走って、走って、立ち止まったら後ろにわだち(career)があった
#私らしいはたらき方 仕事が好きって珍しい?
専業主婦になるはずが
一人目も二人目も子どもを産んで3ヶ月で復帰。
二人目の復帰で戻ったときには、これから二人を保育園のお迎えに行って(送りは主人の担当)、ご飯食べさせて、お風呂入れて、本当に私、やっていけるのか??と思っていた。でも、出勤初日、家を出て歩きだし、ああ、ベビーカーも、手を引く幼児もいない。私フリー!の思いがけない開放感に、私やっぱり仕事好きなんやなあ、と認めざるを得なかった。
そもそもは、お料理上手、お裁縫得意な専業主婦の母を持ち、私も結婚したら、いやいや少なくとも子どもが出来たら仕事はやめるのが当然!と思っていた。鍵っ子なんてとんでもない。
新卒で入った外資系企業。一日目から仕事を任され、でもその分上司が真剣にしごいてくれる。まずは自分で考えろ、フィードバックを受けたらそこでまた考えろ。出す書類は赤ペンならぬ青ペン先生で真っ青。プレゼンの前には一緒に練習。
自分の意見をまず言え。最初に結論、次に理由。徹底的にビジネスの基礎を叩き込まれ、めちゃくちゃ大変だったし、プレッシャーもストレスもあったけれど、いつもワクワクドキドキしている自分がいた。
学生時代にディベートをやっていたおかげで、英語の討論は得意だったけれど、会議の後に上司に呼ばれる。
「M田(旧姓)、議論に勝つことが目的じゃないやろ。今日の会議の目的は何や?」
究極は市場でお客様に選んでいただき、競合に勝つこと。議論はその手段に過ぎないことを教えてもらった。
30過ぎて、自分はまだまだ結婚の気配もなかったけれど、部下が結婚。自分の部署を見れば女性の先輩は未婚か既婚でもお子さんなし。お子さんができた先輩は他のよりサポート的な部署に移られていて、「私も続けられると思えない」と部下に言われる。
本当にそうなんだろうか?
たまたま参加した女性対象の会社のセミナーで、同じ仕事をしている韓国人の女性に出会う。既婚、子ども二人。
「子育てしながら続けられるものなんですか?」
「続けられるか、続けられないかじゃない。自分がやりたいか、やりたくないか。やりたければ、必ず方法は見つかる。家庭は私に安定をくれ、仕事は私にチャレンジをくれる。私は両方欲しいの」
日本以上に儒教の国で、女性への役割期待が高いのに、なんとかやっている。ああ、ロールモデルがいない(この仕事だと出来ない、日本人だと出来ない)は自分の言い訳なんだな、と気づいて、肩の荷がおりた。
30歳で絶対に結婚したい!で、滑り込みセーフ。なんとすぐに妊娠。
しかし、同期の中でこの時点で最も出世が遅れていた私は、Up or Out(昇進するか、会社を去るか)という会社カルチャーの中で、崖っぷちにいた。
でも、考えようによってはピンチはチャンス。今の仕事を離れて、他の仕事で活躍できるかも!
長い間、右肩下がりで落ちていくブランドを担当し、いつしかあまりにそのブランドのことをよく知っていたので、上司としても外せない、でも、ビジネスの結果は出ていないので昇進のしようもないポジションにいた私は、これを一死回生のチャンスと捉えることに。周りのブランドの上司たちに、「半年後以降復帰しますので、どこか空きができたら呼んでください〰」と社内就活して産休へ。
声がかかったのは、娘が生まれる1週間前。。会社でもトップに入るブランドのマネージャー。やりたい!でも、まだ子ども、生まれてもいないんですけど。。3ヶ月は待てるけれど、それ以上は待てない。生まれたらすぐに連絡がほしい、と言われ、主人と母と家族会議。
主人:「どうせ戻るつもりなんだったら、3ヶ月も6ヶ月も一緒やん。(後で一緒ではなかったことに気づいて激しく後悔)」
母:「出来る限りのサポートはしてあげるから、頑張ってみたら?」
予定日過ぎて、めちゃくちゃ大変だったけれど、やっと生まれて、終わってみれば、私ピンピンしてる。子どもも健康そう。産院から「3ヶ月で戻るので、待っていてください!」と電話した。
その後の1年間、大変すぎて記憶がぶっ飛んでいる。それでも崖っぷちを無事乗り越え、私を呼んでくれた韓国人の上司がアメリカに赴任するに当たり、私を後任に昇進させてくれた。
3年後、二人目を妊娠。二人目のときこそ、長女ともゆっくり時間が過ごせるし、1年位は休もうと思っていたのに、その時やっていた仕事があまりに面白すぎて、
「3ヶ月で戻るので、空けておいてください!」
と直談判。で、冒頭のああ、私やっぱり仕事好きやな〰、に戻る。
仕事でワクワクするって当たり前じゃない
大変なのは当たり前。そもそも自分がちょっとマゾなのもあって(趣味はマラソンとトライアスロン)ヒリヒリするくらいが面白い。
ディベート好きはいつしか、人と意見を交換することでアイデアを膨らませていくことが大好きになっていた。だから、会社に行くのが好き。専門性のある人、仕事を好きな人と一緒に働くのが好き。
「毎朝、ワクワクした気持ちで会社に行ける」
そんな自分の目標が、いつしかそんな自分のチーム、そんな自分の組織を作る目標へと変わっていった。
それって絶対に出来ることだと思っていた。
でも、
仕事って、人から言われてやること。
上司に言われたことをいかに正確にやるかが自分の役割
ワクワクするっていうのがよくわからない。
という反応にたくさん出会って、ああ、昔の私みたいに、会社の中に目的を持ってしまうと面白さ半減。本来のビジネスの目的である、外への影響を一人一人が感じられないと面白くないんだな。よく出来たことは褒められ、だめなところは注意を受けられる環境が大事なんだな、と自分が育った環境が決して当たり前ではなかったことに気づく。
「仕事が好き」を当たり前にするために
上司の皆さん、上司次第で部下が仕事を楽しむことはできますよ。
部下の皆さん、目的に納得のできない仕事をさせられているなら、声を上げましょう。
だって、仕事って、こんなに時間も、エネルギーもかかるんだし。仕事を続けることで得られる成長は、学生時代の何倍にもなり得るんだし。
走って、走って、立ち止まったら後ろにわだち(career)があるためには、正しい方向に走ることを、最初はちゃんと確認してくれる所でスタートしなければいけない。
ゴールがちゃんとある所で走り出せたなら、がんばったらがんばった分だけ面白いはず。
そうなったら、仕事が好きってきっと思えます。
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