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Venus of TOKYO 終えて。NYCとその先へ繋げる

約10ヶ月に渡ったDAZZLE主催日本初イマーシブ常設ロングラン公演

Venus of TOKYO. 盗賊役を務めさせていただきました。

たくさんの応援、メッセージ、愛を本当にありがとうございました!!!!!

どこまでも感覚派の私ですが、それも自分の表現に輝きを与えるエレメントですがもう一つ次へ表現を深めたいので言語化して自分自身を俯瞰する、客観視するワークが今とても自分にとっては大事。日本語も英語も両言語でやっていくことが次へのステップの鍵だと思います。

なので長くはなりますが、ここにてVenus of TOKYOを終えての今、田中真夏として思う所を書き綴っていきます!!!


イマーシブシアター俳優であり続けたい

NYCではイマーシブシアターが大人気で大手のSleep No MoreやThen She Fell(こちらはコロナで終演してしまった泣)から小劇場団体や自主公演でイマーシブ作品が次から次へと生まれているほどの繁華街っぷりで、コロナで全てが閉鎖してしまった2020年3月の直前もちょうど私は新作イマーシブ作品のオリジナルキャストとしてプレビュー公演が終わって本格的に上演していこうというところでした。

初めてイマーシブを観劇したのは大学2年生の時でやはりSleep No Moreにすんごい衝撃を喰らい、ダンス公演に脚本や芝居や同時多発アクトシーンといった奥深さが今まで見たきたものや出演した作品のどの形態とも違った世界に魅了されました。その時からダンサーという職業の中でもイマーシブシアターで活躍するダンサー、もっとチャレンジングな夢を表明すればSleep No Moreのキャストになりたいという火が発火していました。

NYCでは2019年6月からロングランでZeroSpaceというイマーシブシアターのキャストとして30人ほどのカンパニーで演じていました。異次元と異次元の架け橋みたいな設定で、キャストは未確認生物体Entity役と異次元特攻隊組役の荷役を兼任していました。


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また同年の9月はNY州のSyracuseエリアで今まで参加した中では一番Sleep no Moreに上演形態が近い、Pansy Crazeというイマーシブに反逆者役として参加させていただいておりました。

Pansy Crazeはナチス主義が進むドイツで1930から1933の三年間の社会変動の下、地下クラブを心の拠り所とするドラァグクィーンやLGBTQIA+コミュニティの実在した若者達のパーティ現象の総称。

ダンサーとしての参加だったのですが、ドイツ語と英語での歌と長台詞、クライマックスの発狂一人台詞...(上の動画では6;00くらいから始まります、お芝居ですので大丈夫です。びっくりしないで見てね汗)盛りだくさんの3時間の公演でした。

この反逆者ちゃんはVenus of TOKYOの盗賊ちゃんと比べられない位思い入れのある役です。4月にPansy Crazeでのイマーシブ経験をまとめようと思います.......

とにかく、ミュージカル劇団育ちの私は役と向き合って見えてくる人間性や自分自身のこと、田中真夏という人間がもしこの世界線、空間で〇〇役として人生を送っていたらどうなるのかなという風に考え深める作業が好きなので、ダンス公演やダンス作品でも演劇的な流れや役があると燃えます。

劇場公演では舞台と客席の間に”the fourth wall'(役者と観客を隔てる境界線。日本語ではなんて言われているのでしょう?第四の壁のままでいいの?)が物理的にありますが、個人的に表現で大事にしているのは舞台と客席間のエネルギーの交換なので、the fourth wallの柔軟性でオーディエンスの皆様とのエネルギーシェアや感情の共有や時空間が如何様にもなる上演形態のイマーシブシアターはまさに私が表現者としてやりたかったずっと探していたことにクリティカルヒットしたものだったのです。

NYCではご縁がご縁を呼び、ZeroSpace, Pansy Craze, そして本格的上演にはならなかったThe Church of Strangersという三作品に関わらせていただいており、日本では日本初の試みロングランのVenus of TOKYOという素晴らしい作品にも参加させていただいて、私のイマーシブシアター俳優でいるという夢の路線はいい感じに進んでいっているのだと思います。

この先もイマーシブシアターを軸にやっていきたいと強く思いますし、天職と心の底から思います。

その為にこれからやっていきたいこと、やるべきことがはっきりしてきました。

表現者としてここからやっていきたいこと

RPGゲーム風(主にゼルダブレワイを思い浮かべてます)に言うと今私の表現者ポケットの中にある武器とか薬草は(修行中、仕事にしてるもの含めて)

ダンス、殺陣、アクション、歌、エアリアルシルク、芝居。

主人公まなてぃリンクが戦えるフィールドはイマーシブシアター、ミュージックビデオ、コンテンポラリーシアター....

