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アマチュアスポーツを続けるということ

長男(二番目の子)を生んでから始めたランニング、ちょうど彼の歳と同じ18年。2021年秋からのマラソンシーズンはインの奈良でコースが厳しいわりによく走れたので(グロス3:44:00、ネット3:41:15)行けるんじゃないか??と思っていたのが、北九州マラソン、大阪マラソンの相次ぐキャンセルにモーチベーションをうまく維持することができず、シーズンラストの名古屋でなんと初フル以来のワースト2という3:57:48を出してしまいました。。フルは練習、実力、精神力すべてが揃わないと結果が出せないので本当に厳しいのですが、それにしてもこの結果はひどすぎる。。と落ち込む日々。それにつけても、趣味のスポーツへのモーチベーションをどう保って、楽しく、しかもやりがいを感じながら続けられるかは私にとっての大きなテーマです。続けるということ、記録に挑戦するということについてランニングコーチとお話したので、備忘録です。

記録に挑戦するということ

『50を過ぎても速く!』という70歳のトライスリートが持久系スポーツをやるシニアアスリートに対して書いた著書があります。70歳を迎えたプロコーチが研究論文に広く当たり、自分でも試してみることで、70歳からでも持久系スポートのパフォーマンスをあげられるのか?に挑んでいる本で、その結果は、

パフォーマンスは実際に上がった!

しかし、その後に落ちがあって、

そのパフォーマンステストの4日後に自転車事故で怪我、そこで見つかった血栓の治療をすることになった。

そもそも自分が53歳になってトレーニングをやることが、加齢によるパフォーマンスダウンに追いかけられていて、プラスになっていっているというよりも、マイナスをなんとか帳消しにしているだけなんじゃないか?と思っていたので、50なんてまだまだ。60でも、70でも、

VO2max強度程度で高強度のトレーニングを行うこと
高負荷の筋力トレーニングを行うこと
必要に応じてトレーニング期の単位を変えること
頻繁にトレーニングの進捗度を測ること
食事、睡眠、回復方法について気をつけること

でパフォーマンスは上がる、というのはとても力強いメッセージなのですが、同時にやはり紛れもない事実として、年を取れば怪我や故障のリスクはどうしても上がり、それによって練習が中断してしまうことでパフォーマンスがかくんと落ちる、という厳しい現実があります。

私は2つのランニングクラブに所属しているのですが(それぞれの良さがある)そのうちの一つは、コーチご自身がしっかりと理論から学んだプロであり、しかもご自身が58歳で怪我も乗り越えつつ、それぞれの年齢でのパフォーマンスをしっかり上げておられる、というので、シニアアスリートの心をがっつり握っておられるクラブです。そのMコーチと長く続ける秘訣や、記録に挑戦することについてお話する機会がありました。

Mコーチが「記録に挑戦する」について語ってくださったこと
10年ほどはどの年齢から始めても、どんどん記録が伸びる可能性大(これは『50を過ぎても速く!』にも取り上げられています)
パフォーマンスが上がらなくなる、ということももちろんあるが、途中怪我で脱落していくことで勝者が残っていく。37歳にして世界最速のキプチョゲはその稀有な例の一人だし、最近の高速ランナーを見れば、変なフォームの人が淘汰されていることからも実証。
15年位は楽しく記録に挑戦しつつ続けている人も多いが、それを越えて楽しく、しかも記録にも挑戦し続けるのはなかなかに大変

これ、まさに私が感じていたこととも同じで、周りの60代、70代で頑張っている方、昔やっていた、いないはともかく、真剣におとなになってやりだしてからの走歴は10年以内の方がやっぱり多いです。
私自身も、ベストを出したのは走り出して10年目、46歳のときでした。私の場合はやっとずっと目標にしていた3時間15分を切った安心感と、ちょうどその年に目標にしていた大阪国際の足切りが3時間13分になったガックリ感とで心がポッキリ折れて今に至る、という感じです。記録に挑戦し続けるのは本当に難しい。

