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コロナ禍で「母性」に目覚める

夫がコロナ陽性になって2日目。
看病を通じて生まれて初めて「母性」というものが芽生え始めたので、書き残しておこうと思う。

これまであまり人のお世話をした経験がなかった。

中・高・大と体育会系の部活に所属していたので、俗に言う先輩後輩の関係は人並みに築いてきたつもりだった。
ただ、いずれもプレイヤーとしての立場しか経験してこなかったので、マネージャーの様な、誰かのケアをすることだけに専念した経験はない。

一人っ子なのでお世話をされた思い出はあっても、誰かの面倒を見たり世話を焼いたりした経験がない。あるかもしれないがあまり記憶にない。

結婚して日も浅いので子供もおらず、ペットもいない。
夫も私も精神的に自立しており、お互いに依存しないドライなタイプ。
知り合ってもう11年目になるが、どちらかがどちらかの面倒をみるというシチュエーションは未経験だった。

ところが、夫がコロナにかかり弱っているのを目の当たりにして、生まれて初めて「母性」のようなものを自覚した。

いつも静かで穏やかでちょっとぼーっとしているカピバラみたいな夫が、おでこに冷えピタを貼ってソファで丸くなり、普段の「ぼーっと」に輪をかけて「ぼーっと」しているのを見ると、「お世話をしなければ!」という気持ちがむくむくと湧いてくる。(これって母性だよね?)

はちみつ大根(前回の投稿をご参照ください)を仕込んだり、りんごをすりおろしたり、お腹に優しいうどんや雑炊を用意したりしていると、自分の中で生まれた小さな「母性」が陽だまりの様にぽかぽか温まってくる。
苦しむ夫には申し訳ないが、世話を焼くのって結構楽しい。

三十路を前に自分の中に新しい感情を発見した隔離生活2日目。
今日もせっせとはちみつ大根を仕込みます。

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