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「あなたから買うべき理由」を言語化できないと埋もれる

 今の時代は24時間いつでも、どこからでも商品を買うことができます。そして、買う前に商品レビューを見て、実際に買った人の感想もわかりますし、似たような商品の比較も簡単にできます。また、海外製品の流通や他業種からの参入などもあるので、現代ほど厳しい競争環境はなかったのではないでしょうか。

 昔は買い物の場が限られていたので、店先に商品を並べていれば自動的にお客さんが買いに来てくれるような時代でしたが、競争の激しい今の時代において地域の中小・小規模事業者は、どうすれば競争に勝って生き残っていくことができるのでしょうか。

 結論を先に述べると、自社から「買うべき理由」を用意し、ターゲットにそれを伝えることができた事業者だけが生き残れるのではないでしょうか。逆に言い方をすると、たくさんある競合事業者や競合商品の中で、「あなたから買うべき理由」(競争優位性)がなければ、存在意義を失い、埋もれてしまうということです。

 これは今に始まったことではなく、いかなる時代においても基本中の基本と呼べるものですが、今の時代ほど必要とされる時代はないのだと思います。

 では、どうすれば「あなたから買うべき理由」を用意できるでしょうか。

 私がおすすめするのは、以下のフレームワークです。すべての枠に言葉を書き入れることができれば、「あなたから買うべき理由」が言語化され、人に伝えることができますので、売上はきっと伸びます。

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 このフレームワークは、以下の5つの窓から構成されています。
①Before(非理想的な状態)
 あなたの商品が解決しようとしている顧客の課題(不満、不安、不便、不快等)は何か?

②After(理想的な状態)
 あなたの商品/サービスは顧客にどんな結果(「不」が取り除かれた状態)をもたらすか?

③Product/Service(商品)

 顧客の「不」を取り除くために、あなたが提供する商品/サービスは何か?

④Competitor(競合)
 あなたの商品/サービスと競合関係にあるものは何か?

⑤Advantage(競争優位性)
 顧客が競合よりもあなたの商品/サービスを選ぶべき理由は何か?

 このフレームワークで重要なポイントは、お客さんが抱えている「不」の付くこと(不満や不安、不便、不快等)を見つけることです。顧客は不を解消するために、顧客の条件に合った最良の選択肢としてあなたの商品を買っているのであり、あなたの商品が欲しいから商品を買っているのではないことを理解する必要があります。

 つまり、iphoneが欲しいから買うのではなく、iphoneを買うことで取り除かれる「不」や満たされる何かを顧客は無意識のうちにイメージして買っていると考えます。

 その「不」を見つけることは簡単ではないと思うかもしれませんが、あなた自身も誰かの顧客であり、「不」を想像する能力は備わっています。その「不」について自分で仮説を立てて検証したり、実際にターゲットにインタビューしたりするなどすれば、「不」はきっと見つけられるので心配は不要です。

 また、「カスタマージャーニーマップ」を利用すれば、顧客自身も気づいていない潜在的な不やニーズを発見しやすくなるでしょう。


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