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第8回闇キャンプ 後編★久しぶりのキャンプに弾けるメンバー 止まらないハプニング【宇和島市・グリズリーBBQ&CAMP】

【前回までのあらすじ】
密を避けながらお花見キャンプができる場所はないか。県内のキャンプ場から候補として挙がった2箇所のキャンプ場に手分けしてロケハンに繰り出した闇チーム。
吟味の結果、今回のキャンプ場として宇和島市吉田町にあるオープン間もない「グリズリーBBQ&CAMP」に決定した。
後はキャンプ当日に向けてそれぞれが準備をするだけだったが、キャンプ場の素敵さに我慢が出来なくなったリーダーならびに、GOTO、ディレクターの3名が「下見」と称して抜けがけデイキャンをすることに。
久しぶりのキャンプにいつも以上にはしゃぐ3名。キャンプ場へと続く道を唯一知っている闇メン随一のクレージーナビゲーター・GOTOの珍妙な道案内にも惑わされつつも、奇跡的にキャンプ場までたどり着いた。
受付を済ませて、いざ久しぶりのデイキャンプがスタートした。

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■ディレクターの初おろしギア自慢

「グリズリーBBQ&CAMP」はフリーサイトのキャンプ場で、地面が芝になっている場所と砂利の上に枕木を敷いている場所がある。
拠点を設営する場所を枕木の上に決めた3人は、まずタープを張って日陰を作ろうと車からタープを取り出すと協力して設営に取り掛かった。
Instagramで枕木のサイトがあることを確認したまなみんから、キャンプ場によって対応が異なるけど、ロープを少し長めにとって枕木の隙間の地面にペグを指すか、ウッドデッキ用のペグの使用をお願いされることもあり、その場合はウッドデッキ用のペグをレンタルできることが多いと聞いていた。ここ「グリズリーBBQ&CAMP」ではオーナーさんやスタッフさんが良き場所にペグを打ち込むための穴を枕木に開けてくれるという。

拠点設営の様子。
枕木を敷いたウッドデッキの場所を選択した。

温かな春の日差しが降り注ぐ静かなキャンプ場にペグを打つ音が響く。
「できたぁー!」
仕上げにロープのテンションをチェックしたGOTOが飛び跳ねる。リーダーも完成したタープを見上げながらそれに答える。
車から荷物を下ろして設営したタープの下に荷物を運び入れるとテーブルや椅子を設置した。
お昼ご飯の準備に向けて、GOTOとリーダーが焚き火台などの準備に取り掛かろうとしたその時、いつもの事ながら淡い桜が霞む程の派手めのファッションに身を包んだディレクターがワクワクテカテカといった表情で
「これ、良くないですか!?」
となにやら大切そうに出してきた箱を開いた。

南部鉄器のステーキ皿を披露するディレクター。
メルカリで2枚セットで落札したんだとか

ゴトッと重そうな金属音をたてながらテーブルに置かれたその箱からは、南部鉄器のステーキ皿とそれを扱う取手や木製の皿置き、スプーンとフォークもセットになって出てきた。
以前、闇のZoom会議をした時に「買っちゃいましたぁ!」と自慢して、闇メンの間にちょっとした鉄板欲しい病を流行らせたディレクター自慢の新ギアだ。もちろん、今日初おろしである。
初めて実物を見るリーダーとGOTOも
「めっちゃいいやん!」
「かっこいい!」
と口々にステーキ皿を褒め称え、再び鉄板欲しいスイッチが入る。
普段はブレーキ役をする彼が、いつになくはしゃいでいるのは久しぶりのキャンプというだけでなく、この新ギアをお披露目できるからだったのだ。
道中に買った三間米とこの新ギア、そしてとっておきのある食材を使って、とびっきりの料理を作ろうとしていた。

■SASUKE班とクッキング班

ロケハンをしたGOTOとみえこからの報告で、「グリズリーBBQ&CAMP」では薪も販売していることを把握していたリーダーは、今回薪を持参していなかった。
コンテナいっぱいの薪が800円とお手頃で購入でき、しかも荷物も減らせるといいことずくめである。

購入した薪を組んで火を起こし、いざ食事の準備に取り掛かる。ディレクターはメスティンに浸水させた三間米を入れてお米を炊き始めた。

珍しいディレクターの調理風景。
ちなみに、この日どうしてもキャンプに行きたかったGOTOは昼間に入っていた仕事を
早朝に終えての参戦だったという。
なるほど、準備などしている時間がないはずだ

