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#4 NPO法人 AAF レクチュア共同企画 名和晃平 アーティスト編・連続トークイベント

リベラルアーツへの挑戦
vol.4「建築 × 音楽」の開催にあたり、出かけたトークイベントでした。
「建築 × 音楽」のfacebookのイベントページはこちらです

”知性あふれるレクリエーションを”というメッセージが掲げられた、
特定非営利活動法人(NPO法人)アートアンドアーキテクトフェスタ 主催のものでした。
ホームページはこちらです→HP

・学生のワークショップ
・建築家への登竜門とされている、35歳以下の建築家による建築の展覧会(U-35)
・世界で活躍する建築家が登壇する、建築レクチュアシリーズ217
・6つの分野のクリエーターが登壇するAレク
・若手建築家のプレゼンテーションをディナーを楽しみながら聴く、聴講者が主役のイブニングレクチュア 〜ディナーを楽しみながら90minuets

以上の5つの活動が指針とされています。
私はこの中のU-35という団体を、facebookで何気なく目にとめ、イベントに2,3年前にふと出かけたことをきっかけに、AAFさんを知ったのでした。

リベラルアーツへの挑戦vol.4「建築 × 音楽」も、”本庄西の現場”という建築事務所兼、レンタルスペースを兼ね備えた会場での実施します。
建築事務所で行われるイベントには行ったことがなく、興味本位で飛び込むことにしました。
本庄西の現場のホームページです.

NPO Art & Architecture Festa AAFレクチュア共同企画 
連続トークイベント アーティスト編・名和晃平


学生の司会によって、イベントは進められます。
ゲストに、アーティスト・名和晃平氏をゲストに、美術評論家・南條史生氏と対談形式でトークセッションは行われます。モデレーター(仲介者役)は、イベント会場をご提供されている、建築家・平沼孝啓氏です。
南條氏は、2019年に森美術館の館長を退任され、この日も海外から帰国されたばかりで、退任後もますます活躍のご様子です。

彫刻家・名和晃平

いよいよトークセッションは始まりました。
名和晃平氏の、溢れるアートに幾度となくぶち抜かれ続けるのでした。
ご自身が主宰なさっている、SANDWICH の紹介を中心にトークは進められていきます。


「SANDWICH」は、京都市伏見区の宇治川沿いにあるサンドイッチ工場跡をリノベーションしながら変化し続ける、創作のためのプラットフォームです。
スタジオ、オフィス、多目的スペース空間では、名和晃平を中心としたアーティストやデザイナー、建築家やダンサーなど様々な領域のクリエイターが集い、 活発なコラボレーションを展開しています。レジデンス施設も併設しており、定期的に国内外の若手クリエイターが滞在し、互いに影響し合いながら刺激的なプロジェクトが日々進行しています。

SANDWICHの刺激的なホームページです.


名和氏には、幼少期から現在に至るところまでを、創作精神にスポットに当てた、5つほどのポイントに絞った質問が投げかけられていきます。
幼少期には、宇宙、天体に関心を寄せ、絵を描くときに使う絵の具は自分で作り出したい、何の疑問も持つことなく与えられた絵の具を使うことに抵抗感を抱いていたことなどが紹介されました。
好奇心の塊。カッコイイ。アーティストとしての生業を形成していく過程については、とにかく作品を数たくさん作ることに精を出されたというお話がとても印象的でした。

作品をみれば一目瞭然です。

語られた、アート

また、名和氏が、アートについて、アーティストの果たす使命について語られている動画も興味深いです。2015年のものです。

「アートは、目の前の新しい技術だけを相手にするのではなく、現在、過去、未来をつなぐ、大きなスケールのメディアである」
これは、トークセッションにも話題に上がった、あいちトリエンナーレ2019での「表現の不自由展」に対する見解にも、同じ回答がみられました。アートは、遠い時空で捉えてこそ、投げかけるメッセージ、力があることを、私自身もあらためて認識しました。

投げかけられた、質問

質問を投げかけられていた名和氏が、最後は質問を投げかけるターンとなりました。
これからの日本の美術界、アートはどうしていったらいいですかという、アーティストとして生きる人たちが生業としたときに通る、現実的な問題についての投げかけでした。
果敢に挑戦し、圧倒的なアーティスト・名和氏からでさえもこの質問を投げかけられたことに、正直驚きました。そして、美術評論家として第一線でご活躍の南條氏とのトークでもはっきりした解が語られることはありませんでした。


1000円ほどの美術館の入場料でアートをシェアすることも素晴らしいことですが、圧倒的な財力はもっとアートに投じられ、人々がもっとアートを所有する感覚を養い、夢見ること、イマジネーションのエネルギーにもっと財を投入していく仕組みづくりの必要性を感じました。
私、絵を一つも持っていないな。

建築事務所でのイベント

会場に着くまでは、ドギマギし、少々気も滅入ることもしばしばありました。
住所では気が付かなかったのですが、ロングライフデザインを提唱される、ナガオカケンメイ氏が率いる、D&DEPARTMENT 大阪があったビルでした。
今回はトークセッションだけを聞いて帰るにとどまりましたが、一つの空間に、建築家、美術評論家、彫刻家、聴衆が集った空気感はとてもワクワクしたものでした。
何より、名和晃平氏のアートで、圧倒的に遠くへ連れて行ってもらった夜でした。

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