見出し画像

洋書のすゝめ② 洋書を読むときの注意点


前回に引き続き、「受験英語の長文対策は洋書を読め」という話をしていきます。前回はメリットをいくつもあげましたけれども、「そうは言っても、あんな分厚い本を全部英語で読み切るなんて…」という方、多いと思います。

そこで今回は、途中で挫折しないために、そして何よりも洋書をちゃんと楽しめるように、「読むときはこれに気をつけろよ」というポイントを伝授します。


・先に元ネタを知っておく


洋書デビューする時は、必ずある程度ストーリーの中身を知っている作品を選びましょう。

「は?ネタバレされといて何が楽しいねん」

まあまあ、そのお気持ちもわかりますけどね、洋書一発目でハズレを引いたら、絶対に二冊目を読む気力なんて湧きませんし、なんなら一冊目も途中で挫折するじゃないですか。ただでさえつまらない本なのに、全部英語で書いてあったら、誰が好んで目を通すんです?そんな紙束。

我々の第一目標は洋書の読破です。一度読破して、「やった、自分には洋書を読破するだけの英語力がある」という成功体験を作ることこそ、持続して洋書を読むためには必要になるわけですよ。

そのためなら多少のショートカットは厭わないのがいいじゃないですか。何もかもが初めましての物語よりも、ストーリーを人から聞いたり映画で見たりしているものを読む方が、ちゃんと最後まで読めそうですよね?

元ネタは吹き替えの映画とかが最高ですね。ある程度は本のストーリーに沿いつつも、訳書と違って一挙一動まで同じというわけでもないから、本を読んでいてあまり飽きない。しかも吹き替えされるくらいですから、かなりの人気作のはず。売れてる以上はある程度大衆ウケがいい、つまりそれなりにわかりやすい本だということが期待されるわけです。

この論理で、訳書はあまりオススメしません。私も洋書慣れしてからリチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子(原題:Selfish genes)」を訳書と洋書で並行して読んでいたのですが、結局訳書で通読したら洋書を読まなくなりましたから。


・辞書を引かない


洋書を読むときには基本的に辞書を引いてはいけません。ラジカルすぎますか?でも皆さん思い起こしてみてください。普段日本語で本読むときに辞書なんて引かなさすぎて、かえって国語とかだと「辞書引け」って言われるくらいじゃないですか?

国語で辞書引くか引かないかは置いといて、洋書で辞書引き出したら止まりませんよ。「高校n年生ならこれくらいの単語は注釈つけてあげないと」みたいな配慮が一切ありませんから、1ページ読むだけで何回も辞書とにらめっこしないといけなくなります。下手したら読みたい本より辞書の方が時間かかってるかもしれないですからね。

日本語でわからない単語があっても、漢字から推測したり文脈から予想したりして、極力辞書は使わないように読み進めるじゃないですか?あれを英語でもやればいいだけの話なんですよ。まあこれはドラゴン桜の受け売りですが。

もっと言えば、辞書なんて引かなくても読めるような本を選ぶのがいいですね。ハリー・ポッターみたいにある程度子供が読むことを前提に書かれている本だったりは、高等な単語は少ないので比較的読みやすいと思います。

「そんな辞書引かなくていい本かどうかなんて、読む前からわかるわけないだろ。」

なるほど、おっしゃる通りだ。という方に向けて、後々オススメの洋書・オススメできない洋書をご紹介しますので、ぜひそちらを参考に。


・わからない部分は読み飛ばす


辞書の流れで話を続けると、洋書読んでて「あれ?ここ何言ってるんだ?」ってところが度々出てきます。度々なんてもんじゃないですね、かなり高頻度です。半分超えてもおかしくないですよ。

そんな「難所」は洋書という性質上、少ない本を選ぶことはできても、ゼロにすることは非現実的です。じゃあどうするか。ええ、読み飛ばしてしまいなさい。

「それじゃあ本読んだことにならないじゃねーか」

そうですか?いつまでもわからないところでウジウジして、結局1日1ページも進捗を生めず、挙げ句の果てには途中で挫折することになるよりかは何倍もマシだと思いません?

洋書を読む際は一言一句を理解するのではなく、文章全体を読んで大まかなあらすじを理解することを目標としてください。仮に全体の1%しか理解できないとしても、数ページ分は情報量があるわけじゃないですか。数ページってなかなかですよ。世の小学生が夏休みの40日をかけても埋めきれないくらいですからね。あら、皆さん原稿用紙3枚も書いたんですか。へえ、1200字ね。なかなかやるじゃない。

それと、100%理解できないなんてことはありませんから、そこは安心してください。いや、ホントですって。流石に My name is Edward Joseph Snowden. は小学生でもわかるやろ?


・チャプターが細切れのものを選ぶ


できるだけチャプターは細切れのものを選びましょう。頭の良いみなさんならある程度理由をお察しのことと思いますけれども、丁寧にご説明いたしますのでご安心を。

まずチャプター1つ1つが短いと「今日はここまで読もう」というゴールを短めに設定できますから、かなり楽に読書を続けることができます。チャプターというのはもちろん章立てですが、他にも空行などでサブチャプターを成しているものでも構いません。とにかく視覚的に明確に「ここまでがゴールだ」とわかるようなものが短ければ短いほど良いですね。50ページ先までキリのいいところがありませんって、そりゃ酷ですよ。

もっとプラクティカルな理由もあります。チャプターのインターバルが短いと授業の間の休み時間や通学途中の電車内で読むことができるんですよね。要は「この時間は洋書のためにとっておこう」というように、本腰を入れる必要がありませんから、勉強の合間の息抜きになるだけじゃなく、読もうとするときの心理的なハードルも低くなるんですよね。

そして何より疲れない。英語ってムダに体力消耗する(だからトレーニングとして洋書を読んでる)わけですが、当然インターバルが短ければ必要な体力も少なくて済むので、読んだ後の勉強に体力を温存できます。

「チャプター1つが1ページもないような、めっちゃ短いやつでもええんか?」

いいですよ。「今日は体力あるな」と思ったら、そのまま次のチャプター読んじゃえばいいだけの話ですしね。ホントに面白い本なら続きが気になってそのまま読み進めちゃいますから。

短いもので慣れたら徐々にチャプターが長い本を読んでいくことで、着実に力がついていることが目に見えてわかります。そのレベルまで到達した頃には、読み始めた頃ほど洋書が苦になっていないはずです。


・何度でも読みたいと思える本を選ぶ


一番最初に読む洋書は、とにかく面白いものを選んでください。洋書は最初ほどしんどいです。何度も心を折られかけますけれども、そのときに本の中身が抱腹絶倒ものであれば「やっぱ読もうかな」となります。いや、抱腹絶倒って、コミカルなもの読めってわけじゃないですけど。

最初の一冊をクリアしたら、間違いなく英文読解の力がついています。そしたら知らないストーリーにチャレンジしてみてください。三冊を超えた頃には洋書を読む苦痛もあまり感じなくなってきていると思いますよ。


まとめ


今回は洋書を初めて読む際にどんなポイントに気をつければいいかご紹介してきました。日本語ほどとは言いませんけれども、量を重ねるとちゃんと洋書が読めるようになります。「英語の本読めるの?キャー、ステキ。惚れちゃいそう」なんて言われる日も遠くない。

次回はそんな洋書どこで手に入れるのかという話をしていきます。

「そんなもん、Amazon でポチれば一発やろ」

まあ、その通りではあるんですけれども、棚一面の要所に圧倒されてみるのも一興じゃありませんか。という話を織り交ぜていこうかなと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?