いつものキャンプであればディレクターが料理をする姿はほぼ見れないだけに、珍しい光景である。前日遅い時間まで仕事が入っていて準備の時間が取れないGOTOに代わり、今回、満を持してディレクターが腕を振るうことになったのだ。
ご自慢の新ギア・南部鉄器のステーキ皿を活かしたいディレクター。仕事で培った抜群のバランス感は、常にオーバーカロリー気味の闇キャンプの調理場でも発揮されるのか注目したいところである。
米を炊いている間にステーキ皿を焚火にかけて焼いていく。
焚火で熱されもうもうと熱を放つステーキ皿をディレクターは愛おしそうに見つめていた。
その傍らで鶏肉に手を伸ばしているリーダー。慣れた手つきでそれをひと口大に切り分ける。リーダーはGOTOの代わりに「チー研(チーズ研究会)」としてチーズを溶かすメイン料理を考えていた。比較的簡単で大量のチーズを使い、映える料理ーー。ピリ辛好きなリーダーが選んだメニューは、チーズタッカルビだった。

一方その頃ーー。
キャンプ場の一角、山の斜面の裾でGOTOは目をキラキラさせて、とてつもなくワクワクしていた。GOTOの前には一本のロープがあった。

GOTOが見つけたロープのある急斜面は、
実はキャンプ場のオーナーが作った
クライミングコースだったそう

今回料理をしないためできた時間でキャンプ場内を「散策」と称して冒険していたGOTO。その目の前に現れたロープは5mほどある山の急斜面を伝っており、その先は斜面の上に生えている木に結わえてある。
ロープへと手を伸ばすと両手に持ち直して、引っ張ってみる。ピンと張るロープを見て満足気に口元を緩ませるGOTO。今度は先ほどよりも力を込め、全体重を乗せてロープを引いた。ザザッと音を立て積もった枯葉を振り落としつつもロープはGOTOの体重を支えてピンと張っていた。
それを確かめたGOTOは楽しそうに微笑むとおもむろにロープを手繰って斜面をSASUKEよろしく、よじ登り始めた。
なぜ登っているのか、おそらく彼女に問うても明確な答えは返ってこないだろう。目の前にボタンがあれば取り合えず全部押してみるし、ロープがあればとりあえず登る、それがGOTOなのだ。
急な斜面に足を付き、おのが腕力で体重を支えてロープを手繰りぴょんぴょんと跳ぶように登っていくGOTO。彼女は今キャンプ中だ。
前半こそまだ余裕があったGOTOだが、半分の高さを超え残りあと少しになった所あたりから上腕二頭筋に乳酸が溜まるのを感じはじめた。筋疲労で腕が重い。
突っ張るように斜面に着いてジャンプしていた脚の太ももでも、大腿四頭筋が悲鳴を上げ始めていた。息も上がっている。しかし、GOTOの表情はワクワクしていた。
重ねて言おう、彼女は今キャンプ中だ。

■ハプニングは気付かぬとこで…

一方、拠点の調理場ではディレクターが慌てふためいていた。

手早くコーンや刻んだネギを乗せるディレクター。
この時すでに、ハプニングは起こっていたのだ

想定よりも早く鉄板が焼けたため、炊けたごはんを乗せたはなからバチバチと音を立ててごはんに火が入り始めたのだ、悠長にやっていると焦げてしまう。慌ててコーンを乗せ、ネギを手早く切りザッと盛り付けて鉄板を火からおろすと黒コショウを振った。
傍らでチキンを炒めていたリーダーがディレクターの様子を見て笑っている。そしてふと気づくのだ。
「あれ?GOTOは?どこ行った?」
鉄板を火からおろしてホッとしていたディレクターも首を傾げる。
周りを見回すがGOTOの姿は見えない。リーダーはスマホを取り出してLINEでGOTOに「どこ?」と送りつつ、そばに置いていた調味料に手を伸ばしてスキレットに投入した。ジュウゥと音が立ち甘じょっぱい匂いが立つ。手早く混ぜてチキンと調味料を絡ませながらも、GOTOを探して辺りを見回す。

