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ピンとこない台湾料理 ユニークな中国語辞典

今日のお昼時のこと。
ベトナムフォーを外帶(テイクアウト)に出かけた夫くんからLINE電話が鳴った。
「ベトナム料理が定休日だったから、(豚肉フォーの代わりに)豚肉まぜそばでいい?」
「いいよ」と応えたものの、料理イメージが沸かず、少し違和感があった。
普段、メニュー名は日本語で思考していないからだ。

結局、夫くんが買ってきたのは、牛肉麺のお店の「豬肉乾拌麵」だった。
確かに日本語に訳すなら「豚肉まぜそば」で問題ないのだが、約3年台湾・台南で暮らしてきた中で、飲食店のメニューは原文のまま料理イメージと一緒に頭にインプットしているわたしにとっては「豬肉乾拌麵」は「豬肉乾拌麵(ジューロウガンバンミェン)」なのであって、決して「豚肉まぜそば」という言葉ではピンとこない料理なのだ。

この件で思い起こされるのが、台湾人がピンとこない「台湾」の名を冠した料理のことである。
それは、日本の名古屋にある。
名古屋発祥の「台湾ラーメン」や「台湾まぜそば」のことだ。

ちょうど今日、その件についてフリージャーナリストの野嶋氏がnippon.comへ記事を寄稿されていた。

この記事では日本で生まれ育った台湾人である味仙創業者が紹介されていたが、実は戦前戦後から日本社会に住んでいる台湾人は少なくない。彼らは日本社会に見えない形で溶け込んでおり、このように陰ながら活躍している方が大勢いるのだ。

わたしが人生で最初に出会った二人の台湾人のうち、一人は50年以上日本で研究生活を続けてこられた大学教授だった。この方も、陰ながらすばらしい活躍をされている方だ。

先生は『50音引き基礎中国語辞典』の編著者の一人なのだが、大学生のとき、この辞典を使ってみて驚いた。中国語の漢字を音読みで引ける辞典なのだ。日本人の使い勝手に寄り添う画期的な中国語辞典だった。しかも、メジャーの簡体字中国語の漢字だけでなく、台湾や香港、マカオなどで使用されているマイナーな繁体字中国語の漢字が併記されている。
わたしはすでに電子辞書が幅をきかせていた2013年、この辞典と一緒に台湾に渡り1年間中国語(台湾華語)を学んだ稀有な学生だった。

最近、この辞典の文庫サイズ版が出版された。台北のジュンク堂書店で見かけて驚いた。持ち運びやすさも加わり、ますますユニークさを増した辞典、ぜひ手にとってみていただきたい。

余談だが、先生のお名前を音読みすると元祖日中ハーフの偉人と同じ音「テイセイコウ」となることを今になって気づいた。

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