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六日間
今年も冬がやってくる。
季節は変わっていくけれど、
僕は今日も今日とて、いつもと同じ長い坂を登る。
どうすればいい。
どうすればいい。
後何回我慢をすれば、この心が治るのだろう。
ずっとソワソワしていて、、、、、
今日や昨日に満足していない訳では無いのに
何にも満たされていかないようなこの心は
いつになったら治るのだろう。
「あ、びっくり。」
よこをみると触れられそうなくらい大きな月が一緒に歩いてる。
「そばにいるなら話しかけてくれれば良いじゃん!」
「ううん、最初は喋ろうと思っていたよ、でも、、、」
「ん?」
「話しかけないでほしいというか、独りにさせてって顔しているから。」
『大人になるってことは、近づいたり離れたりを繰り返して、お互いがあまり傷つかずに済む距離感を見つけ出すってこと。』
いつかアニメで聞いた話。
知らない間に人を、空気を、何かを自分に触れさせないようにして生きてしまっていたなんて。
「もう傷つきたくないの。」
「もう、誰にも隙を見せたくない。」
「もう、何も誰も信じたくないの。」
夜になって思い出したんだ。
自分の心の弱さを。
どうしたらいい。
どうしたらいい。
そんな不安から出るはりぼての強がりを顔に出してしまっていた。
暗いから見えないと思っていたけれど、今日に限って月が大きくて明るくって優しいんだ。
「大丈夫だよ。」
「いつだってあんたは優しいよね。」
「あったかく大きく包んであげられるのは、6日間だけだから。あと1日だけは自分で頑張れるようにぎゅってしておいてあげるから。」
優しいなみんな。
なんでそんなに優しくするんだよ。