株式会社アール・シー・フードパックの
「黒毛和牛コーンビーフ」。
手作業にこだわっているだけあって、
とろける贅沢感が何とも言えない逸品

ディレクターは仕上げに料理の上に乗せる「黒毛和牛コーンビーフ」の缶を開いて缶ごと火にかけてほぐしていた。
上質な肉のいい香りが鼻腔をくすぐる。
「おーいいねぇ♡」
このコーンビーフはふたりが担当しているラジオ番組のスポンサー・株式会社アール・シー・フードパックの商品だ。きめ細やかな肉質が特徴の黒毛和牛伊予牛「絹の味」を贅沢にも100%使用してひとつひとつ手作りで仕上げたお高級なひと品に、思わずテンションの上がるふたり。
リーダーはあまりのいい香りに缶詰に目が釘付けになりながら、さきほどの調味料を手に取りスキレットに多めに回しかけた。
この時、GOTOの行方とコーンビーフの美味しそうな香りに気を取られて、リーダーもディレクターも気付いていないが、すでにあるハプニングが発生していたのだ。しかも現在進行形でーー。

その頃、山側の急斜面では、GOTOが気力を振り絞って壁のごとく立ちはだかる斜面に挑んでいた。さっきポケットの中でLINEの通知音がした。もしかしたらリーダー達が探しているのかもしれない。早く確認したい気持ちも手伝ってGOTOはロープを手繰っていく。
あと少しー。
「ほっ」
声を出して力いっぱい手を伸ばす、掴んだのはロープの結び目近くだった。疲れた脚に力を入れて斜面を蹴った。ファイト、いっぱーーーーーつ!
こうして、ようやくよじ登った斜面の上からキャンプ場を見渡すGOTO。
見晴らしの良さが達成感を醸し出す。
ーー私は今、生きている。
心地よい疲れを感じながら見る景色の中に自分たちの拠点を見つけた。
拠点で料理をしているリーダーとディレクターが見えた。
通知音が鳴ったことを思い出してスマホを確認すると、やはりリーダーから所在を探すLINEだった。
せっかくならここまで上がったことも見てもらいたいと思った脳筋スイッチ全開のGOTOは、居場所を伝えるべくリーダーに電話をかけた。

上質な肉のいい香りが漂う拠点の調理スペース、調味料を片手に右手はチキンを絡ませるように動かしながら、「黒毛和牛コーンビーフ」についてディレクターと熱く語っているリーダーのスマホが鳴った。

崖の上のGOTOから着信の瞬間。
画面にGOTOの名前が表示されているのを見て
リーダーが「なんで?」となっている

画面を見るとGOTOからの着信だった。
「もしもし?GOTOさん、どこおるん?」
辺りを見回しながら応答するリーダーに。
「ここよ、ここ!」としか返さないGOTO。
「どこなんよ?」
調味料を片手に持ったままキョロキョロと見回すリーダーは
「もうランチが2品出来上がりかけとるよ?」
と続ける。

斜面の上のGOTOからは、リーダーとディレクターがGOTOを探してキョロキョロしているのが見えた。
鬼の声量を誇るGOTOは両手を高く上げて振りながら地声で
「ここよー!ここーーーーーーー!」と叫ぶ。
それでもふたりはキョロキョロしていた。

「え、どこよ?声は聞こえるけど見えん」
GOTOに問うリーダー。
「山の斜面の上よー」
答えながらも手を振り続けるGOTO。

ディレクターが崖の上のGOTOを見つけた。
この時はまた高所恐怖症克服前だったGOTOに
どうして怖くなかったのか訊ねて返ってきた答えは
「地面に足ついとるじゃん」だった

「あ!あれ!おった!」
その姿をディレクターが見つけて指さす先をリーダーが見ると、確かにGOTOが手を振っている。ーそれにしても、
「なんでそんなとこおるんよ?」
リーダーは半ば呆れたような声で聞く。
「わからん。だってロープがあったんやもん」
と斜面の上から答えるGOTOに、リーダーはそろそろ拠点に戻ってくるように言って通話は終了した。

登りに比べると下るのは比較的楽だ。
GOTOは最後に斜面の上からの眺めを楽しんだ後、再びロープを掴むと斜面に背を向け、ひょいひょいと降りはじめた。

「野生児か…」
リーダーとディレクターがほぼ同時につぶやくと、再び調理をしようと焚火台にしゃがみ込む。ディレクターはコーンビーフの火の通り具合を確認している。
ーー焚火台の上のスキレットからは、ジュウジュウと調味料が煮詰まる音がしていた。

■間違えた!!!

