【高校物理】『特講 振動』 電磁気「電気振動」と 力学「単振動」
【特講 振動1】実力テスト1
講義を始める前に,今の自分の実力を確認してください。
実力テスト(3回シリーズ)を用意しました。
この「実力テスト1」は,厳密にいうと振動しません(笑)
( 𝑹𝑪>2√(𝑳𝑪) のとき,振幅がだんだん小さくなる電気振動が起こります
(詳しくは微分方程式を解かなければなりません)。)
図2から現象を読み解いていくのですが,
なかなか興味深いことが起こります。
【特講 振動2】実力テスト2
コンデンサやコイルが回路に含まれる場合,
スイッチを入れた瞬間から十分時間が経つまでの間に何が起こるか
を考えさせる入試問題は非常に多いです。
グラフで答えさせることも多いのですが,
横軸が時間ではないものもあります。
𝑰-𝑽 グラフはその典型ですが,
今回はこのグラフを利用してジュール熱を求めよ,という問題です。
グラフの利用の仕方っていくつ思いつきますか?
【特講 振動3】実力テスト3
いよいよ電流が「振動」します(笑)
ⅠとⅡは問題文に目を通すだけで大丈夫です。
Ⅲを解いてください。
この問題を生徒に解かせるとき,Ⅲの解法に注目しています。
君はどの解法を選択しますか?
(このツイートでは1つだけ紹介しています。もう1つは後ほど)
【特講 振動4】(講義1)力学概観
「微分積分」は物理現象の理解に必要なので使います。
「使わなくても解ける」という人もいますが,
その人の物理現象に対する理解度は低いと言わざるを得ません。
「電気回路」の問題を解くためには,
「力学問題の解法」を微積分を使って概観する必要があります。
微積分に慣れていない人も,ここは頑張って読み進めてほしいんやね。
最後に 感動 が待ってます。
「電気振動」と「単振動」とのきれいな対応関係が見られるのです。
動画もつくっています。ツイートの下にリンクを貼っておきます。
【特講 振動5】(講義2)電磁気概観
この「講義2」は,どこを切り取っても重要なことがらが並んでいます。
一つひとつ自分の手で式変形を確認してください。
後ほど,この添付ファイル8枚は何度も何度も見返してください。
マニュアルとして使い倒そう!(笑)
(注)6枚目の添付ファイル「放電」のグラフですが,
接線の 𝒕 切片が間違えています。正しくは「𝟐𝑪𝑹」です。
注意をしてください(PDFファイルは訂正済みです)。
動画もつくっています。ツイートの下にリンクを貼っておきます。
【特講 振動6】(講義3・例題)電気振動
【特講 振動3】実力テスト3で「エネルギー保存則」で解いた問題を
「キルヒホッフ第2法則」で解きなおしましょう。
その後の【講義」では,
電気回路問題の解法において,
「電気振動」が特殊な場所に位置していることを示します。
この講義で私が述べていることが,
実戦問題を通して少しずつ伝わっていけばエエなぁと期待しています。
動画もつくっています。ツイートの下にリンクを貼っておきます。
(注:問題の内容を少し変えています)
【特講 振動7】(講義4・例題)座標変換
岐阜大学(1981年)<改題> 過去問解説
「座標変換」について,きちんと書かれたものがないなぁ,
と常々感じていたので,
この「特講 振動」で基本事項をまとめてみました。
しかし実は,ツイートの中でも述べていますが,より重要なのは,
「座標変換しないで処理ができるようになること」です。
「例題」の解答・解説は,それを念頭においたものとなっています。
【特講 振動8】(実戦問題1)
東京大学(1998年) 過去問解説
講義(講義1~4)で学んだことを
実際の入試問題を解くことで確認しつつ,体得していこう!
必要があれば,【講義】に戻ろう。
今回の問題は,「終端速度型」と「単振動型」。
Ⅱ(3)が終端速度型。
できることはキルヒホッフ第2法則を立てること。
電流と電流の時間微分との関係式が得られる。
そこから,電流の時間変化の特徴を考えさせる問題。
𝑰-𝒕 グラフを描かせる入試問題もあるので,ここで練習をしておこう!
