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日常と非日常のゆるやかな融合。

家から出た瞬間、ポカポカとした春の日差しに「今日あったかい!」と思わず声を上げて隣の彼を見た。
世の中は3連休。と言いながらコロナの影響で果たして3連休と表現するのは正しいのだろうか?なんて思いつつ、舗装された道路を足で蹴る。視界の中で肌色のデザインストッキングが煌く。今日は靴下でも良かったな。ストッキングの薄い布地があたたかな空気をほんの少し遮ってしまうことに、ちょっとだけ残念な気持ちになる。

「GWみたいな気候」
「確かに!」

こんな日は近所のKioskで瓶に入ったオレンジレモネードを買って、公園の芝生の上に座り込んで自由気ままに語り合ってのんびりしたい。時間の経過なんて一切なんにも気にしないで、日向ぼっこしてたまに寝そべったりしてまったりしたい。ドイツにいた頃の休日はどこの芝生も川縁もベルリナーでいっぱいだった。懐かしいなぁなんて思いながら、高層ビルだらけの東京の街を見渡す。車や軽装の人たちが行き交う駅までの道のりの中で、今日は彼と共に東京駅にあるコワーキングスペースに向かうのだ。

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