▪️自己

自己は、外界との関係を無視して生きていく事は出来ない。
人間は、有形にせよ無形にせよ、外界から必要なものを摂取する事によって生命を維持している。

第三者が、必要なものを与えてくれるのを待っていたのでは、生き抜くことは出来ない。必要とするものは、自分の力で勝ち取らなければならない。その為には、自己を外界に向かって積極的に表現し、主張していかなけらばならない。

そして、自己をただ意識するという消極的な態度から、自己を信ずるという積極的な態度への転化、それが、自己の表現や主張の下地となる。そして、その自己を信じるという事が、自信なのである。

自己 は、自己を一般的な基準に調整しながら、自己の特殊性を追求する傾向がある。自己の認識ならびに生活は、外界に依存している。思惟は、外界の価値観や環境との葛藤を通して為される。
日本人は、日本語で思考する。環境や習慣等といった外的状況は、その人間の生き方を決定づける重大な要因を持っている。

そこに、自己を外的状況に順応させていこうとする、つまり、自己の一般化、標準化の傾向が生ずる原因がある。又、自己の個体としての存在、自己の存在感を得る為に、自己の特殊性への願望が生じる 。両者の兼ね合いがうまくいけば、向上心にかが、かみ合わないと劣等感や優越感の原因となる。

一般とされる基準系は、自己を取り巻く限定された環境の標準、もしくは理想に置かれる。学生ならば成績のようなもの。しかし、この一般とされる基準系が、必ずしも自己の欲求するものと一致するとは限らない 。そこに自己矛盾の原因がある。

自己矛盾の解決には、環境自己が適応できるように改革する事と、自己を環境に順応させることとの葛藤を通じて、自己と外界との関係を調和させる以外にない。仮に調和させることに失敗した場合、その関係から離脱するか、主体性を喪失させることになる 。

自己と外界との関係を調和ある状態に持っていく為には、自己の主体性に対する怖い信念がなければならない。外界からの作用は、自己の持つ内面に反映される。故に、自己に対して外界は強い暗示を与える。そのような外観に対して、いかに自己の欲求を達成させていくかは、自己に対する信念の度合いによって 決する。

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