挑戦したいフィールドはミュージカル。

さらにマスターモードにしてラスボス倒す側じゃなくてもはや倒されないラスボスになりたいフィールドはイマーシブシアター。


...具体的にはこう言うことです。

・イマーシブシアター作品内でのアクション振付(ファイトキャプテン)
・イマーシブシアター作品内でのエアリアルシルクパフォーマー
・日本でもNYCでもイマーシブシアターに出演する、DAZZLEイマーシブシアター作品に出る、Sleep No Moreでる、punchdrunk 作品でる、さらにはいつか発祥の地ロンドンでイマーシブ出る

その傍ら、特に日本でのコンテンポラリーシアターで現代の身体として現代社会へ提示し続ける仲間や橋本ロマンスさんのようなアーティストディレクターとともにコンテンポラリーとは何か、踊りとは何か、エンターテイメントとは何か、アーティストとは何か、日本の芸術や舞台に対する価値観の変革に貢献していきたい。

ソロ作品作るのももっと活発にしていきたいです。

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大学の頃は「凄い人」たちは手の届かないところにしか存在してなかったのに日本でもNYCでもどんどん身近な仲間たちが「凄い人」たちになっていっていて、確実に私のバトルフィールドはレベルアップしている。ワクワクする。

ここからやるべきことは。

日本では種まきと武器集め、NYCではトレーニングと実践の場がたくさんあるから二年間で充実させた自分の引き出しをバンバン開けて引っ張り出して磨いていく。

DAZZLEのお兄さん達から学んだこと

日本独特の日本初の常設ロングランイマーシブシアターを作り上げたアーティストたち。尊敬しかありません。

偉業を成し遂げたお兄さんたちから学んだのは常に「学んでいく姿勢」だなと思いました。

みんなで常に可能性を探り合って、お互いに知っていること、秀でていることを互いに分け合って教え合って、また受け取るのも常に感謝と「〜を実現させたいからそのためにはこれはどうするの?」と言った学ぶ姿勢が生み出される大作の鍵なのかなと勝手ながらに思います。

何事もですが、やはり歳を重ねるにつれて学ぶ姿勢の新鮮さ、教えていただけることの感謝とか姿勢って薄れていくことが多いと思います。長く続けているものほど初めて何かを学んだ時の感動とか新鮮さとか謙虚さって薄れやすいなと今までの大学の同級生や身近にいた方々を見てよく思います。でも学ぶ姿勢こそ、いつでも新しいこと新しい考え方、自分にない価値観を更新していくことが自分自身の活動の深化につながると私は信じています。

自分が経験を重ねて熟知しているものは謙遜することなく、自慢するでもなく、必要とされたら共有する。

どんなにキャリアがあって年数重ねていても時代とともに価値観は更新され続けていくのだから、常にオープンマインドで全てを理解できなくても「あーこういう考え方があるんだ!こう言うやり方もあるのか!」と学ぶ姿勢受け入れの姿勢ができる方ってすごくかっこいいなと思います。

それはDAZZLEのお兄さんたちが常に見せてくれていました。

私は今30になった自分も想像がつかないのですが、もしもDAZZLEのお兄さんたちみたいに40まで生きることができて、クリエイターとしてアーティストとしての景色が見えることがあれば、私はDAZZLEみたいな大人たちになりたいなと強く思います!

そして長い間、大人が嫌いだった私にとって「こういう大人になりたい」と思える方々が身近にいて繋がりができたのは何よりも大きな宝です。

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ここでできた仲間達へ

日本で初めてのロングラン、初めてのカンパニーとしての仕事...

