最も怖いのは、意欲をなくすこと
何が正しい?何が間違い?
世のなかの大抵のことには、正解も不正解もない。「これじゃないと絶対ダメ」みたいな問いって、算数くらいしかないんじゃないか?本気で思っています。
ヘタに答えを固定するから一緒に働くメンバーもしんどいし、何より本人もキツくなる。ゴールへたどり着く道のりは、いっぱいあっていい。その方が新しい可能性に気づけるし、効率的なアイデアだって見つけられるかもしれない。
自分のやり方しか許せない
30歳の頃に勤務していた、大阪の産直店である経験をしました。その経験が、今のチームビルディングや仲間の強みを引き出す土台になっています。
社員2名、そして約10名のパート・アルバイトさんで切り盛りする小さなお店です。社員のひとりとして、前を切って進んでいたつもりでした。お店なので売り場の陳列やディスプレイ、商品の品出しをします。そのとき、
「こうやって並べた方が売れるよな」
自分のやり方を持っていました。だからパートさんが自分と違うやり方で商品を並べたりすると、許せなかった。自分のやり方で並べ直していた時期がしばらくありました(一緒にいたら、めんどうな同僚ですね(苦笑))。
最適なやり方はどれか?
でも、途中で気がつきました。このやり方だと限界がある。何より一緒に働いている、みんなもイヤだろうし、自分もしんどい。休日明けに売り場を見て、納得できない部分は全部並べかえるなど、労力的にもキツかった。
そこで、やり方を変えました。
例えば、「どう見ても、こんなに売れないだろう?」売り場にキャベツをてんこ盛りに陳列したパートさんがいれば、「なぜ、そういうやり方をしたのか?」その意図を聞くようにしました。
中には「何にも考えず…」という方もいらっしゃったのですが、自分なりに意図を持って商品を並べるパートさんもいて。それらパートさんの工夫というか、考えを持って取り組んでくれていることに意義を感じるようになったのです。
意欲がなくなる方が怖い
多少やり方が違っていても…、多少、成果が出るまでに時間がかかっても…、あとでリカバリーは可能です。だけど、
「ここで頑張っても一緒や」
「この人に言ってもムダや」
一緒に働くメンバーの意欲がなくなる方が怖い。そうなったら取り返しがつかないんじゃないか?だったら、多少時間がかかっても、仲間のやり方をまず尊重して、そこでやり方に違和感を感じるようであれば、丁寧に説明しながら修正するようになりました。
短期的にみるか?長期的にみるか?
成果をどのくらいのスパンで考えるか?その違いかもしれません。ただ、ある程度、意欲が前向きであれば、あとから方向を修正することは可能。前に進む意欲をつくりだす方が、時間もエネルギーもかかるのではないでしょうか。
まとめ
マネージャーの仕事は、やり方を強制するのでなく。方向性を調整すること。できれば、前に進むスピードは落とさないまま、方向を微調整する。
共通のゴールへたどり着くのが目的。そこへ行き着くための道は、いっぱいあっていい。その人にあった道のりを選んだほうが、より早く、よりストレスなく、たどり着けるのかもしれない。
さらに、ゴールしたとき、自分が選んだ道のりの方が達成感は高いのではないでしょうか。
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