日本は「進歩」しているか

どうやら世界は「進歩」しているらしい。

私の手元に1冊(正確に言えば上下巻の2冊)の本がある。スティーブン・ピンカー『21世紀の啓蒙』(草思社、2019年)だ。

「進歩とは何だろうか。」著者はそう問いかける。

難しい問いかけのように見えて「これほど答えるのが簡単な質問もない」という。「ほとんどの人は死より生がいいと思ってるはずだ」とピンカーは切り出す。「同様に、病気より健康が、飢餓より満腹が、貧困より裕福が、戦争より平和が、危険より安全が(中略)」と多くの人々が望む暮らしの状態を列挙する。また「これらの項目はすべて測ることができる」とし、時とともに後者が増えていればそれが「進歩」なのだという。なるほど。

さらに「これらの価値には世界が同意している」ようだ。2000年に国連加盟国の189か国とそのほか国際組織らが「ミレニアム開発目標」を掲げ、これら目標を15年までに達成することに合意したが、その目標こそが先に挙げたリストであるからだ。そしてこれらの指標すべてにおいて「世界は目を瞠るほどの進歩を遂げて」おり、さらに「それを知る人はほとんどいない」というではないか(上、108-109ページ)。

わ!知らなかった。知りませんでしたよ。そんなこと。学校の先生も、テレビのコメンテーターも僕に教えてくれなかったよ。授業をまともに聞いてなかったから?テレビ見ないから?目玉が飛び出る衝撃です。世界が悪くなっているとは思わなかったものの、そんなに世界がよくなってるとも思ってみませんでした。コロナのせいで気持ちはふさがってるし。

この本は各種統計データを用いて、その世界の「進歩」を証明していく。それは驚きの連続です。

と本を読み進めていくうちに思ったのが、「日本単体で見ると、どうなのさ」。である。日本はもともと豊かな国、先進国とされてきた。頭打ちではなかろうか。世界の人々の平均寿命は延び、所得は増え、戦争は減る。それはそれで素晴らしいのだが、高齢社会で、非正規雇用が問題になり、戦争をしばらくしていない日本はどこか過去より「進歩」してる部分はあるのか。

マンちゃん(本noteの筆者)は20代。「失われて〇〇年」という日本しか知らずに育ってきた(慢性的な便秘にも悩んでいる)。世界全体として「進歩」してても、日本が取り残されていたら、この本を読んで「よっしゃああああ」と浮かれるわけにもいかない。本の著者は、ハーバード大の先生で、どれほど日本にゆかりがあるのかは存じ上げぬが、日本に関係する記述が豊富な本というわけではない。

そこで、マンちゃんは決意する「僕が、調べればいいんでね?」。出来上がったのが、このnoteである。しかし、このページを書いている現在は、まだ何も調べていない。当該著作を読んでいるだけである(進行形に注意。まだ読み終わってないのだ!)。鉄は熱いうちに打て。その言葉を胸に文章をしたためている。

noteのタイトルは適当だ。これからいくつもの項目(日本は平和になったのか、日本人は幸福になったのか)を自分で調べて、日本が進歩したのか、それとも退歩しているのかを、この場で記述しながら確認したい。その作業はさながら旅のようであろう。新たな発見の連続で、目的地を多少変えることもあるかもしれない。「日本進歩の旅」。旅を終えてこのnoteのタイトルが「日本すごいぞ!大躍進」になるかもしれないし、「グッバイ、日本w」になるかそれは僕にもわからない。

自分の知識のなさや、理解力のなさを披歴することになる。この文章を読んでくださっている方で、僕があらゆるところから漁ってくる資料の読み方、分析の仕方に誤りがあったら指摘していただけると幸いだ。そしてマンちゃんは仕事をしている。更新は不定期必至。温かく見守ってほしい。

最初は何から取り組もう?そう思いながら、ベッドに横になり、昼寝を始めるのだった。

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