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 vol.5 空間への捧げもの ー企画編ー

リベラルアーツへの挑戦 vol.5
「空間への捧げもの」
大阪市中央公会堂特別室
2021年3月21日(日)
大阪市中央公会堂 特別室 
〔昼の部〕14時~ 
〔夕の部〕17時~

しばらくとまっていた、公演記録を再開します。
二年前に開催した、vol.5 空間への捧げものについて、今回は~企画編~として綴ります。

魅せられた、大阪市中央公会堂 特別室

大阪市中央公会堂(国指定重要文化財)には、特別室というとても美しい一室があります。
建てられた当時は貴賓室として使用されていたところです。
天井には日本書紀の「天地開闢」、壁面には商業の神・素戔嗚尊(スサノオノミコト)、工業の神・太玉命(フトタマノミコト)が描かれ、
美しいステンドグラスに壮麗なカーテンと、華美な装飾に彩られています。
まさに和と洋が絶妙に融合した、壮麗な空間となっています。

現在も貸館として利用できます。見学は、公会堂主催の館内ガイドツアーに参加すると中に入ることができます。
私も知人のお誘いでツアーに初めて参加し、その内装、空間にとても心動かされました。
  ー その片隅に、アップライトピアノが置かれていて、”音楽を吹き込みたい”という想いから企画を立ち上げました。

100 年の時を経て、なお息づく大正時代の美が結集する空間。
窓一面のステンドグラス、日本神話を描いた天井画、壁面、壮麗なカーテン ——— 和と洋が融合した空間に 突き動かされたプログラムで構成しました。
会場では、音楽家たちによる演奏、インスタレーション作家による演出がなされます。
また会場外からの参加、楽しみ方として、音楽会を配信し、建築写真家によるカメラワーク、そして映像作品と交えて放映を今回試みました。
大阪市中央公会堂特別室の天井画「天地開闢」から、新作「こをろこをろ」の初演も行われました。

コロナウィルスによって変わる、生活

コロナが始まった2019年3月頃から、この”リベラルアーツへの挑戦”を含む、表現活動をどう進めていこうとしばらく考えた。今まで知り得もしない閉ざされた生活に、禁じられる”密”を創り出すこととなる、音楽会を開くべきなのかとても悩んだ。
身の回りの方々の生き様、考えに触れ、前に進もうと、企画を立てることにした。
数年前にくすぶっていた、中央公会堂特別室のことがふとよぎったのでした。

コロナで知った、数々の助成金

持続化給付金、経済産業省一時支援金、そして文化庁文化芸助成金。
あなたは続けますか。と真っ向から問いに対して、”イエス”を申請書類を作り、活動につなげていくことが、当時自分の力になっていたと振り返る。
そしていよいよ、企画するコンサートへの助成金申請にも着手する。
大阪市芸術活動振興事業の助成金だ。
情けないことに、今までは”自分の企画など、助成金には遠く及ばない”と思い、存在を知りながら考えたこともなかった。
助成を使うということは、どういうことなのか。なぜ使いたいのか。
説明会にも、とても小さな小さな心臓で向かい、企画にお声がけしたメンバーのお一人も付いてきてくださった。
机じゅうがごった返すほど、たくさんの下書き、メモ、紙にまみれながら、
ええいと、自分の想いを一つの企画書、そして助成申請書の用紙へ描ききった。
企画が初めて採択されたことは、たしかにとても心強かった。

大阪市中央公会堂特別室 あの空間に、音楽を吹き込みたい

館内ガイドツアーでみた、片隅にたしかに置かれたアップライトピアノを見つめ、ここに、ここに音楽が吹き込まれたらと、ただただその想いに突き動かされ、コンサートは形作られていきます。




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