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「あるがままの他人を受け入れる」

 先日ミュージカル「キンキーブーツ」を観劇した。当作では女性に強い憧れを持つドラァグクイーンのローラが生まれた時の性別であるサイモンとの間で在りかたを探す。「あるがままの他人を受け入れる」ことがテーマの作品だ。

 LGBTQという言葉を聞いたことがあるだろうか。近年、同性愛や性同一性障害が明るみに出てきた。ずっと前から存在はあったが最近になり権利の主張や多様性を認めることについての声が上がってきた。

 海外にはLGBTQを主題とした様々なミュージカルや映画がある。それらの作品は日本に渡り日本語で上演されている。そして動員を得ている。男女とも幅広い年齢層がお金を払って作品を楽しんでいる。楽しまれている反面日本人のLGBTQに対する容認意識は低い。存在は知っているが、性的マイノリティについて少し冷たいのではないかと感じている。

 そんな中、京都の虚空蔵法輪寺で性的少数者が中心のメンバーが主にクラブで行ってきたイベントが開かれたという記事を見た。レッドカーペット上でダンスの技量を競い派手なメイクと衣装をまとうドラァグクイーンらが本堂を舞台にきらびやかなショーを披露したとのことだ。

 お寺という神聖な場所とドラァグクイーンの親和性は良くないように思える。しかしこういった機会から見物客や地元の人々はドラァグクイーンやLGBTQの存在を知ることが出来る。性的マイノリティを持つ人が周りにいないから、と決めつけているかもしれないが多くの人がカミングアウトをしていない。そのため身近な行事で存在を知ることが出来ることは良いと考えた。

「あるがままの他人を受け入れる」一見ごく普通のことを言っているようだが自分の身に起こったときに自分はそう振る舞えるだろうか。ローラはこの思想を持ち周りの人々を変えた。また、この教訓は性的マイノリティを受け入れるという意味だけではなくこの世に生きている誰のことにも値するのだ。

 私はこの作品を通してLGBTQについて考えるきっかけになった。今後も日本ではLGBTQをはじめとするセクシュアル・マイノリティの存在を社会に広めるイベントが開催される。東京レインボープライド、レインボーフェスタなど検索すると日本各地での開催情報を見つけることが出来る。私はたまたまストレートとして生まれて生きてきたがいつ自分自身の考えが変わるかはわからない。時代と共に多様性が受け入れられるようになることを望んでいる。



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