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最近のジャニーズ事務所のニュースを目にして思い出したこと

もう約36年前にもなるのか、、、、テレビ、映画の仕事をしていたけど、ジャニーズのメンバーに関わったのは一度しかない。どのくらいの期間だったろうか。当時売出し中の光GENJIのテレビドラマ「危ない少年」が、撮影が追っつかず、オンエアーが間に合わないということで、急遽全く関係なかったいわゆる本来はフィルムスタッフであったメンバーがかき集められ、何本か撮影した。私もお声がかかった監督から頼まれ、急遽参加した。

いやー、いつもの1カメで撮るフィルム映画と同じ撮影スタイルとは違い、いわゆるたくさんのカメラが回るスタジオや、人をカメラで追う「テレビの撮影」しかやったことがないGENJIの子供たち。チャントまともにセリフを言わすことだけで苦労した。

今までは、自分たちが勝手に動くのを、カメラが捉えてくれるという撮影だったのが、こっちは、「ほらそこから歩いてきて、ここに立ち止まってこのセリフを言う」なんて、決められたことをしなければいけない。「いいねえ」としか言わないスタッフと仕事していたのが、いきなり、「勝手なことするな、真面目にやれ」と怒るスタッフと仕事することに成った彼らも、最初は戸惑ったかもしれないが、こっちも子守は本当に大変だった。
特に私の仕事は、記録として、監督が望む芝居、セリフを別撮りしても、きちんと前後がつながるようにしなければいけない。 

大沢樹生、内海光司の二人の芝居が中心で、何とか二人を競争させて、良い芝居をさせたいと思うこちら側の気持ちが通じたのか、「本物の芝居」を求めるこちらの意図を知り、徐々に彼らも、私達との撮影を楽しんでくれるように成った(と思う)。少し年下の諸星君、山本君、佐藤君は、まあセリフが言えればいいやって感じ。

しかし、そこはまだまだ若い彼ら。毎回、何日間か、東京サマーランドに泊まり撮影したのだが、彼らにとって、そのホテルの宿泊は、楽しい合宿のノリだったのか、夜遅くまで大声ではしゃいでいた。そのあまりのうるささに、撮影部のチーフが、「静かにしろ」と注意したらしい。そしたら、大事に成った。彼らに文句を言うスタッフは今までいなかったらしい。馬鹿なマネージャーが、「こっちはスターだ、たかがスタッフが文句を言うな。文句を言ったヤツを首にしろ」と制作部に文句を言ったらしい。

こちとらのスタッフ形成がどういうものか、知らないな!監督が撮影、照明、録音の技師を選び、例えば撮影部は、カメラマンが撮影助手を連れてくる。だからスタッフは、有る意味、監督が連れてきたスタッフだ。先ずカメラマンが「だったら俺も下りる」といい、当然、冗談じゃあない、じゃあ俺も、私も、となる。で、もちろん、オンエアーが間に合わないからと組まれた撮影スタッフ。今更新たなチームを組んで、撮り勧めるなんてことは出来ず、そのまま誰も首にならず撮影続行。ただ監督が撮影チーフに、「まあ、アイツラもまだ子供だからさ、ちょっと大目に見てよ」とお願いする。

しかしこの事件は、その子供たちの目をちょっと覚まさせることにもなったと思う。だって、これが本来の「映画」の撮影なんだから。どんな偉大な俳優だって、いや、偉大な俳優こそ、スタッフを大事にする。だって、かっこよく写してくれるのは彼らだから。スタッフの腕が、作品の良し悪しを決める!それが私達スタッフが仕事をする上でのプライドでも有る。どんなに過酷な環境でも、自分の能力の全てをつぎ込む。(安いギャラでもよく働いた!)

彼らに、「スパッツおばさん」とからかわれていたあの頃を思い出した。

ああ、彼らは、どんな事を思ってあの時仕事をしていたんだろう、、、、サマーランドの宿泊は、羽目が外せる楽しいひと時だったのかなあ、、、、、

芸能界のセクハラ、、、おい、昭和の時代だぜ。何処にでも有ったよ。「止めて下さい」って言えると思う?スターになれるかどうかなんてものではなくても、大好きな仕事が出来なくなるかもってことなんだから。色々有ったと思う。

私がこの業界に入りたいと言った時、或る女性の先輩に言われた。「あなたは色気がないから、この世界に向いてると思う」と。だから私自身がセクハラされたことはない。でも、色々見て、聞いたことだけは確かだ。

ジャニーズの会見で一番気になった言葉「有名に成った子たちは、必死で努力して成った。努力でセンターを取った」そりゃ、そうでしょ。でも、「嫌だ」とジャニーを拒絶してその才能を開花させることも、努力する機会も、少年の夢も潰された多くの子供たちはどうなの!!その子達の犠牲の上に成り立ち儲けた企業である限り、儲けた金は全て、全ての関係者に還元されるべきだ!有名になったからといっても、一株ももらえず、安い月給で働かされ続けていたわけで。

何だか無性に腹立たしかった!私の青春でも有ったあの頃、、、、、

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