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88 白川英樹博士の講演に感動する

10/1は筑波大学の創立50周年、明治政府が作った東京師範学校から数えると創基151周年、の記念式典があったのですが、記念講演として白川英樹名誉教授がお話されたことがツボすぎて、感動でした。Yahooニュースでも取り上げられています。
なぜ化学がおもしろいと思ったのか、研究分野や研究者の多様性がどのようにイノベーションを生むのか、というご自身の経験に基づいたお話は、これから研究に進みたい、また研究者と一緒にイノベーションを作っていきたいと考える人全てにワオ!と思う気持ち、そうだった!ともう一度思える気持ちを呼び起こしてくれたものでした。

痛快だったのは、やんわりとした日本の研究開発戦略に対する批判。これだけ予算が膨らんでいく中で、どんどん大学に対する運営交付金が減らされ、結果的に大学が(本来は「象牙の塔」として、社会がどうあろうともこの領域を突き詰めていく、という信念に基づく研究が必要なのにもかかわらず)企業が「今」求める短期的成果を出せるような実践的な研究開発資金獲得をせざるを得ず、結果的に基礎研究力がどんどん弱まっている、という現状に警鐘を鳴らしていただき、このくだりには大学関係者のみならず、研究に少しでも関わる人たちは「やったー」とこぶしを上げたくなったのではないか、と思いました。私も心からそう思います。もちろん大学の自走は大切ですが、色々がんじがらめにしておいて自走しろ、は今ひとつ戦略性に欠けると思っています。

白川先生本当にお元気でした。どうぞこれからもお元気で活躍いただきたい、と心から思いました。


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