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FIREから読み取る未来の可能性

あまりの情弱ぶりに恥ずかしくもありますが、最近やっとFIREという価値観を知りました。近年特にアメリカの若年層で広がりを見せる20・30代でアーリーリタイアを目指すことで有名なこの運動ですが、これを実現する人の価値観には色々と興味深いものがあったので、今回は取り上げてみたいと思います。

日本でも書籍が数冊出版されていますが、まだまだ一般には普及していないFIREには多くの可能性が秘められています。取り組む、取り組まない限らず、知っておいて損はない概念だと思います。

FIREとは

まずはFIREというものを認識しておきましょう。

F:経済的(Financial)
I:独立(Independence)
R:リタイア(Retire)
E:早期(Early)

簡単にまとめるのなら

最速で必要分のお金を集め、そのお金の投資で早期に経済的自立を果たす

というものです。

よく例として出されるのは、年間支出額の25倍のお金をまずは作り出し、そのお金を年利4%の投資運用で回していくものです。この4%は米S&P株の成長率7%からインフレ率3%を引いた数字です。

例えば年に400万の支出をするのであれば、その25倍。つまり1億円を作り出し、あとはそれを年利4%で回すことができれば働かなくても年間400万円の収入が入ってくるということです。

投資でリタイアを果たすことは全く新しい発想ではありませんが、ここで注目すべきはその生活費の低さにあります。例で挙げたように400万などの決して高所得者の水準でない分、早ければ20代ですらセミリタイアできるようになります。

このブームの火付け役であるPete Adeneyさんのブログ(英文)も貼っておきますので、詳細が気になる方はぜひこちらからご覧ください。経済が一定でなくても大丈夫なのか、なぜ4%が維持できる可能性が高いのかなど、細かい理由づけも書いてあります。

FIREの目的

さて、FIREがどういったものなのかをなんとなく理解していただけたかと思います。
しかし、ここでやはり考えておきたいのは、あくまでFIREは“手段”であるということです。

FIREという手段を使って達成したい目的は人それぞれでしょう。

・労働のような仕事から解放されたい
・最低限の生活保証を作っておいて好きなことにチャレンジしたい
・海外で生活したい
・ミニマムな生活がしたい

上記はほんの一例ですが、100人いれば100の目的があると思います。
コアとなってくるのは“経済的独立”を何のためにするのかということです。

この考えなしにただただFIREを目指すのあまり良い選択ではない気がします。


FIREの可能性

では、ここからが今日の本題です。
このFIREという事象が起きている背景には、やはり時代の変化というか、僕たちがこれから向かうであろう未来につながってくるのだと思います。

僕が思う注目すべきポイントはこの2つです。

① 人生に対する価値観の変化

この動きが若者中心に広がるのは、やはり価値観の変化・多様化が背景にあることは間違いないです。今までは60代まで企業で働いて、老後を悠々自適に暮らすのが一般的でした。

しかし、僕らの若い世代はだいぶ異なった価値観が広がってきていると、実感も含めてわかるようになってきました。

寿命延長・高齢化社会に伴う労働年齢の引き上げ、社会制度の限界、モノ消費からコト消費、仕事の多様化、ボーダレス社会など、ありとあらゆる要素が絡まって僕たちの価値観に影響が出ていることは間違いありません。

その形の一つとしてFIREが提唱されたのだと思います。

極論、FIREは物質的豊かさよりも精神的豊かさを選んだとも考えられます。

セミリタイア後に最小限で悠々時的な生活を送ろうと考えている人は、仕事で稼ぐお金よりも、時間というある種物質的ではないものの優先度が高いということです。

つまり何が言いたいのかというと、

今僕たちが生きている社会は形に見える状態ではなく、その背景に潜む根本的な価値観が大きく変わりつつある

ということです。
この流れの変化に気付けなければ、時代から置いて行かれます。

別にFIREをはじめとした具体的な事象は知らなくても大丈夫ですが、もっと根本的な価値観の変化にはついていっておかないと、速攻で時代遅れの人になってしまいます。


② 長期的という視点

FIREの考え方は、とりあえず人生全てを計算して出されたものです。それが合っているか否かは置いておいて、ここで大事なのは“人生全て”という”長期的視点”が前提になっているということです。


僕が日本の同年代に関して一つ感じることは、あまりにも短期的な視点で物事を考えている人が多いということです。もちろん海外に住んだことはありませんし海外に友達はいませんが、マネーリテラシーを始め、人生を設計する上で重要な要素を考える人が少ないと思います。

当たり前のように学校に行き、できるだけ大きな企業に就職し、その会社のために働き、周りと同じように休日を過ごし、老後を迎える。

別にこの人生が悪いといっているのではありません。僕が言いたいのは、様々な選択肢の中から自分で選んでその選択をしているか、ということです。

例えばお金を稼ぐ手段一つとってもそうです。企業に勤めて、投資をして、自分で事業を起こしてなど、本当に他種多様な選択肢があります。

にも関わらず、大半の人がお金を稼ぐためには就職して働かなければならないという固定概念に囚われていたりします。だからこそ、新しい方法を目の前にしても自分で一歩踏み出せず、同じ生活を繰り返し続けてしまったりします。

この選択肢の狭さの要因の一つに“長期的視点の欠如”があると僕は考えています。

投資の神様ウォーレン・バフェット氏とアマゾン元CEOのジェフ・ベゾス氏の対談で、ベゾス氏がバフェット流の長期的運用の素晴らしさに「なぜみんな同じ手法を真似しないのか」という問に対し、バフェット氏の「人間はゆっくりお金持ちになろうとは思わない」と返した話があります。

これが“長期視点”に関する結論であり、僕たちが可能な限り早く気づくべきことなのです。何も考えずに生活してしまうと、人は自然と目の前のことにしか注意が向かなくなるようにできているのです。

特に日本ではそもそもの投資の知識が欠如していたり、ライフスタイルが固定されていたりと、未来を見据える機会の乏しい国だと思います。先を考えなくても、前の人の真似をするだけで良くも悪くも生活できてしまうからです。

ただ、これからの時代は前述したように大きな転換期を迎えると思います。だからこそ、例え正解ではなくても未来がどうなるか、自分はそこに向かって今何をすべきなのか、ということを考え続ける必要があるのです。

まとめ

さて、今回もまとめていきます。

① 最近FIREというムーブメントが起きつつある
② FIREを通して価値観の変化を直に感じることができる
③ 人生設計において長期的視点は必要不可欠

FIREではなくても、最低限経済的に独立できる手段を持つことは必要不可欠だとは思います。なぜなら、経済的独立ができた瞬間に自分の選択肢が格段に広がるからです。このことに関しては容易に想像がつくかと思います。

一方で、これを逆手にして読み取ると、お金がネックになっている生活は想像以上に自分を制限しているということです。

みなさんも自分の人生はどうすればよりお金に縛られない方法にはどのようなものがあるか是非考えてみてください。


読んでいただきありがとうございます!僕の経験がみなさんの生活を少しでも前に進めることができれば最高です!サポートしていただいたことでできた経験はもちろんnoteに投稿します!