【書くラジオ】#21 練習の練習中

今の私は就職先の決まったニート(【書くラジオ】#19参照)、と少し前に書いていたが、新しい勤務先での研修がついに始まった。

思えば私は意外と本番には強くて、練習の方が苦手だった。例に出すなら、面接の練習。終わった後にダメ出しをされるんだという前提で臨む練習の方が、本番の何倍も嫌だ。例え本番が圧迫面接だったとしても、その場さえ切り抜ければいい本番の方がずっとずっと気が楽だ。だから、私にとって研修やオリエンテーションは苦手がパンパンに詰まった時間なのである。

しかも、周りの人にやたらと共感してしまう私は、研修の内容についていけていない人が隣にいたら、絶対に置いていけない。今回は業務のオープニングに携わっているので、研修も30人弱で一斉に受けているのだけれど、自分が置いていかれたと感じた時の心細さを誰にも味わってほしくない一心で、付き添って最後まで教えてしまう。自分だって初心者なのに。
そして、その後「あ、この人は教えられるくらいまで習得しているんだ。私って何にも分かっていないんだ…」と不安になってほしくない一心で、「全然!私も他のことは何にも分かってないんで!」と言うまでがワンセット。何も聞かれていないのにだ。

RHYMESTERに『K.U.F.U』という曲がある。その名の通り、天才ではない者の最大の武器は工夫である、という曲なのだけれど、その冒頭のリリックは「常に研究 常に練習 知恵を結集し君をレスキュー」。

そう。私は今、練習の練習をしている。これから先にまだ何度だってあるだろう研修の練習をしているのだ。ずっとここにいたい訳ではないから、私はまた新しい場所に行こうとするだろう。だったら今逃げちゃダメだ。『K.U.F.U』が大好きなのだから、ちゃんとこの曲に沿った自分でもいたい。

何だかんだ私は凄まじい負けず嫌いなので、乗り越えていけると思う。でも、昨日の佐久間さんのオールナイトニッポンZERO(#佐久間宣行ANN0)で流れてきた『空に星が綺麗』が沁みてちょっと泣いてしまったのは、今。まさに練習の練習中の今だったからだと思う。

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