたサンデーサイレンスであり、ずば抜けた良血である。それもあり、当歳セレクトセールにて当時の牝馬最高額である2億4,150万円で落札された。
さらに主戦騎手となったのは母エアグルーヴと同じく武豊。黄金の布陣と言えよう。

エアグルーヴ産駒は気性難が多いとされているが(ポルトフィーノ、ルーラーシップなど)、彼女も例に漏れず一筋縄ではいかなかった。
桜花賞、オークスではどちらも1番人気に支持されるも、オークスでは特にイレ込んだこともあり、両競走の勝ち馬スティルインラブの牙城を崩すことは叶わなかった。

秋緒戦のローズSでは初めて2番人気となる。ここにはスティルインラブもいたが、伸びあぐねるライバルを横目にアドマイヤグルーヴが重賞初制覇
ローズSが評価され、三冠最後の秋華賞は再び1番人気に推されるが、前を行くスティルインラブを捉えきれず2着惜敗。三冠牝馬の誕生を前に、アドマイヤグルーヴは引き立て役に甘んじる結果となった。

次戦のエリザベス女王杯には最大のライバルである三冠牝馬スティルインラブに加え、昨年のエリ女2着馬ローズバド、生涯掲示板を外さなかった2001年オークス馬レディパステルなどが揃う中、アドマイヤグルーヴは2番人気に推される。
レースは秋華賞と同様、スティルインラブが仕掛け、それを後方からアドマイヤグルーヴが猛追する形になったが、ここでアドマイヤグルーヴが意地を見せハナ差差し切り勝利。その血の強さを証明し、牝馬の頂に立ったのである。

その後、勝ち星に恵まれなかったスティルインラブとは対照的に、アドマイヤグルーヴは牝馬戦線で活躍を続けた。
翌年2004年にエリザベス女王杯を連覇(ここでも2番人気だった)、2005年のエリ女もスイープトウショウが豪快にぶった斬る中、3着と存在感を示し、その年の阪神牝馬Sで圧倒的な人気を誇るラインクラフトを退け(これも2番人気)、優秀の美を飾って引退した。

繫殖牝馬となったアドマイヤグルーヴは第6仔として二冠馬ドゥラメンテを出産。そのドゥラメンテの仔たちが今の日本競馬を席巻していることはもはや語るまでもないだろう。

【もしウマ娘化したら】
トウカイテイオーやツルマルツヨシがシンボリルドルフの良き後輩となっているように、エアグルーヴの後輩代表として(あるいは滅茶苦茶手を焼かせる後輩として)登場しそう。

【来そう度】★★★☆☆ ぼちぼち
エアグルーヴはもちろん、スイープトウショウゼンノロブロイとも対戦成績があり、ウマ娘にすると面白そうな要素も十分ある。
とはいえこの馬を語る上で避けては通れないスティルインラブ、その他にも同期のヘヴンリーロマンスなどのウマ娘化の目途が立っていないというのも事実。
逆にそれらの競走馬がウマ娘化すればもう参戦秒読みではなかろうか。


エア(ラッキーフィールド)

既にウマ娘に登場する競走馬
・エアグルーヴ
・エアシャカール

エアジハード

画像はWikipedia『エアジハード』より
Goki - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=865209による

牡 1995年生(98世代)
父:サクラユタカオー 母:アイシーゴーグル(母父:ロイヤルスキー)
主な勝ち鞍:99‘安田記念、99‘マイルCS

【ざっくり紹介】
黄金世代として名高い98年世代の春秋マイル王。それがエアジハードである。
父はサクラバクシンオーなどを輩出した内国産種牡馬の星サクラユタカオー

素質馬として入厩するも、脚部不安や荒い気性(調教再審査処分も下った)が祟り、3歳秋までは雌伏の時を過ごした。
夏が明けると条件戦を2連勝しオープン入り。さらに次走のGⅢ富士S(当時は1400m)をクビ差勝利、重賞初制覇を飾った。

年が明け、4歳となって初戦は谷川岳S(オープン)に出走、1番人気に支持されるも2着敗退。これを受け陣営は主戦を変更、次走のGⅡ京王杯スプリングSには蛯名正義騎手を迎え、以降すべてのレースに騎乗した。
ここでエアジハードは4番人気に支持され2着。なお、勝ったのは前年の有馬記念馬であるグラスワンダーだった。

そして迎えた安田記念、1番人気は単勝1.3倍という圧倒的支持を集めた怪物グラスワンダー、2番人気に重賞2連勝中のキングヘイロー、3番人気に世界のシーキングザパールなど好メンバーが揃う中、エアジハードは4番人気に推される。
レースではそれまでの先行策ではなく、後方待機策。最後の直線でグラスワンダーが鋭く抜け出すと、外から馬体を併せてハナ差接戦を競り勝った。
見事、大金星を挙げたエアジハード。しかしながら世間の注目は「負けてしまったグラスワンダー」の方へ集まってしまったのだった(その後グラスは宝塚記念で鬱憤を晴らすかのような圧勝劇を見せる)。

秋、エアジハードは天皇賞秋を目標に据える。当初は札幌記念や毎日王冠を叩く予定だったが、脚元の不安などもあり直行での参戦となった。
エアジハードは5番人気に推され、最後の直線で一時抜け出すも外からスペシャルウィークステイゴールドに交わされての3着と健闘。敗れながらも、安田記念の勝利がフロックでなかったことを証明した。