モーチベーションをキープするということ

アマチュアアスリートであれ、やはり記録に挑戦することは楽しいし、モーチベーションのキープに一番ストレートにつながるのではないかと思いますが、楽しんで続けられる理由はもちろんそれだけではない。他にも、記録以外の挑戦、例えばこのレースに出る、友人たちと練習を楽しむ、新しいウェアや靴を買ってそれを楽しむ、ランやバイクであれば旅ラン、旅バイクを楽しむなどいろいろな楽しみ方がもちろんあります。そのためにも、一緒に楽しんでくれる仲間の存在は、たとえ個人スポーツであってもとても重要。ただし、逆にチームの人間関係で躓いてやめていく人がいるのも事実で、どこかで割り切りや出会い、相性などが重要になってきます。

持続型スポーツ対技術取得(資格取得)型スポーツ

私は基本持続型スポーツに向いていたので(つまり、短距離、球技などは不得意で、さらに弓道、剣道、柔道などはやる機会に恵まれなかった)ついついスポーツの魅力やモーチベーションのキープでも持続型スポーツを念頭に考えてしまうことが多いのですが、周りを見ると人気があって高齢になっても長く続いているスポーツの筆頭といえばゴルフ、卓球、テニス。どれも一緒にやるコミュニティがあれば交友の場として続きますし、いくつになっても技術の取得が目標にできそうです。さらに必ず一定の人口がいる道型スポーツ、剣道、柔道、弓道。さらには私が漫画で知って興味津々。しかも先輩が今でも道に挑戦し続けておられる薙刀(『あさひなぐ』が素晴らしい)は、試合に勝つ、というのとは別に型を覚える、段を取るといった違うモーチベーションで長続きするようです。さらに剣道を長くやっている友人と話したときに剣道の魅力は?と聞くと、「とにかくやっている人たちが気持ちいい」 礼を重んずる道型スポーツならではの答えが帰ってきました。

走り続ける理由は何か?どうやったら楽しく走り続けられるのか?そんなことを考えてしまうのも、走っているときには考える時間がたっぷりあるからだと思います。そして、走ることを語った有名な本といえば

走ることについて語るときに僕の語ること』 村上春樹

昔読んで、今回ぐぐってみたら、村上さん、ちょうど私の20歳上なので73歳。村上さんはまだ走っているのか??と思って調べたら、走ってました!2020年にナンバーの取材を受けておられる。つまり走ることについて、を書かれた61歳の時から10年間は確実に走って70代を迎えられたということ。素晴らしい。2021年のインタビューでも「僕はね毎日、大体、欠かさず走っていますけど。」と答えられているので、現役ランナーなのでしょう。レースとか出ておられるのかな?

故障を越えて

ワースト2を出して終えた先シーズンを終え、今シーズンは夏場のランがイマイチのまま突入。マラソンも本数絞ろうと、去年の権利が回ってきた大阪だけエントリーしたら、なんと11月にまさかの梨状筋こじらせて歩けなくなり、座ってるだけで辛い状態からやっと抜け出したのが年末。地味にストレッチポールで身体をほぐし、なんとか走り出して1月末の大阪ハーフを完走。いよいよ今週末は大阪マラソン。
しかしここまで脚を悪くしたことで、逆に走ることが少しずつまたよりよく、という感触を得て、また距離を走らず、速く走らない分のんびり楽しく走ることが多くなってきて、走る楽しさを改めて感じています。不思議なもんだ。
ほとんど練習していない弟が年に一回の京都マラソンを今年も雨の中きっちり完走していて、なんでみんなフルマラソン完走できるんだ?という気分なのですが、久々の都市型レースだった大阪ハーフで応援される楽しさを思い出してしまったので、今週末もとにかく楽しくを目指して走ろうと思います。そういえば、アマチュアスポーツの楽しさの一つはめちゃくちゃ応援してもらえる、ということなのでした。大人になって人から「がんばれ~」と声をかけて貰える機会はほぼないので、走ること、レースほどみんなから応援してもらえる嬉しさは貴重。今週末もたくさん応援してもらえるだろうな。

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