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演芸隊長としての日々 高校野球の思い出

演芸隊長とは
高校野球に属している方なら分かると思う。
いや、学校生活を送ったことがある方なら、
いや、たとえあなたがニートでもアイドル好きな方なら、
いや、たとえ学校生活を送ったことがなく、アイドル好きでもなくとも、
なんとなく想像はつくと思う。

組織、グループに一人はいる、
目立ちたい、
笑いを取りたいと直向きに日々取り組む人を。

野球部ではそれは僕だった。

演芸隊長とは、笑いをとることを使命付けられたもの。滑ることは死を意味する。(その死が分からない方は前回の記事を)
https://note.com/mako_gaishi/n/n44f3f7c4d6ea

隊長指名は突然に


多分入学して一ヶ月ぐらい。そう、魔の挨拶運動(前回のエピソード)があったあたりかその前ぐらいに「おい一年、この中で面白いやつ誰だ」
怖い先輩が言った。

なぜか僕になった。へ?なんで?

「じゃあ今日から演芸隊長な」

<<  今日から演芸隊長  >>

いきなりのパワーワードに、「はい!」へ?なんで?

なんかやばくない、大丈夫?そりゃモノマネの少しは出来るが、芸人レベルでの面白さなどないぞ。。

演芸隊長のすること、それは、なにかイベントがあった際に確実に笑いをとり、場を盛り上げること。単純だがシラケればまた奥部屋行きだ。

高校のイベントは多数ある。大きなところでいうと

・野球部の先輩を送る会
・文化祭の後夜祭
・三送会という卒業する三年生を送る会

他にも全国大会に出るようなレベルのチアリーディング部の発表会や、
日々の先輩への営業も欠かせない。それらを後輩としての練習後のグラウンド整備や自主練に加えコンプリートするなかなかのタイムマネージメント。

幸いなことに僕の代は笑いにセンスのあるやつ、また目立つことが苦ではないやつが多かった。日々の部室は馬鹿なことでありふれていた。基本脱ぐ、パンツを投げる、触るなど。

そして、話に聞くに先輩達は全くセンスがなかった。
全校生徒の前でExileを歌った先輩がいるらしい、それも普通に下手だったらしい。 それはもうその先輩がChoo Choo Trainに乗ってどっか行った方が良い。


最初の仕事、チアリーディング部を見に来ている(半数は僕たちの演芸を見に)人たちへ、僕を含めた3人でギャグをかますという使命だ。
上手く先生のモノマネを重ね乗り切った。
だが、軽く笑いを取ったぐらいで気を抜いてはならない
もちろん調子に乗ってミーティングで笑ってみろ、あの奥部屋行きだ。
そして先輩達はセンスがなかったと言った事が先輩の耳に届いてみろ、地下行き。
カイジのように。。。
地下は嫌だよぉぉぉおお


僕たちの代は30人もいるため、3人一組のコントを10組やろうということで大きなイベントに挑んでいた。

3日前程から
「皆、三送会で全校生徒の前でネタをしないといけないので、考えておいて下さい。」というと
決まっているグループごとに皆ネタを考え出す。
普段漫画しか読まない授業中もネタを熟考、2日前からネタを合わせ、
夜10時ぐらいまでお互いにネタを出し合い確認する。
前日は順番を練り、構成する。(もちろんじゃんけん等の運も重なるが)
本場前は、「とにかく大きい声でやること、恥は捨てよう」と、
もはや野球部ではなく演芸部。



ショートコント「猫」


これを書いていて思い出したネタがあるので紹介したい。これは僕と、
歯の歯垢磨き残し95%と診断され、歯科医に「君は15年間何を磨いて来た」
と言われたT君、後に野球部を去ってしまう長身で手足の長いS君
と行った三送会でのショートコント「猫」だ。

僕たち3人のコントは誰もツッコまない。
基本は僕とT君のボケとS君がコントを進めるサポートになり、3人がナレーションをする。

S君 「さぁ始まりました、伸膝拳立て世界選手権、(僕)選手、5秒耐えれば優勝です。」

僕 伸膝拳立て(足を揃えて膝を伸ばして座りそのまま腕で体を持ち上げて5秒耐えるという体育の体操の一種)を持ち前のガッツで5秒耐える。

若干「おおー!」と会場がなる

S君 「決まりました!リプレイを見てみましょう!ここで(僕)選手が、いや?ちょっと待ってください?」

T君が浮いている僕の足の下に入る。

S君 「猫だー!!猫が足を支えています!これはいけません!」

若干のツカみ

S君 「気を取り直して再度行きましょう!」

僕 再度伸膝拳立てをする。5秒耐える。ガッツで耐える。

S君 「今度こそ決まりました!リプレイを見てみましょう!5秒キープしまし、いや、ちょっと待ってください!?」

T君 僕の横で伸膝拳立てを始める

S君 「猫だー!猫です!優勝は猫です!」

といったような安いコントだが、このコントはかなりウケた。

このあとの野球のバッターが見送ったのにリプレイでは猫がホームランを打っていたコントも、ウケた、千鳥なみのワードセンスでウケた。

10組が終わり、「僕が野球部は以上です。ありがとうございました。」というと会場からは充実した拍手がおき、僕は笑いを生み出してくれた仲間に感謝しかなかった。

ちなみにこの怖くて演芸隊長を任命した先輩は、旧演芸隊長だったらしい。
あとからTwitterのアカウントで分かったことだが僕の誕生日も同じだったらしい。
演芸隊長は何かで結ばれてるらしい。

全ての演芸隊長達に幸あれ

次回は「陸上部ごめんなさい」です。

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