Ⅲの問題は,「コイル 𝐋 に流れる電流」のグラフ(図2)が与えられている。
このグラフ(電流最大値から振動)からも,スイッチ S₁ を開いた瞬間,
コンデンサにははじめ電荷が蓄えられていなかったことが分かる。
動画もつくっています。ツイートの下にリンクを貼っておきます。
【特講 振動9】(実戦問題2)
九州大学(1999年) 過去問解説
この問題の解説が,「特講 振動」で最も強調したかったこと
だと私は考えています。
「微分方程式が解ける」だけでは,
電気振動の問題を本当に解けるようになりません。
微分方程式を立てる前の準備が重要なのです。
具体的に言うと,「未知量の置き方」です。
この問題の問3の解説では,
問題集でよく見られるものを2つ示した後,
電荷保存則とキルヒホッフの法則のみを使った解法
(【マナブ解説】)を紹介しています。
未知量の置き方がいかに大事かが実感できると思います。
そして,「よくある解説」が本質を突いていないということも…。
動画もつくっています。ツイートの下にリンクを貼っておきます。
【特講 振動10】(実戦問題3)
岡山大学(2011年) 過去問解説
誘導起電力は,
電流の向きが決められれば,その電流を流す向きが正となります。
ただし,この問題のようにグラフが与えられている場合は,
その向きで合っているかどうか確認する必要があります。
「電気振動問題」をキルヒホッフの法則で解くことに慣れてきた
ところですね。
そろそろ…
エネルギー保存則で解くのがわずらわしくなってきていませんんか?(笑)
【特講 振動11】(実戦問題4)
名古屋大学(1988年) 過去問解説
この問題は “いわくつきの” 問題です。
解答にばらつきが見られる(2種類の解答が存在する)のです。
どちらかが間違えているのでしょうか?
それぞれの解答をした人の「言い分」を考えてみました。
ツイート内でも述べていますが,
この問題をちゃんと解説しようと思い,「特講 振動」を作りました。
動画もつくっています。
実戦問題5のツイートの下にリンクを貼っておきます。
【特講 振動12】(実戦問題5)
大阪大学<後期日程>(1991年) 過去問解説
この問題は,
本質的には「実戦問題4」の名古屋大学(1988年)の過去問と同じです。
大阪大学の作問者は,名古屋大学の問題を見て(安心して?),
この問題を出題したのだと私は予想しています(笑)
動画もつくっています。ツイートの下にリンクを貼っておきます。
【特講 振動13】(実戦問題6)
東京医科歯科大学(2017年) 過去問解説
「位相差」は波動分野特有の考え方ではありません。
力学でも,電磁気でも扱われる非常に重要なとらえ方です。
(難関大入試では必須事項に挙げられます)
この問題では,「位相のグラフ」を利用する方法の紹介をしました。
別解も読み飛ばさずに,取り組んでください。
途中で単振動の振幅が変化する運動です。
振動中心や,折り返し点から振動が始まるとは限りません。
中途半端な位置から振動が始まるとき,どう処理をすればよいか,
を考えましょう。
微分方程式の一般解をおき,初期条件から係数を決めていくという
オーソドックスな方法をこの問題でおさえておきましょう。
【特講 振動14】(実戦問題7)
東京工業大学(2012年) <改題> 過去問解説
ここで,力学・電磁気の総合問題を解きましょう!
中身の見えるコンデンサの問題です。
極板にバネまでついています(笑)
振動系の問題は,初期条件をしっかり押さえることが重要です。
振動中心や振動の周期には影響しませんが,
初期位置,初速度で振動の振幅が決まります。
微分方程式(運動方程式)の一般解の置き方を2通りにして解いてみました。
(駿台の)講師は【解説】で示した置き方が好きみたいですが,
本質的には同じです。
【特講 振動15】(実戦問題8)
東京大学<後期日程>(2001年) 過去問解説
「電気回路」は結局,キルヒホッフの法則で解ける
ということを何度も示してきましたが,東大後期の問題も解けます。
(君にもし時間があるのならば,じっくり解いてほしい問題です)
合成容量の公式を使って…というのが,この問題の一般的な解法ですが,
ここでは「キルヒホッフの法則」で解きたいと思います。
その解答から逆に,
「合成容量の公式」を使ってもいい
ということが分かるのです。
これは,時間があるときに一度は導いておきたい事実です。
この問題には解説動画があります。
まだ観ていない人は是非!