続いてマイルチャンピオンシップに出走。ここでエアジハードはGⅠではじめて1番人気に支持される。2番人気には前走スワンSを勝ったブラックホーク、続いてキョウエイマーチキングヘイローが人気を集めていた。
レースでは逃げたキョウエイマーチを直線で交わし、並んだブラックホークを競り落とし、追い込んだキングヘイローを振りきってGⅠ2勝目。
史上4頭目(ニホンピロウイナー、ノースフライト、タイキシャトルに続く)となる同一年春秋マイル制覇を果たした。層の厚いマイル戦線において、その難しさは語るまでもないだろう。

その年の締めくくりとして香港カップへの出走が予定されていたが、脚の腫れたため回避、帰国後に屈腱炎が判明し競走引退となった。
種牡馬としては2010年安田記念勝ち馬のショウワモダンを輩出。親仔での安田記念制覇を成し遂げている。

【もしウマ娘化したら】
黄金世代の名マイラー。戦ってきた相手も文句なしの強さ。
4歳時のグラスワンダーに唯一土を付けた存在というだけで妄想が広がるが、外国産馬のグラスワンダーと父内国産馬のエアジハードという、ある意味で対照的な立場にあるというのも面白い。
グラスワンダーに勝ったエアジハードはスペシャルウィークに負け、そのスペシャルウィークは春秋グランプリでグラスワンダーの2着になっている。この三すくみのようなライバル関係、ウマ娘でも見てみたい。

【来そう度】★★★★★ なんでおらんのや!
前項で語ったとおり。
敢えていない理由を考えるとすれば、少し前まで「一つの冠名につきウマ娘は2人まで」(メジロを除く)という方針があったために後回しにされたのかなと思う。
また、「ジハード」という単語がNGという説もあるが、アニメ1期にて「ジハードインジエア」という仮名で登場してたため、その線も薄いように思える。
黄金世代にはまだ隠し玉がいるんだ……という感じで楽しみにしておきたい。


エアメサイア

画像はWikipedia『エアメサイア』より
TRJN - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=18926141による

牝 2002年生(05年世代)
父:サンデーサイレンス 母:エアデジャヴー(母父:ノーザンテースト)
主な勝ち鞍:05‘秋華賞、05‘ローズS(GⅡ)

【ざっくり紹介】
母は桜花賞3着、オークス2着、秋華賞3着と牝馬三冠戦にて善戦したエアデジャヴー
全兄にAJCCを勝った中山巧者エアシェイディ、叔父にはエアシャカールがいる血統。
デビューから引退まで一度も掲示板を外しておらず、12戦した中、複勝圏外に終わったのは2回だけだった。ちなみにすべて武豊が騎乗している。つよい。

デビューから4戦2勝で桜花賞へ出走。3番人気に推されていたが、エンドスウィープ産駒の2番人気ラインクラフトから約2馬身ほど開いた4着に敗れる。
次戦のオークスはスペシャルウィーク産駒のシーザリオが単勝1.5倍の期待に応えての勝利。エアメサイアはクビ差での2着だった。
3歳春は無冠に終わった。しかしラインクラフトはNHKマイルCを勝ち、シーザリオは後に米オークスを勝つ馬であり、相手を考えるならばエアメサイアも一線級の実力があったと言えるだろう。

秋はローズSから始動。ここで1番人気ラインクラフトを差し切り重賞初制覇
続いて最後の一冠である秋華賞、ここも1番人気に支持されたラインクラフト。対するエアメサイアはそこまで差のない2番人気に推され、完全に二強対決といった趣になった。
先団からまくって上がり、残り300m前後で早くも先頭に立ったラインクラフト。完封かと思われた中、後方からエアメサイアが猛追。
ラインクラフトもよく粘り後方に3馬身つけたが、エアメサイアがクビ差で勝利。ティアラへあと一歩手の届かなかった母エアデジャヴーの無念を晴らす勝利でもあった。

その後、エリザベス女王杯に出走。ここでは女傑スイープトウショウとの一騎討ちムードとなるが、古馬の壁は厚く5着。以後も勝ち星こそ挙げられなかったものの、牝馬戦線で安定感のある活躍をした。

4歳時のヴィクトリアマイルを2着で終えた後、爪の問題により長期休養。翌年、伊藤雄二厩舎の解散に合わせて引退となった。

【もしウマ娘化したら】
スイープトウショウの一世代下。
牡牝混合戦で活躍するスイープトウショウから勇気を貰う……みたいな絵がなんとなく見えますね(妄想)。
ちなみに彼女を管理していた伊藤雄二調教師はエアグルーヴ、ファインモーション、ダイイチルビー、マチカネタンホイザ、ウイニングチケットなどウマ娘化した競走馬を多く管理しており、そういった繋がりにもスポットライトが当たりそう。

【来そう度】★★☆☆☆ なんとも言えない
実績は十分だが、三冠を分け合ったライバルであるシーザリオラインクラフトがいないとなるとやや不完全な感も否めない。
とはいえウマ娘における牝馬路線、もといトリプルティアラ路線は比較的層が薄いとも思えるので、是非ともウマ娘化して欲しい。


あとがき

先日の凱旋門賞に得も言われぬ衝撃を受け、なんか長文書きたいなぁという衝動に突き動かされブワーっと書いてしまいました。
当初はもっと多くの冠名を扱う予定でしたが、文量が大変なことになってしまったので、1万字超える前を目途に一旦記事を文割しておきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。


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