はちみつ大根
はちみつ大根という、飲み物でも食べ物でもない謎の料理がある。
大根を切ってはちみつに一晩程度つけとくだけのものなので、料理でもない気がする。
名前からして絶対美味しくないに決まってるんだけど、控えめに言って、とっても不味い。
「日本一まずい店」みたいなキャッチコピーをつけて逆に気になった人間を呼び寄せるみたいな飲食店あるけど、大体普通に美味しい場合が多いじゃん。そういうお店たちに唐突に腹が立ってくるほどの不味さである。
世の中の不味いものって個人差もありつつ色々あるけど、そのもの自体がくさいとかまずいとか、味がないとか濃すぎるとか、好みじゃない、のどれかだと思う。
はちみつ大根はどれでもない。
唯一無二の不味さである。キングオブ不味い。
あえて言うなら、その組み合わせはいけない。という感じかなあ。
大根のthe大根な部分の味というか不味い部分のエキスと、はちみつのねっとりとしつつも控えめな甘みと香りがコラボして本当に不味い。
最初ははちみつでもっちりしてるんだけど、時間が経つと大根から大根のエキスが染み出して、ちょっとシャバシャバしてくるのもなんか嫌。
しかもメインはそのシャバ汁の部分なので(それも意味わからん)、大根は絶対に食べてはいけない。
はちみつにエキスを吸い取られてシワッシワになった大根は、気が遠くなるほどまずいから。
インターネットのレシピでは「大根は漬物のように頂くことができます」とか「きんぴらにして食べると美味しいです」とか書いてあるけど悪質なデマすぎる。インターネットを信じてはいけない好例である。
勿体ないとかいう気持ちは大切だけど、長い人生の中、捨てなきゃいけない思い出だってありますからね。
どうしてもというのなら庭にでも撒いたほうがいいと思うけど、どす黒い花が咲くかも。
ていうか、枯れそう。お花が可哀想。
はちみつ大根を最初に考えた人マジで頭がおかしいと思う。何をどうしたらそんな食い物を考えつくのだろう。その才能が憎い。
と、ここまでdisっておきながら、私は秋冬によくはちみつ大根を作る。
今日も作った。
相変わらずの不味さに本当に腹が立つけど、
ではなぜ作るのか。
実はこのシャバシャバした謎の汁を少しだけスプーンにとってなめると、とっても喉に良いのである。
(ちなみにお湯で割ると良いとの話もあるけど、不味さが変に薄まってさらにまずいのでやめたほうがよい)
1時間に2-3回くらいちびちびつまむと、ガラガライガイガがかなーり楽になる。のど飴やせきどめ、加湿器やらなんやらより私には優しくて、楽になれる。
喉が弱気味&風邪ひくといつまでも咳が残る私のようなタイプにはオススメしたい……けどめっちゃ不味くてオススメしない。どっちやねん。
良薬口に苦し、はちみつ大根喉にまずし。
でも、もしかしたら美味しいと思う人もいるのかもしれないし、喉に効かない人もいるかもしれない。
咳やのどが、あんまりにも酷い時は病院が1番なのは言うまでもないです。一応ね。
是非是非、みんなもオリジナルくそまずはちみつ大根を作って、そのありえない不味さを体感してみてね。
それでは、はちみつ大根、なめてきます。
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