太陽の塔

vol.1 ピアノのために

リベラルアーツへの挑戦
so many colors vol.1
「ピアノのために~白石麻奈美」
2019年1月27日(日)
北浜・ヒビキミュージックサロン リーブス

数年ぶりに開催した、リサイタルでした。
ピアノから様々な色をお届けしようと、組んだプログラム。

vol.1として、リベラルアーツとしての音楽、時間を創造していきたい。
そんな挑戦シリーズを始める、第一歩のコンサートとなりました。

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リベラルアーツへの、二つの挑戦


①「音楽と数字」と掛け合わせ
数学者ピタゴラスが解明した音階を、ひも(たこ糸)を使って、音と数で遊びました。

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舞台へ登場し、ひもをあやつって下さったのは、私のピアノの生徒さん達です。心から、助演女優賞を✨そして会場のヒビキミュージックサロンオーナー、ヴァイオリニストの稲葉 ひろきさんにも、ヴァイオリンの弦でもっと分かりやすく、実演をしていただくことができました。

ひもを半分の長さにしてはじくと、1オクターブ上の音が鳴ります。
ひもを、3分の2の長さにしてはじくと、5度上の音が鳴ります。この音程は、人が最も心地よいとされ、完全な音程として扱われました。この5度の音程が繰り返し作られ、西洋のドレミファソラシドの音階は生まれていきました。


プログラム冒頭では、この5度をから派生して音楽が織りなされる、古典の作品から、スカルラッティのソナタを演奏しました。
心地よく響く音程を元に作られた、西洋のクラシック音楽は、自然と2019年も響きわたります。

②ポエトリーリーディング
ピアノの詩人とうたわれる、ショパン。ならば曲を弾く白石麻奈美も詩を読んでみよう。そして、ピアノを弾こうと。
持っている詩集から、谷川俊太郎の詩をよみました。

実際に詩をリーディングすることで、メロディを弾く、私の右手の指先は、感じたことのないほど、のびやかな歌を奏でていました。
また、これを舞台で実際にすることで、何倍にも表現が広がっていくのを感じるのでした。


ゲストをお招きして

作曲家・高木日向子さんをお迎えしました。
彼女とは、勤務先が同じで、美術館やランチと、公私ともに熱く、親しい間柄です。おもいっきってのリベラルアーツへの挑戦へも、新曲のご提供という、音楽を通じた応援を頂けることになりました。
作品へは、”物語性”を宿したものと、委嘱しました。

新作「Mermaid マーメイド」

アンデルセン童話の”マーメイド”をもとに、作曲されました。

ある人魚が王子様に恋をし、人間になる為に声を失い、最終的に泡となって消えてしまう悲恋の物語です。
マーメイドとは逆に、人間の私たちは誰しも一度、何もかも忘れて自由に泳ぎ回ってみたい、という願望を持ったことがあるのではないでしょうか?
ある日、怪しい魔法使いに出会って、大切な何かを失う契約をすれば、泡になって消えちゃうかもしれないけどね、と唆されたらどうするだろう、どうなっちゃうだろう……?
そんな空想に耽りながら、曲を書き始めました。
(高木日向子:筆 プログラムノートより)

リベラルアーツへ挑戦していく、vol.1 ピアノのために、第一回目として、だいぶ前向きな回なんですけどね!!笑

海に命を落としていく、マーメイドを、とっても一生懸命弾きました、よ!

さすが、高木さんです。


曲目解説の有無、再演効果

曲目解説なく、初めは演奏し、そのあと、高木さんにご登場いただき、曲に対するレクチャーを頂きました。
そして、作品への解説を客席と共有したあと、マーメイドを再演しました。
曲目解説がなされた前後では、曲の感じ方、聴き方が、人それぞれに変化にあったと、興味深いご感想をたくさんいただきました。

「やってみなきゃわからない」

vol.1とタイプしてチラシを作成したときは、曲目を並べるところまでで精一杯でした。

リベラルアーツとしての音楽で、リサイタルをやってみたい。やるんだ。
「スタンダードブックストア」という、本屋で出会った仲間に、リサイタルにご一緒頂きました。
このシリーズを始めるんだと、初めて打ち明け、その話に耳を傾けてくれた方々です。
偶然、「スタンダードブックストア」のイベントで同じテーブルだったメンバー、大谷正世さんと高田裕也さんです。

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リサイタルの受付、そして懇親会の手堅く、温かいサポートを頂きました。
もう一人のメンバーは、遠い地からエールを送って下さり、力になりました。

もう一つの挑戦、客席での出会いを作る、懇親会を開いたこと。

終演後、せっかくコンサートの場を一緒にした方々が出会い、集う場になればと、「ピアノの音、のち宴」懇親会を開催しました。名幹事、大谷さんによって、会話しやすいスタイル、そして何より美味美味!なお店にて、充実した交流の時間を持つことができました。彼女からは、素晴らしい場と時間をご提供頂きました。


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vol.1が放たれた日


当日を向かえるまでにあたって、たくさんの応援を頂きました。
応援とは、人の想いを汲み取り、お互いが言葉を掛け合うことだと瞬時に私は感じとりました。
当日の朝に、孤独にリハーサルを始めたちょうどそのときに、ホールに届けられたお花と、添えられたメッセージカードは忘れることができません。

アンコールは自作の曲を演奏しました。
リサイタルに取り組む過程でお腹から涌き出たものです。
「あたたかな」というタイトルの曲です。
リサイタルのご感想に、何人かの方々から暖かなリサイタルでしたというお言葉が返ってきたのは嬉しかったです。
これも友人の強い後押しがあってのことでした。

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私が父にオーダーした、ピアノの鍵盤です。

たくさんの方のご来聴。励まし。そして、駆け付けてくれた、家族の応援。
すべてを力に、動き始めた日、2019年1月27日でした。

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