山手線を歩いて一周した話

はじめに

「山手線一周したい」
友達から脈絡なくLINEが来た。

そのときのLINE

周りの大学生、結構山手線歩いてる気がして、自分もいつか歩いてみたいな〜とは予々思っていた。一周を調べてみると、ルートにもよるが40~50kmほどだそう。ぼくの母校の岡山大安寺中等教育学校というところには、「長距離ウォーク」なる行事があり、朝から晩までかけて50kmくらいを歩いた経験があったので、肌感として、まあ歩けんことはないか、という数字であった。

結局、タイミングとしては6月1日の土曜日に歩くことになった。歩くのを決めたのは前日。こういうのは、急に決めて急に歩き出すのがいいと相場が決まってる。金曜の夜に歩き出す案もあったが、雨が降るのはさすがに渋いか、となって土曜の朝出発にした。

事前調べ

まあ、無計画に歩く距離ではないので、あらかじめルートとか、すでに一周した人の感想とかを調べることにした。

以下のブログを参考にさせていただいた。

また、具体的なルートについては、次のサイトを参考にさせていただいた。(どの駅からでも走れる!と走る前提みたいな書き方だけど、まあまずは歩きで行くことにした)

これらの情報源から、ざっくり次のような点を参考にさせていただいた。

  • 所要時間は休憩も含めて12時間を目安とすること

  • 荷物は極力最低限にすること

  • 足の疲労を軽減する工夫をすること

  • 各駅で写真を撮るのがレギュレーションっぽい?こと

具体的に持っていった荷物は次の通り。
現金3000円、ハンカチ、家の鍵、スマホ、モバイルバッテリーとケーブル
ポケットに入るものに抑えて、基本は手ぶらで歩けるようにした。完歩してから思うことには、ここまでストイックに荷物を減らす必要はなかったなと思う。

出発!!

出発駅は、諸々の都合を鑑みて上野駅から、そして外周りで回ることにしました。

行程は次の通り。

上野駅:6時23分
鶯谷駅:6時36分
日暮里駅:7時1分
西日暮里駅:7時16分
田端駅:7時37分
駒込駅:7時57分
巣鴨駅:8時10分
大塚駅:8時25分
池袋駅:8時54分
目白駅:9時18分
高田馬場駅:9時33分
戸山公園(休憩):9時41分
新大久保駅:10時23分
新宿駅:10時41分
代々木駅:11時1分
原宿駅:11時21分
渋谷駅:11時38分
恵比寿駅:12時6分
お昼ご飯休憩
目黒駅:13時27分
五反田駅:13時44分
大崎駅←写真を撮り忘れてしまったため時刻分からず、、、
品川駅:14時25分
高輪ゲートウェイ駅:14時40分
田町駅:15時28分
浜松町駅:15時49分
新橋駅:16時11分
有楽町駅:16時33分
東京駅:16時52分
休憩!
神田駅:17時57分
秋葉原駅:18時11分
御徒町駅:18時30分
上野駅:18時46分!

感想

まずはジェネラルな感想をいくつか。

結構疲れるけど、思ったほどではない。
一周だいたい50kmくらいらしく、まあその程度なら多少足が痛くなって、次の日筋肉痛で歩きづらいくらいで済むらしい。まだぼくは若いということなんだろう。

マンネリ解消必須
同じ人間と12時間いて、途中疲れてきたりすることを考えると、最後の方は結構飽きてくる。話も尽きてくる。なので、マンネリ解消は結構大事なのかもしれない。今回は途中から合流してくる人がいたり、途中で抜ける人がいたりして、メンバーに入れ替わりがあったので、そんなに飽きなかったのかもなーと思った。まあでも12時間くらいならぼくは喋り続けられるんだけど、相手がそれを面倒見てくれるかどうかはまた別の話なのかな。

個別具体で、印象に残ったことも書いておく。

東京への解像度が上がった気がする
あー、このへんは緑が多いな、とか、子供がよく歩いてるな、とか、変な鳥がいるな、とか、東京にもいろんな場所があるんだなと再確認できた。既に行ったことがある場所でも、改めて歩いてみると再発見があったりする。

印象に残った話題
まあ12時間もあればいろんなことを喋れるもので、そのなかでも何個か印象に残った話題をピックアップしておく。
まず、「アボリジニの人は土地に記憶が宿るみたいな考え方をするらしい」という話。このnote記事を紹介してもらった。これは、実際に山手線を歩いて、各駅で思い出を残したり、思い出を想起したりしている自分たちの境遇にもリンクする部分があるし、7月末にオーストラリアに行こうとしているという点でもリンクしていたので興味深かった。
あとは、「面白いと思う人」の定義とか、「なぜ宗教が存在しているのか」とか、ざっくばらんに色々喋ることができて楽しかった。こういう話をするたびに、文学とか宗教学とか、幅広い教養を持っていると楽しいんだろうな〜と思う。

歩くということについて
自転車でも、車でも電車でも、今の世の中は移動する手段が無限に存在している。最近ならLUUPとかもあってますます便利になっている。でも、移動手段として「歩く」の存在感は半端ない。なぜ人々は歩きたがるんだろう、そしてなぜ「歩く」という行為はこんなに気持ちいいんだろう、とか、「歩く」という行為そのものについても思案を巡らせる時間があった。
結論、よくわかんない。でも、もうちょっと考えてみたい。

おわりに

いつか歩いてみたいな〜と思っていた山手線一周を、誘ってくれる友達がいたおかげで実現することができた。持つべきものは変な誘いをくれる友達だと思う。

ただ12時間かけて50キロ歩くだけ、と言われればそれまでだが、12時間という時間の使い方としてはかなり満足度が高かったように思う。また歩いてみたい。

そして、山手線一周した話を後輩としていると、「早稲田100ハイ」なるものの存在を教えてもらった。早稲田の伝統行事?みたいなものらしく、1泊2日で120キロくらい歩く行事らしい。少し調べてみると俄然興味が湧いてきたので、来年度参加してみようと検討している。

また、100ハイについて調べていると、恩田陸の『夜のピクニック』について言及している方がいた。高校生たちが夜通し歩くという物語で、「歩く」という行為について思案を巡らせる上ではとてもよい資料なのかもしれないと思ったので、早速ポチってみた。暇な時に読んで、感想をnoteとかに書きたいと思う。

まとめると、山手線一周は結構楽しかったので、みなさんぜひ!!!という話に落ち着くんだろうか。


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