"馬"古橋亨梧がいるらしいので馬主さんに話を聞いてみた

2023年11月 Kyogoの現在について追記
↓以下目次よりどうぞ


皆さん、古橋亨梧選手はご存知でしょうか?

現在はスコットランドで大活躍中のサッカー選手で、以前はJリーグのFC岐阜やヴィッセル神戸に所属していました。
私はヴィッセル神戸のサポーターで、彼に脳を焼かれたファンのひとりなのですが、実は競馬ファンでもあります。

そんな私の耳に「Kyogoって馬が走ってるらしいぜ」というニュースが流れてきたのは今年の夏のこと。
まぁ馬主さんの知り合いにキョウゴさんがいただけかもしれないし…と思いながら検索。

密かにKyogoはあのイギリスダービー馬Motivator(日本ではタイトルホルダーの母父として有名)や今年の凱旋門賞ジョッキーであるルーク・モリス騎手を輩出したマイケル・ベル厩舎所属。

勝負服思いっきりセルティック意識してて草。


という事で間違いなく古橋選手が由来と確定し、一部神戸サポの期待も新たに背負ったKyogo、さっそくセルティックユニフォームの彼のデビュー戦を見ていきましょう。

デビュー戦は惜しくも2着に終わったKyogo、とはいえ、あのイギリスダービーが行われるエプソムの地で推しの名前が走るのは不思議な感動を覚えました。
めっちゃ実況キヨゴって言ってるし。


その後もKyogoは9月まで2戦を走り、2着5着と確実に掲示板を確保。3戦目では現在来日中のトム・マーカンド騎手が騎乗していました。


馬主さんに聞いてみた

しかしながら、それ以降音沙汰なし…
Kyogoにとって、来年は生涯一度のダービーなどのクラシックレースに出走できる重要な年。それを前にこの馬を日本に紹介したい…という気持ちもあり、馬主さんであるPeter Trainor氏にツイッターにDMを送信したところ、インタビューを快諾。ということでその様子をお送り致します。

筆者(以下筆と表記)
「あなたのKyogoという馬に興味を持って、日本の古橋のファンに紹介したいんですけど、いくつか質問いいですか?」

Peter氏(以下P)
「いいよ、何が知りたいのかい?」

筆「まずあなたの勝負服、もちろんセルティックのユニ意識してますよね笑。そしてKyogoは勿論、古橋選手が由来であってますか?」

P「そうだよ、私はセルティックを応援していて、あの色は私のパーソナルカラーでもあるんだ。そしてKyogoの由来はその通り。私は彼の走る様子が大好きなんだ」

やはり古橋選手が由来だった模様、そして古橋選手を「love」と表現するほど大好きなPeter氏。

筆「じゃあ、来年以降、あなたの馬にDaizenやHatateと名付ける可能性も…?」

P「そのつもりだよ、許可は…いらないよね笑」

山雅、マリノス、川崎サポの皆様、おめでとうございます。DaizenやHatateが欧州競馬界を賑わせる日もそう遠くなさそうです。
そして神戸サポの皆様、後ほど「Yuki」もオファーしておきました。安心してください。


筆「ところで、Kyogoのいた神戸では競馬場がいくつかあって、競馬もそれなりに盛んなんですが、セルティックのあるグラスゴーではどうなんですか?」

P「実はグラスゴーで競馬はそこまで有名じゃないんだ。でもKyogoがデビューした時はたくさんのセルティックサポーターが応援してくれたよ」

P「あ、あと僕の親友は日本のマルシュロレーヌに乗ってブリーダーズカップを優勝したんだ。」

え?????
マルシュロレーヌに乗ってBCって、まさかあのマーフィー!?


スワ―ヴリチャードでJCを取ったあのマーフィー!?


