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toCサービスのカスタマーサクセスのベストプラクティスを見つける旅

こんにちは!GMOペパボ株式会社でカスタマーサクセスを担当している清水愛実です。

(この記事はCS HACK Advent Calendar 2020 の12/11の記事として書いています。)

GMOペパボという会社はホスティングやEC、ハンドメイドなど、多くのwebサービスを展開しています。その中でも、私はネットショップ作成サービスの「カラーミーショップ」を担当しています。

この記事では「toCサービスにおけるカスタマーサクセスのベストプラクティス(成功施策モデル)をどのように見つけていくか」をテーマに、経験を交えながらお話ししていきます。

はじめに

前置きとして少しだけ私の話をすると、1年半前にディレクターからCSに異動して初めてカスタマーサクセスに携わり、当時は右も左もわからない日々でした。
本を読んでも「カスタマーサクセスとは?結局何をしたらいいの?」の理解がなかなか深まらず。他社事例もtoBのものが多くてピンとこないまま、とにかく目の前の行動目標に食らいついていきました。

そんな私ですが今年、チームのサブマネージャーにしていただいたこともきっかけになり、過去にチームがやってきたことを俯瞰して考えることで、少しではありますが、自分の中で、自社のカスタマーサクセスの型が見えてきました。

まだまだ「これぞ!」という無敵の型はないですが、長いサクセスの旅路の中の一つの道だと思って、読んでいただければ幸いです。

カラーミーショップのユーザーとは?

まず、話を進める上でイメージを持ちやすくするために「カラーミーショップ/ユーザー」について少し触れておきます。

<サービス特徴・ユーザーの属性>
・カラーミーショップ月額利用の客単価は3,000円/月程度(比較的低単価)
・ネットで商売をしたい法人・個人が利用
・ユーザーの事業規模は様々
・リテラシーも様々

B(法人)もC(個人)同様のプランで利用できるので、アカウント情報だけでは判断しきれない背景がたくさん。ユーザーによって使える予算やリソース、利用目的も様々です。

そんな規模も職種も様々なユーザーのサクセスを目指して、私たちは「売れるショップを増やす」ことをミッションに日々試行錯誤しています。

サクセスへの道①「ユーザーを知る」

弊社は営業職がいないので、リードの獲得はほぼオーガニックや広告経由となります。そのため、ユーザーがフォームから申込をするまで、どこのどんな属性の方がサービスに来てくれたのかが見えません。
トライアルの申込み時に取得する情報も最低限のものだったので、アプローチの手段を考えるにはヒントが少なすぎる状態でした。
そこで、申込み後のユーザーの背景を把握し、そのユーザーに合ったアクションをするために、申込み時のアンケート内容を改修しました。
・ユーザーの現状を知るため設問:取り扱い商材、従業員数や制作担当者の有無など
・ユーザーの目的を知るための設問:目標月商、オープン予定日など
「その項目を聞いてどうアクションするか」までを想定して設問を設計しました。

結果、見えていなかった部分がだいぶ明確になり、回答母数も溜まってきたことで分析もしやすくなり、アクションの幅も広がりました。

サクセスへの道②「ユーザーと話をする」

カラーミーショップの場合、申込みもオンボーディングもすべてweb上で進めるため、対面で対応するハイタッチは基本選択肢になく、メールと電話をユーザーとの連絡手段として利用していました。
連絡の内容はこんな感じです。
・申込みした日に電話をかけて不明点などないか伺う
・作成中のショップを見て改善点のアドバイスをする電話をかける
・未契約のユーザーに電話をかけて利用促進のセミナーに誘導する
特に電話で話す中で、データからは読み取れない申込みの経緯や熱意がわかったり、躓くポイントの共通点を発見したり、私たちにも気づきが多く、大事な情報源にもなっていました。

余談ですが、私が担当した中に、遠方でカフェを営む方がいたのですが、ネットショップの立ち上げからオープンまでを見届ける間にすっかりファンになってしまって、今では購入リピーターです。笑
ユーザーと向き合う時間がいい経験になったこと、とても感謝しています。

ただ、電話で話してから補足をメールで送ったりしていたので、一人が1日に対応できる人数も多くて5名。他の業務も持っていたりするとなかなか時間が取れず、電話連絡ができない日もありました。
(チームで主に架電しているのは3名でした)