【特講 振動16】(実戦問題9)
東北大学<後期日程>(2018年) 過去問解説
一見難しそうに見えて,問題を読むと何が起こるのかが書いてあります。
後期日程の問題としては,少しヒントが多いような気もします。
東北大学の過去問をさかのぼってみると,
何度か「合成インダクタンス」に出会います。
「お,また会ったね」となぜか嬉しくなります(笑)
【特講 振動17】(実戦問題10)
東京慈恵会医科大学(2020年) 過去問解説
循環器系で起こる現象を,電気回路として考察させます。
しかし,
はじめの前置きが非常に長く,期待をもたせるだけもたせて,
結局はただの「交流回路」の問題です(笑)
交流回路の基本事項を確認する問題として使えます。
【特講 振動18】(実戦問題11)
慶應義塾大学 過去問解説
交流回路の数値計算問題です。
医学部医学科の入試問題は,実効値で議論させることが多いので,
医学科受験生はこの問題で慣れておきましょう。
ポイントは,
「実効値どうしではキルヒホッフの法則は成り立たない」です。
また,「電流と電圧の位相のずれ」に関しては,
暗記ではなく,計算して確かめられるように。
とりあえず電流の瞬時値を sin か cos で置いてしまいましょう。
【特講 振動19】(講義5・例題)
オシロスコープ
ブラウン管の原理は,今の受験生にはなじみのないものかもしれません。
問題の図を見ても,
それがかつてのテレビの中身であるとは思いもしないでしょうね。
最近の入試問題で,オシロスコープが出題されても,
「オシロスコープの画面は図のようになった」という表現で,
どのようにそのグラフが画面上に現れるのかはブラックボックス…。
今のテレビの液晶ディスプレイやプラズマディスプレイの説明は
高校物理範囲ではなかなか難しい。
高校物理で説明できるものが,身の回りからどんどんなくなっていく
という危機感を覚えています。
そういえば,
近所の公園から「シーソー」「ジャングルジム」「地球儀」などが
どんどんなくなっているのも気になります。
あ,グルグル回るジャングルジムのような遊具のことを
私は「地球儀」って呼んでいたのですが,
正式名称は「グローブジャングル」というそうです。
【特講 振動20】(実戦問題12)
東京大学(1983年) 過去問解説
この問題が出題された当時の受験生にとって,
「ブラウン管」は,入試の必須事項で,
「講義5」にある「基本事項」は(おそらく)すべての受験生が知っていた事実でした。
しかし,現在の受験生にとっては常識ではありません。
ですので,今後,
この東大の問題のように「ノーヒント」での出題はないと思われます。
(注: 前期日程では)
【特講 振動21】(卒業テスト1)
いよいよ最後のまとめ,卒業テストです。4回分あります。
(単振動だけではもったいないので)
単振動にいたるまでにもいろいろな要素を含んだ力学問題になっています。
力学の総復習です!
ただし…
単振動の問題にたどり着いた時には,解く気力がもう残ってない?(笑)
【特講 振動22】(卒業テスト2)
「電気振動」だけでなく,
誘導起電力が生じている導体棒の運動に注目した問題が網羅されています。
「様々な回路素子を導体棒につないだとき,導体棒の動きがどうなるか」
を力学・電磁気学の両面から解明していきます。
【特講 振動23】(卒業テスト3)
ここまで「特講 振動」の問題を解いてきた人は,
「振動系の問題はもう大丈夫!」という自信があると思います。
「回路問題は結局『キルヒホッフの法則』でしょ?」と
少し辟易気味に言うかもしれませんね(笑)
この問題(卒業テスト3)は,
そういう人に是非解いてみてほしい問題です。
【特講 振動24】(卒業テスト4)
最後に,難問を1問(笑)
これは,20年以上前の,河合塾『東大オープン』の問題です。
現在,書店に並ぶ本には載っていません。
しかし,このまま忘れ去られるにはもったいない問題なので,
ここに復活させます!
Twitter上でほぼ1か月間半続けてきた「特講 振動」はこれで終了です。
力学「単振動」と電磁気「電気振動」を対比させながら理解していく
という新しい試み。
どうでしたか? 楽しめましたか?
ちなみに私はこの内容を,90分×2コマ×4日間の講習で毎年行っています。
以上です。
マナブ
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