だから私は諦められない。

「すごい自分に正直に生きてんだね」

新車で買ったばかりだというファミリー用ワゴンを運転しながらそう言ったのは、高校で同じ部活だったキャプテンだった。

それは年が明けたばかりの1月2日のこと。
母校で年に2回開催されている男子バスケ部のOB会で(私はマネージャーをしていた)、お正月を過ごした京都から新幹線で名古屋に移動してきた私は、自宅から車で高校まで向かうというキャプテンに名古屋駅でピックアップしてもらった。

スーツケースと共に車に乗り込み、「久しぶり〜」なんて軽い挨拶を交わす。綺麗な車内にはジュニアシートとバスケットボールが乗せられていて、そうか、もう子供達はチャイルドシートの年齢じゃなくなったんだなと独りごちる。最近は自分や友人たちの子供の成長が、時の流れを認識する材料になりつつある。

ここから先は

1,729字

¥ 500

この記事が参加している募集

部活の思い出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?