ついでのノリでとんでもない発言が…

競馬詳しくない人向けに説明すると、競馬界の
ネイマールみたいな人です。
流石競馬の本場…

筆「マーフィー騎手は日本でも有名なので衝撃です… じゃあ来年はあなたの馬に乗る予定はあるんですか?」

P「彼は私の全ての馬に乗る予定だよ。特に来年は3歳のIbrahimovicという馬に注目してほしいね。」

筆「素晴らしい名前ですね。彼のようなチャンピオンになることを期待して注目しておきます。」

筆者注:現在マーフィー騎手は飲酒運転で14カ月の騎乗停止処分中


ここでサッカーファンには気になるような新たな注目馬の名前が。
ズラタン信者の筆者も少し興奮していました。

筆「では最後に、KyogoとIbrahimovicの来年の目標を聞かせて頂いてもいいですか?」

P「Kyogoは引退なんだ。おそらく彼は障害競走(ハードル走)に転向するか、ニューヨークに行くことになると思う。」

P「Ibrahimovicには輝かしい未来が待っている。恐らく彼は昇級する前にメイデン(未勝利戦)を突破するはずだよ。」

少し筆者から補足を。Peter氏の仰る障害競走とは所謂ハードル走の事。日本では障害の絶対王者オジュウチョウサンで近年注目を集めてますが、イギリスでは平地並みの人気を誇っています。

JRA HPより

引退の報は残念ですが、新たな競技生活の道や第二の馬生があるようで少し安心しました。Kyogoの名がダービーを…という筆者の勝手な夢はグランドナショナル(障害競走世界最大のレース)に路線変更でしょうか。

また、Ibrahimovicの来年に関して、日本の競馬に少し詳しい方は違和感を持ったかもしれませんが、イギリスでは未勝利でも重賞など多くのレースに出走することが可能です。

この後も筆者とPeter氏は競馬の話をしばらくしたのですが、最後にPeter氏は「日本の競馬は数年後に世界を席巻すると思うよ」と言ってくださったのが印象的でした。


さて、海外で活躍する日本人選手と競馬の奇妙な関係についてお送りしました。セルティック程のビッグクラブになると、ファンにもいろんな人々がいるんだなと分からせられる出来事でした。
小林選手の活躍次第では、「Kobayashi」「Yuki」が走る日もあるかもしれません。

(2023年11月追記)後日談

昨年大好評をいただいた本記事ですが、Kyogoの去就が未定という謎を残していました。ということで、ここで1年経ったKyogoの今を追記しておきます。

1年経って彼がどうなったのかというと
ハードル走に転向して400万円を稼ぎ出した立派な馬になっています。

馬主さんとお話しすることは今回叶わなかったのですが、どうやら彼はオーナーが変わって予定通りハードル走に転向した模様。
7月に復帰戦を経験し、障害競走にも慣れてきたであろう9月に3頭立てのレースで現役初勝利を飾ると、10月にはまさかのアメリカ遠征。
調べてみると、毎年10月にニュージャージー州のファーヒルズという地域で開催される障害競走の祭典に参加する為だった模様。このイベントではKyogoが出走したレースも含め複数の障害競走が実施され75000人以上の来場者がいるのだとか。

【競馬詳しい民向けに補足】
同日はアメリカ障害競馬最大のレースGⅠグランドナショナルハードルS(ちなみにブリーダーズカップの障害部門のレースです)が実施される日で、恐らく本レースの為の遠征の帯同馬としての側面もあったと考えられます。
後述しますが、Kyogoは同日に開催されたステークス競走に出走しています。

そこで実施された3歳限定戦・Gladstone Hurdle StakesでKyogoはまさかの勝利。ステークスウィナー(日本でいえばOP馬的な立ち位置)になりました。これまでのような名もなき条件戦ではなく、50年近くの歴史がある由緒正しきレースの勝ち馬一覧にKyogoの名が刻まれました。↓

ゆくゆくは重賞…そしてグランドナショナルも...

また、本記事でも少し触れていたオーナーさんの期待馬『Ibrahimovic』に関しても、7月に初勝利を挙げています。
その前のレースで負けた相手がなんと、GⅠセントレジャー(※日本の菊花賞にあたるレース、今年はハーツクライ産駒コンティニュアスが制したことで話題に)で4着に入った強豪Tower of Londonであった為、彼も期待通り重賞級のポテンシャルを示していたようです。


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