焼肉のたれ、手に持ったままやん。
ふと気が付いたリーダーが、片手に持ったままにしていた調味料を置こうとして視線をやった瞬間だった。

この後、ヴォイストレーナー、本域の叫び声が響く。
気がついた時にはチキンはお醤油の海で泳いでいた。
どうなる!?タッカルビ

自分の目に映っている物が信じられずに息を飲むリーダー。
それもそのはずである。リーダーは焼肉のたれを鶏肉にかけて味付けしていたはずなのだ、手に持っている調味料は焼肉のたれでなくてはならないはずだ、にも関わらずその手に握られていたのはなんと刺身醤油だったのだ。
スキレットに目をやると、チキンが黒い海に浸かっているではないか。
しっかりと刺身醤油を使っている。よく似た大きさの容器に騙されて、うっかり焼き肉のたれではなく刺身醤油を調味料入れから出した挙句、焼肉のたれだと思い込んでずっと使っていたのだ。
「ぃいやあぁぁぁぁぁ!!!!!!!間違えたーーーーーーーーーー!!」
ヴォイストレーナー・宮崎ユウの本域の叫び声が小鳥のさえずるのどかな山々にこだました。

その声に驚いて顔を上げたディレクターに、事のあらましを説明するリーダー。説明しながらも、何とかリカバリーせねばとスキレット片手にウロウロ、グルグルと無意味に回り続けるリーダーの様子を笑い転げながら見守るディレクター。
は!と何かに弾かれたような顔をするとカメラの方を見た。

決定的瞬間の録画に成功したことを確信して
心の底から嬉しそうな顔をするディレクター。

「撮れとる!?」
と言いながらカメラに速足で駆け寄り、録画中を表すRECボタンが点灯しているのを確認すると、一瞬悪い顔をしたのち、心の底から嬉しそうな顔で笑い始めた。
「やったぁーーー!撮れとるーーー!」
と大はしゃぎをし始める。
「しかも広角で!しっかり撮れとるでぇ!やったなぁ!」
面白シーンがしっかり撮れていることが分かって喜びを爆発させるディレクターの後ろで、リーダーはいまだなすすべもなくグルグルと回っていたのだった。

立ちはだかる急斜面にてSASUKEチャレンジに成功した達成感で満ち満ちた様子で山から下りて来たGOTOが、ふたりが大きな声を出してワチャワチャしているのを見て気持ち速足で近づきながら声をかけた。

達成感と充実感に満ち満ちた崖の上のGOTO、
無事帰還の瞬間

「どうした?何を揉めておる?」
GOTOに事のあらましを説明しながら、リーダーはスキレットに入っている刺身醤油をきれいに出していく。
液体がなくなったら、クッキングペーパーでチキンについた分もササッと取って再び火にかけると、リカバリーが効くように祈りながら焼肉のたれを注いでチキンと絡めて味付けをしていく。

チーズを大量に入れて居る様子。
隣に並ぶ「黒毛和牛コーンビーフ」のいい感じにも
注目して欲しい

ここでGOTOがクーラーボックスから伝家の宝刀とろけるチーズを取り出すと、スキレットにたっぷりと降り注がせた。アルミホイルで蓋をして大量のチーズをとろけさす。
ディレクターがいい感じに火の通ったコーンビーフを火からおろしてステーキ皿に盛ったごはんにかけて「コーンビーフペッパーライス」を完成させた頃、時を同じくしてリーダーの「チーズタッカルビ」も完成して、3人揃って実食タイムとなった。

■奇跡の食卓

テーブルの上には、パチパチと焼ける音を立てるコーンビーフペッパーライスととろけたチーズの海にタッカルビの赤が映えるチーズタッカルビ、そしてディレクターが料理に使ったコーンビーフと同じく株式会社アール・シー・フードパックが手掛ける「矢印牛肉やまと煮」もテーブルに上がった。

見渡す限り肉料理な食卓。
しかし、この絶妙に丁度いい量こそ奇跡。
後にも先にもない奇跡の食卓となった

めくるめく肉三昧のキャンプ飯である。
まずはお毒見とばかりにリーダーが先陣を切って刺身醤油で作りかけたチーズタッカルビに手を伸ばした。伸びるチーズが食欲をそそる見た目はもちろん、匂いもいい。思い切って頬張ると、香ばしく焼けたチキンに絡む焼肉のたれのうま味チーズのうま味が絡み合っていい感じである。刺身醤油の面影はほとんどなかった。