サクセスへの道③「コンテンツを作る」

もう一つ注力していたのが「コンテンツ」です。
カスタマーサクセス界でもコンテンツの重要性はよく言われていますが、良質なコンテンツは必ず武器になると思います。
実際にサクセスチームが生み出したコンテンツは大きく3つ。
・ステップメール、1to1メール
・導入ガイド
Youtubeチャンネル
どれも、1つのコンテンツで多数のユーザーに情報を届けることができます。また、ユーザーと電話しているときにも、状況に合うコンテンツを提案できるので、より満足度の高い案内につながりやすくもなります。
制作コストはかかりますが、長期的に且つ人的コストをかけずにユーザーへの案内ができるので、コンテンツ作成に注力することは、後々の力になっていきます。
作った後も計測やブラッシュアップを続けることで、質の高いコンテンツにしていくことも大事だなと感じています。
ちなみに、Youtubeは先日、総再生時間10,000時間を超えました!(10,000時間=1年2ヶ月!)
              ▼動画事例

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サクセスへの道「行き止まり」~リソースの限界~

コンテンツも揃ってきて、電話やメールで連絡をとるユーザーも徐々に増えてきた!さあ、ちゃんとサクセスできているか・・・の成果を見たかったのですが、事業への貢献は、なかなか数値で返ってこない。行動はしているが目に見える成果が少ない。
原因としては、先にも述べた「メンバーが少人数だと対応件数に限界があること」だと感じました。さらに、カラーミーショップの場合、利用料金が高価格ではないため、CSM一人が1ユーザーに避けるリソースもそこまで多くはないことも挙げられます。

toCサービスが、toBと大きく違うのは、「顧客単価(=利用料金)」と「ユーザー数」だと考えます。
toCサービスで多く見られる「顧客単価:低め」「ユーザー数:多い」のパターンの場合は、サクセスチームのリソースの限界を見極め、解決策をひねり出すタイミングが訪れるはずです。私たちも打ち手を考えました。

サクセスへの道④「チームメンバー以外のリソースに頼る」

リソースの限界に対する解決策として、以下2点を主に行っています。
・極力自動化
・社外への業務委託

自動化については、ほとんどの施策をテックタッチに振り切りました。電話で案内していたことをメールで送れるように設計をしたり、申込みアンケートの回答内容によって個別のLPに誘導するフローを作ったり。
Salesforceとpardotを使って様々なオートメーションを使っています。

また、自動化できない作業(人の目や手が必要なもの)は、一部を業務委託して回しています。
業務委託を始めるにあたってはフローの整備など苦労もありましたが、それまでサクセスチーム内で行っていた作業が委託できたことで、新しい別の施策にチャレンジすることもでき、何より電話連絡に比べて、対応件数が大幅にUPしました。
いずれも実行に至るまでの準備には時間もリソースもたくさん必要でしたが、サービスを利用して何かを成し遂げたいと思ってくれている多くの方に、サクセスからのご提案ができるようになったことは、とてもポジティブなことだと捉えています。

サクセスへの道⑤「施策は数字とセットで組み立てる」

これはきっと多くの方には当たり前のことなのですが、「なにかアクションを起こすときは数字とセットで考える」ことを心がけています。
「何がどのくらい変化して、結果どんな成果につながるのか」の仮説を立てて数値計測の準備もした上で実行することで、その施策がユーザーの力になったのかがわかります。
立てた目標に対して数字が達成できた場合でも、効果がどうだったのかまでしっかりと分析すること。さらに、結果によって、継続 or 中止の判断をすることも必要だと思います。リソースは無限でないことを忘れないように…。
ここはまだまだ勉強中ですが、サービス側もユーザーもハッピーになる成果を生み出していくために、尽力していきたいです!

サクセスへの道【まとめ】

長くなりましたが、「toCのサクセスのベストプラクティスをどうやって見つけるか」については下記がポイントになると思っています。
・ユーザーを知るための仕組みづくりと分析
・ユーザーの声や行動からの情報集め
・コンテンツの数を増やし質を上げる
・極力自動化、外部リソースをうまく使う
・施策は数字をセットで組み立てる


限られたリソースの中で効果最大化していくために、抑えるポイントと優先順位を見極めながら、一つ一つの施策の質を上げていきたいなと、自分で振り返りながら改めて身が引き締まりました!

最後に

ここまでいろいろ書いてきましたが、、、旅の中で忘れちゃいけない持ち物を書き残しておきます!
●しっかりとユーザーに向き合って、ユーザーを知る姿勢は忘れない。思い込みで進めない。
●まだまだ正解はない!「やってみる精神」を忘れずに、アクションを止めない。

そんなサクセスでいられるように、引き続きチームメンバーと共に、今日もサクセスのベストプラクティスを見つける旅にいってきます!

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お読みいただきありがとうございました。

こちらのnoteで、toCのカスタマーサクセスをテーマにしたイベントや記事の情報発信をしています。ご興味ありましたらぜひご覧ください!
toCのサクセスも一緒に盛り上げていきましょう!

みなさん、2020年残りの数日も良い日になりますように!


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