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見えない訪問者

ある町に、若い夫婦が新しい家に引っ越してきました。

家は古いものでしたが、広々としており、
二人は新しい生活を楽しみにしていました。

しかし、引っ越してから数日後、奇妙なことが起こり始めました。

最初は小さなことでした。


家の中で物が勝手に動いたり、夜中に奇妙な音が聞こえたりしました。

夫婦は最初、これを気にしませんでしたが
次第にその現象はエスカレートしていきました。

ある夜、妻が一人でリビングルームにいたとき、
突然電気が消え、真っ暗になりました。

慌てて電気をつけ直そうとしたその瞬間、
彼女は背後に何かの気配を感じました。

振り返ると、そこには誰もいませんでしたが、
冷たい風が彼女の頬を撫でました。

夫が帰宅すると、妻はその出来事を話しましたが
夫はそれを気のせいだと言って取り合いませんでした。

しかし、その夜、夫も同じような体験をしました。

寝室で寝ていると、突然重い足音が聞こえ
目を覚ますと部屋の片隅に人影が立っているのを見ました。

驚いて電気をつけると、その影は消えていました。

二人は恐怖に駆られ、何が起こっているのかを調べることにしました。

近所の住民に話を聞くと、その家にはかつて一家惨殺事件が起こり、その後誰も住み続けることができなかったということが判明しました。

それ以来、夫婦は夜になると不気味な気配を感じ、家の中に何かがいることを確信しました。

彼らはついにその家を離れることを決意しましたが
家を出る最後の夜、二人は同じ夢を見ました。

その夢の中で、彼らは一緒にリビングルームに座り
背後から何者かが近づいてくるのを感じました。

振り返ると、そこには顔の見えない何者かが立っており、冷たい手が二人の肩に触れました。

翌朝、夫婦は急いで家を出ました。

それ以来、二人はその家には二度と近づきませんでしたが、夜になると時折その家の方から人の囁き声が聞こえると言います・・・

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