予想外にきれいに消えた刺身醤油の気配。
しっかりとリカバリーできたチーズタッカルビは
とても美味しかったという

「美味しい!」
そう言って目を見開くリーダーを見てGOTOもディレクターも手を伸ばす。
「うん!美味しい」
「ええやん!」
口々にそう言いながらぱくぱく食べ進める3人。
「ユウトが作ったの食べていい?」とリーダーが言うと、どうぞどうぞと食べ方を解説するディレクター。
それに倣いごはんと具をかき混ぜて好みの感じに仕上げて口に運ぶリーダーとGOTO。カリカリに焼けたお米の香ばしさとにジューシーで柔らかいコーンビーフの食感。噛めば噛むほど広がる肉の美味しさに思わずうっとりする。
3人は山に向かって
「美味しいーーーーー!」
と叫んだ。
さらに、缶詰とは思えない程ゴロゴロと肉が出てくる牛肉やまと煮にも驚く。この商品、何でも出てくるドラえもんの四次元ポケットにならって「肉の四次元缶詰」と名付けた方がいいかもしれない。

美味しい料理に舌鼓を打ちながら、
春の景色と暖かい天気を満喫する3人

春の風が心地よく吹き抜け、山肌には桜も咲いている。そんな麗らかな景色を眺めながら、3人は舌鼓を打った。あっという間に平らげた後、顔を見合わせて
「初めてちょうどいい量のごはんやったね」
と笑い合う。
そう、この食卓は奇跡の食卓なのだ。闇チームのキャンプにおいて、こんなにも人数に対してちょうどいい量の料理が並んだのは後にも先にも1度たりともない。
お腹も満たされ、天気にも恵まれた久しぶりのキャンプにすっかり気持ちよくなった3人。もちろん、全員がこのキャンプ場を気に入り、帰りには翌週の闇キャンプの予約も入れた程だった。
来週もまた天気に恵まれるといいな。そう言いながら夕日に煌めく海を見ながら帰路についた。

このデイキャンプの様子はこちらの動画でも楽しんでいただけるので、是非アクセスを。

■ゴール達成!

その日、入院中の私は担当の理学療法士さんに伴われて、大島桜が咲く病院の中庭にペグを打った。
見事に刺さったペグの前で、2人で歓声を上げて喜びあった。転院当初設定したリハビリのゴールをクリアしたのだ。

脳梗塞の後遺症で左半身に残った麻痺はほぼ解消したものの、感覚障害は残っていた。これを書いている今でも、私の左足の裏の感覚は鈍い。
この当時、感覚がまだ戻っていなかった私にとって、しゃがむことはもちろん、しゃがんだ状態でバランスをキープしてペグを打つなど、キャンプに必要なながら動作は難しいと言われていたのだ。

「頑張って仕事だけじゃなくて、キャンプにも復帰しませんか?」
転院当初、リーダーのYoutubeチャンネルで闇メンとキャンプをしている私の様子を見た担当の理学療法士さんが真剣な顔でこう続けた。
「リハビリは大変になるかも知れないけど、キャンプをしてる時の楽しそうな顔を見たら、そこに戻って欲しい。退院してキャンプに戻ってお仲間と笑っている姿が見たいです」
その日からキャンプ復帰をゴールに設定してリハビリのメニューが組まれた。
主治医をはじめ、理学療法士さんや作業理学療法士さん、管理栄養士さんまでがチームになって対応してくれる病院だった。筋肉が戻ってきはじめた頃、食事にプロテインが付くようになったことからも、皆が私のゴールに向けて協力してくれているのが伝わっていた。
いつしかキャンプに復帰するためだけでなく、私のためにチームを組んで連携してくれている人達に応えたいと思うようになった私は、リハビリはもちろん、自主トレにも力を入れた。
実は3月の初旬には、普通に家で生活したりする分には耐えられる状態にまで回復していたのだ。
そこからは、キャンプ復帰に向けてのリハビリと入院中に落ちてしまった筋肉を取り戻す期間になっていた。
そしてこの日、最後の関門をクリアして、私の退院の目処がたった。週が開けたら主治医の先生から退院日が知らされる。
願わくば、退院の日までなんとか桜の花がもってくれますようにーー。
病室の窓から夕日に染る桜を見ながら、私はそう願い、食後のプロテインを飲んでいた。


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次回は、この翌週に同じく「グリズリーBBQ&CAMP」で行われた闇メンほぼ全員集合のデイキャンプの様子をお送りする。
ファイト一発のGOTOが全く新しいスタイルの薪割りを開発!?そして、闇の隠れキャラみえこの旦那が登場!眠りの森のユウトさん爆誕!?などほぼ全員集合だけに濃いデイキャンプ。濃すぎて動画化されていない1日の様子をお送りする。
See You Next CAMP!

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