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プログラムマネジメントって何?という疑問にちょっとだけ答えます

先日、RSGT2022に参加しました!初参加かつリモート(仕事があったので、大半がラジオ状態ですが。。)だったのですが、その熱気に圧倒されました。大変楽しゅうございました。

さて、そのRSGT2022のキーノートで、プログラムマネジメントの話が出ておりました。参加者の皆様の中には、初めて聞いた!という方もいらっしゃったのではないかと推察します。今日はPMIのプログラムマネジメント標準を元に、プログラムマネジメントってなんのこっちゃ?という話をしたいと思います。

裏表紙にこう書かれています;
「プログラムは、戦略的施策を実施する際に不可欠であることが証明されており、組織の成功にとって決定的に重要です。プログラム・マネージャーが関連プロジェクトをグループ化して調整するとき、組織は、それらのプロジェクトが個別にマネジメントされていたときには不可能だったベネフィットを経験します。」

で、プログラムって、何ですか??

標準1.2章から抜粋しますと、
「プログラムは、プロジェクトの個別マネジメントでは得ることのできないベネフィットを得るために、調和の取れた方法でマネジメントされる関連するプロジェクト、サブプログラム、およびプログラム・アクティビティ」

と、書かれています。その後ろに補足されていることをザックリまとめると、「複数のプロジェクトや何やかやをまとめてプログラムとして管理しましょう。なぜならそうすることで、スポンサー組織や組織構成員にベネフィットを提供できるから。」なのです。

このページで常に言っているのは、「ベネフィットを創出する」ということです。プロジェクトの目的はプロジェクトのQCDを達成し、プロジェクトを成功させることであるのですが、プログラムはプロジェクトを束ねた上で、ベネフィットを得ていきましょう、ということです。

ではベネフィットとは何でしょう?定義としては、「プログラムによって遂行された成功の結果として、組織やその他のステークホルダーが実現した利益と資産」となっています。もうちょっと具体的に言うと、

・非営利団体では、社会的価値(例えば健康、治安または社会保障の改善)の形でベネフィットを提供する場合がある。
・商業組織では通常、事業価値の形で組織的ベネフィットを提供される。
・事業価値は、ビジネスのすべての有形要素と無形要素の合計として定義することができる。例えば、有形要素には金融資産、設備、備品、株主資本、ツール、市場占有率、実益などが含まれる。無形要素には、のれん、ブランド認知度、公益性、商標、コンプライアンス、評判、戦略上の整合、能力などが含まれる。

イメージできましたでしょうか?

なぜプログラムマネジメントが必要なの?

私がプログラムマネジメントの導入的なことをした、その時の話を例にしたいと思います。
お客様はとあるプロダクト、例えばカーナビと思ってください(カーナビではないです!)。カーナビは毎年新製品を世に送り出すのですが、共通するサービスが存在します。例えば、オンラインでアプリをアップデートし課金する仕組み、みたいなものです。

このサービスは今後非常に重要な基盤になると位置づけられておりましたが、サービス1.0(今年発売モデル用)と2.0(来年モデル用)と3.0(最終形)を別々のプロジェクトとして開発しており、何の連携もなされていませんでした!そのため、最終形がいったいどうなるのか、誰にも判らなくなっていたのです。

本来ならば、このサービスがこれからどうなっていくのかを見越して、1.0~3.0を設計しリードしていく必要があります。全体としてどのようなベネフィットを得るのか?組織として戦略を考えなくてはなりません。そのために限りあるリソースをどのように使うか、全体的なロードマップをどう定めるか?などを検討し、整合が取れた形で各プロジェクトを遂行していきます。

この時サービス1.0~3.0をまとめたものを「プログラム」、このプログラムを管理することを「プログラムマネジメント」と呼びます。

プログラムマネジメントって、何をするの?

標準に定義されているプログラムマネジメントの活動は、パフォーマンス領域に以下の5つが定義されています。

・プログラム戦略の整合
・プログラム・ベネフィット・マネジメント
・プログラム・ステークホルダー・エンゲージメント
・プログラム・ガバナンス
・プログラム・ライフサイクル・マネジメント

中の細かい話をし始めると長くなるので、今回は各活動に書かれている章のタイトルだけ抜粋しておきます。それで全体の雰囲気は掴めると思います。詳しくは、先頭にリンクした標準書をご覧ください。

1)プログラム戦略の整合 ※()内は私の補足
・プログラム・ビジネス・ケース(の開発)
・プログラム憲章(の作成~承認)
・プログラム・ロードマップ(の作成)
・環境アセスメント
・プログラム・リスク・マネジメント戦略(の立案)

2)プログラム・ベネフィット・マネジメント
・ベネフィット特定
・ベネフィット分析と計画
・ベネフィット提供
・ベネフィット移管
・ベネフィット維持

3)プログラム・ステークホルダー・エンゲージメント
・プログラム・ステークホルダー特定 ※以下、「プログラム」は省略
・ステークホルダー分析
・ステークホルダー・エンゲージメント計画
・ステークホルダー・エンゲージメント
・ステークホルダー・コミュニケーション

4)プログラム・ガバナンス
・プログラム・ガバナンスの実務慣行
・プログラム・ガバナンスの役割
・プログラム・ガバナンスの設計と実施

5)プログラム・ライフサイクル・マネジメント
・プログラム・ライフサイクル(の定義)
・プログラム・アクティビティと統合マネジメント
 ↑ここに、プログラムの管理ごとについてが書かれている。
 財務マネジメントや品質マネジメントなどなど。

最後に

いかがでしたか?
これならPOがやってるわ、という内容もあるかもしれません。もし何か「これは不足してるかもしれない、やった方がいいかもしれない」と思われるものがあれば、お試しになってはいかがでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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