なんで授業範囲外の勉強しようって思うの?①
「学校の授業がつまらんって思ってるヤツは授業外の勉強せぇ」って文章を前回書きましたが、「お勉強なんてあんまする気にならねーよ」と思われることでしょう。「は?何こいつ、授業でもねーのに勉強してんの?怖いわ〜」なんて言われかねませんので、ちょっとここらで釈明が必要でしょうかね。
ということで、
「あの of ってそういう意味だったの!?(英文法)」
「交流回路のリアクタンスって覚えんでええやんけ(高校物理)」
「イプシロンデルタって何よ(数学 極限)」
なんて話も織り込みつつ、3本編成で弁解の場を設けたいと思います。
なんで指導要領外? 単純に知的好奇心
要するに「もっと知りたい」ってことです。勉強なんて大体こうですよね。子供の頃、親に何で地球が太陽の周りを回っているのか聞いたのに始まって、今でもその好奇心の残香で勉強していると言ったところでしょうか。
「勉強に好奇心なんて微塵も感じたことない」という方々は、この後ちょっとした仕掛けを施してありますので、ちょっと読んでもらって判断してみてください。
今まで闇雲に暗記させられていたことが理解できると、雷に打たれたような衝撃を受ける
これは言葉だとなかなか伝えられないんですが、あの衝撃は本当に快感ですね。決して変態的な趣味で言ってるんじゃないですよ、マジでそう思うんです。
ただ人によって何を学んだ時にそう思うのかは変わってくるでしょうし、現時点での知識量にも左右されますので、例を挙げることがなかなか難しいんですが、ちょっと挑戦してみましょう。
英語の例から見てみよう 学問って面白い
英語では「動詞を名詞の形で使う」ということがよくあります。例えばこんな表現。
The love of nature
これ、単純に「自然愛」と訳されても、わかったようでわからない意味になりませんか?これをちゃんと文法的に解析してみます。
はじめの名詞 love は、ご存知の通り「愛」などと訳されますが、元々はそんな抽象的な意味ではなく、あくまで I love you. の love を名詞の形にしただけです。「自然愛」という言葉がちょっと腑に落ちなければ、言葉のレベルを少し下げて「愛する」と訳しておきましょう。
じゃあその次の of は何なのか。その答えは the love of nature「自然愛」に「愛する」を代入してみればわかりやすいでしょう。「自然 愛する」これって「自然を愛する」ってことですよね。そう、ここで日本語を成立させるために入れた「を」という助詞に相当するのが of です。つまり目的格関係。love が動詞で nature が目的語であることを表しています。
したがって the love of nature 全体をうまく訳してあげると、「自然を愛すること」となって、最初の「自然愛」と比べると一気にわかりやすく馴染みやすい訳になったんじゃないでしょうか。
逆に動詞と目的語の組み合わせを「動詞の名詞化 + 目的格関係の of + 目的語の名詞」で表すこともできます。例えば「人民を統治する」という述語-目的語関係。「人民」は people,「統治する」は govern で表せますから、まずは
Govern people
とできる。これを名詞化するとなると、govern の名詞形が government ですから、かの有名なリンカーン大統領のゲティスバーグ演説が出来上がるわけです。
Government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the earth.
人民の、人民による、人民のための政治は、地上から決して絶滅しない。
「人民の」と「人民による」って、一見意味同じですよね。それは people を govern の主語と捉えてしまっているからであって、本来的な意味は「人民を、人民によって、人民のために統治すること」なんですよ。高校でこの意味を知ったときに、
「そういうことだったのか!なんで今までこんな簡単なこと教えてくれなかったんだ!!」
と衝撃を受けましたね。「衝撃も何もない」って?困りましたねぇ、ネタはまだまだあるんですが、これ以上知識をひけらかすとどこで後ろ指さされるかわかったもんじゃないですから…。
まとめ
ここでは授業外範囲の学習をするモチベーションとして、「勉強って楽しいじゃん」という話を盛り込んできました。学問の発展はいつだって知的好奇心です。「でもなぁ、もうちょっと利益が見えないとやる気にならないんだよなぁ」なんて方、安心してください。次回しっかりと指導要領を逸脱する実用的な理由をご覧に入れましょう。
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