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机の上と生産性

 どのような会社でも生産性の向上はたいへん重要です。顧客に同じ価値を提供するなら、ムダを省いてこれまでよりも短い時間や少ないコスト、つまり生産性を高めて提供できる方が利益を出しやすくなりますし、競合との競争にも勝ちやすくなります。

 生産性向上を実現していくためには、机の整理整頓から始めることが絶好の機会です。なぜならば、机の整理整頓には生産性向上に必要な要素が詰まっているうえに、取り掛かりやすく、成果も見えやすいからです。 

机を整理整頓するメリットは?

初めに机の整理整頓を行うことのメリットについて紹介します。

メリット1 仕事に集中しやすい

 机の上に必要のないものがあると、気が散りやすくなります。目の前の仕事に集中しなければいけないのに、別の仕事の資料が目に飛び込んでくると「あれもやなきゃ、これもやらなきゃ」と集中を妨げます。

メリット2 時間を節約できる

 コクヨが2017年に実施した調査によると、仕事中に書類を探す行為に要している時間は1日約20分という結果が出ています。もし1年で240日仕事をしているとすると、年間で4800分(80時間)となり、1日8時間勤務だとすると10日も探し物をしていることになります。
 整理整頓をすることで、不要なものが排除され、いつでも取り出しやすい状態を作ることで探し物の時間は減ることは間違いありません。
 そして、節約できるのは探し物の時間だけではありません。机の上にPCや電話しかなければ、掃除の時間も削減できます。机の上にものをたくさん置いていると、それらをいちいち寄せて掃除をする必要があり、時間がかかる上に埃もたまりやすくなります。

メリット3 イメージアップ

 会社の内部において、机の上がきれいだと仕事もきちんとしている人だというイメージを持たれやすくなります。また、お客さんや取引先などの外部の人が来られた時に事務所全体がきれいだと、しっかりとした会社だというイメージを持たれやすくなります。

整理整頓を行う上でのポイント

次に整理整頓を行う上でのポイントについて紹介します。

ポイント1(整理)

 「整理」と「整頓」は似た言葉ですが、明確に違います。整理とは、必要なものと不要なものとに分類し、不要なものについては捨てることです。整頓とは、必要なものをいつでもすぐに取り出せるように整えておくことです。捨てることをせずに整頓ばかりしているとものが溢れかえってしまいますので、整理をしたうえで整頓を行うことが必要です。

ポイント2(整頓)

 整頓は、必要なものをいつでもすぐに取り出せるように所定の場所を整えておくことです。
 私が机の整理整頓に取り組み始めたころ、机の上にどうしても書類が積み置かれてしまう状態を解消できませんでした。その理由を考えてみたところ、「収納する場所を決めていない」というシンプルな結論に行きつきました。必要なものではあるものの収納する場所を決めていない書類は放置されやすくなりますので、必要に応じて収納場所を決めましょう。
 そして、使い終わったらすぐに元の場所に戻しましょう。

ポイント3(タイミング)

 整理整頓を行うタイミングはたいへん重要であり、以下の3つをおすすめします。
タイミング① その都度
 新しい書類を入手したら、その書類そのものが必要かどうかをその都度判断しましょう。また、新しいものが入ってきたら、出るもの(捨てるべきもの)もあるという意識を持ちましょう。その都度捨てていくことで、ものが増えにくくなりますし、判断力が鍛えられます。

タイミング② 終業時
 仕事が終わり、帰宅する前に机の上を片付けましょう。机の上にはPCと電話機だけが上がっている状態が理想的でしょう。なぜなら、この状態を会社としてルール化すれば、守れている人と守れていない人が一目瞭然となるからです。

タイミング③ 月末・年末などの節目
 上記①、②のタイミングでは必要だと思っても時間が経過すると不要となるものがあります。また、必要か不要かの判断が難しくとりあえずとっておいたものもあるでしょう。それらを取り除いていく時間を確保することがものを増やさないためにも必要です。
 そのタイミングとしては、月末や年末、年度末などの節目が有効です。例えば、毎月の最終営業日の16時からは整理整頓の時間としてスケジューリングするなど、習慣化に取り組みましょう。
 なお、1年以上使わなかった資料は、これからも使わない可能性大ですし、「使うかもしれない」=「不要なもの」と捉えて、思い切って捨てたほうがいいと思います。

机の整理を生産性向上のファーストステップに

 生産性向上はすべての企業にっての重要課題ですが、急に大きな変化を目指すと従業員の抵抗が大きくなるケースがあります。しかし、机の整理整頓であれば、誰でも取り組みやすく、気持ちもすっきりする効果があります。
 組織的に整理整頓をルール化し、きれいな状態を当たり前にできれば、汚い状態(整理整頓されていない状態)への違和感が生まれ、生産性向上の基礎ができているとも言えるでしょう。
 強い組織はムダを省くことの重要性を知っており、それが机の整理整頓につながっています。年末や年度末などは自主的に机の整理をする機会が多くなりますので、経営者はそれらのタイミングで会社のルールを導入してはいかがでしょうか。

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