12年アメリカ、13年日本生活を行ったり来たりした私は両方のカルチャーがホームであり、時に両方の国でカルチャーショックを起こします笑

多分私と言う人間は日本ではあまり見かけないタイプの人間だとは十分自負しておりますし、最初すごく人見知りで誰とも喋らないくせに一旦心開くとマジでうるさいやつに化けの皮はがすていうギャップも凄いし、色々びっくりさせてしまった方々もいらっしゃるかもしれないと思ってます。

また日本の現場独特の空気感とかカルチャーもあって、それは私にとって知らないことばかりでよく胃痛になっていましたが、同じくNY生活が長かったほのみシェフや未来の女のさゆりさんがいつも明るく助けて大丈夫大丈夫!と言ってくれて本当に助かってました。

2020年コロナでNYCでの仕事が全部飛んでやることがなくなってしまって日本に帰ってきた時は大学もNYだったため、この業界での知り合いもいないし居場所がないなって寂しく思っていて、本当にイマーシブができるなんて思ってなかったでしたし、カンパニーを通して深い強い絆で結ばれた仲間たちがこんなにたくさんできるとも思ってなかったです。

日本であわよくばコミュニティとコネクションができたらいいな。。。なんて思ってたけれどこんなに恵まれた環境に置かれて、バックグラウンドもジャンルも様々なところから集まった大切な仲間ができて、日本にも「戻る場所」ができたのが本当に嬉しいです。

だから日本では希少種のような人間、田中真夏と繋がりを持ってくれて、受け入れてくれて、「戻る場所in japan」となってくださったVoTキャストメイト、本当にありがとうです!

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応援してくださった皆様へ

達也さんも何度も私たちにお話ししてくださいましたが、どんなにいい作品もやはり観てくれる人、気づいてくれる人がいなければアウトプットされずに内輪だけで終わってしまう寂しい作品となってしまいます。

Venus of TOKYOは応援してくださった皆様が盛り上げてくださったからこそその相互反応で少なくとも私はアクトを変えたりアドリブで遊んでみたり役を深めることに大きくインスピレーションを受けたと思います。

メッセージを送ってくださったり、ツイートしてくださったり皆様も観劇して没入してのアウトプットを積極的に愛を込めてしてくださっていたので私たちもそのアウトプットされた愛を受け止めて次の出演につなげることができました。

私は俳優の田中泯さんの言葉でとても大切にしてる引用があります。

「観客とダンサーとの関係というのは、わたしの中にもあなたの踊りはあるかもしれないという感覚を交換(交感)することで、交感はダンスの重要な要素だと思う。」-田中泯

まさにVenus of TOKYOはclub VOID内での登場人物の交差する目的と感情だけでなく、台本上の2Dの交差が演出と構成によってイマーシブ作品となり3Dと立体化され、招待客の皆様とVOTの住人との交感が成り立って、さらに4D, 5Dの効果が生まれた稀な作品だと思います。

愛のある皆様を引き寄せたDAZZLEの長い積み重ねがあってこそなのですが、このVenus of TOKYOに参加させていただいたありがたさを噛み締めながら応援してくださった皆様に私にこのような観客-演者のrelationshipと交感を経験させてくださって本当にありがとうございました!!!!!!

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次はNYC!!

ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!!!

私は2021年末にアメリカでアーティストとして働けるビザ、通称アーティストビザが受諾され2024年5月まで有効なのでここから先はNYCに足を伸ばしながらの活動となります!

なので!!!!

2022年

今〜6月初旬 NYCにてコミュニティandコネクション再活性化

7-8月 日生劇場 エリサと白鳥の王子たち 

8-10月 神奈川県民ホール 平原慎太郎演出オペラ 

10月よりNYC拠点移動!!!!!

といった流れに乗っております!!!パンデミックで一時的に失ったものが今着実に前よりも強く確実に戻ってきている実感があり、自分の先にあるポテンシャルにワクワクが止まりません!

ここから表現者として精進あるのみです。

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出演・チケット情報配信

出演・チケット販売開始日時など先行配信!! Manatsu真夏公式LINE
!!大リニューアル!! Official Website 
チケット予約リンクページ Manatsu Tickets

                             田中真夏

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