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過去形になると丁寧になる can の秘密

Ryoです!

先日、受講生の方からこんな質問がありました。 

なぜCould you のように
can を過去形にすると
丁寧な表現になるのですか?

なるほど、これは素敵な質問です。

実は、この質問を受けたのは
今回が初めてではありませんでした。
きっと多くの方が引っかかる部分なのではないかと思います。

そこで今日は、
canを過去形にすると
丁寧な表現になる理由に迫っていきたいと思います!

過去形とは何か?

「過去形とはなんですか?」
と問われたら、あなたはなんと答えますか?

「過去のことを表す文法」


多くの人がこう答えるのではないでしょうか。

それでは
「過去とは具体的にいつからが過去ですか?」
と聞かれたらどうでしょうか?

答えに詰まりませんか?

なんだか哲学的な領域に入ってしまいそうな問いですが、
実は「どれくらい前のことを過去と定義するか」
決めることができません。

では、私たちはどうやって
「過去」を「現在」から区別しているのでしょうか?

答えは、「なんとなく気分で」です。

つまり、過去形は「人の気持ち」で決められるものなのです。
そこにはどんな気持ちが詰まっているのでしょうか?

それは、
「遠く過ぎ去ってしまった
現在の世界とはまた別の世界のことを
見遣るような気持ち」

です。

「現在の世界とはまた別の世界」
というと分かりにくいかもしれませんが
過去形を使うと、
「現在の世界では事実ではない」
というニュアンスが出てしまうことが多々あります。

例えば私が自分の妻に
「昔は可愛かったよね」
と言えば、それはもう大変なことになってしまいます。

過去形を使ったことで
「今は可愛くない」
つまり、
「可愛かったという過去の事実は現在の世界では事実ではない」
ということが暗示されてしまうからです。

過去形が表す
「今の世界では事実ではない」
というニュアンス、理解できましたか?

can が過去形になると丁寧になる理由

ではその過去形のニュアンスと
can が過去形になると
丁寧になることがどう繋がるのでしょうか?

例えば
Can you open the window?
という文を例に取り上げましょう。

このcan を過去形にするとcould になります。
「できる」が「できた」となるわけですから、

Can you open the window?
「窓を開けることはできますか?」

↓↓↓

Could you open the window?
「窓を開けることはできましたか?」

と日本語で考えてしまうと
丁寧になる理由がさっぱり分かりませんね。

ここで、過去形のニュアンスを思い出してみてください。

「現在の世界の事実とは異なること」
を過去形で表現するのでしたね。

ですので、過去形になると

窓を開けることが「できる」という
事実から遠ざかったニュアンスが出るのです。

言い換えれば、「できる可能性が低い」ということを
想定した質問になるというわけですね。

それを仮に日本語で表すのならば

Could you open the window?
「(できる可能性は低いとは思うのですがもし可能ならば)
窓を開けることはできますか?」

となり、丁寧なニュアンスが出るわけです。

日本語に直訳する学習法では
なかなか気づきにくい表現技法ですよね。

このように、それを話す人の気持ちに着目して
読み解いていく文法を
認知文法」と呼びます。

丸暗記型の学習で躓いた方は
ぜひこちらを試してみてください。

それではまた!

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